第三話 その人は友達ですか?
第三話ですっ!!
一、二話読んでから読むのがおすすめです!
このかいから少し不穏さ(残虐性)が漂って来るので苦手な人は回れ右です。
振り返ると、もう茶髪の女の子は消えていた。
○学食○
学食に着き、テーブルにすわってお姉ちゃんを待っていると、ふと茶髪が目に入った。見ると、あの助けてくれた女の子が他の組の子とご飯を食べていた。
お礼はさっき軽く言ったが、すごく助かったんだしやっぱりもう一度、と思ったが、邪魔になりそうだったのでやめておいた。そういえば、しずくはあの女の子の名前を知らない。
それにしてもお姉ちゃんが遅い。しずくより絡まれているのだろうか。
なんとなく斜め前に視線を向けると、しずくを助けてくれた男子2人が談笑していた。
思わず話しかけようとすると、
「この子がしずくちゃん?普通に可愛いい!」
驚いて顔を上げると、お姉ちゃんと、二つ結びの女の子と、マッシュの男の子と、それからツーブロの男の子がいた。
ちょっと人数が多かったので戸惑っていると、
「静空、紹介するよ。私の新しくできた友達!」
ちょっとどやっとしながら言われて少しイラッとしていると、それぞれ自己紹介してくれた。
「私は石井夏南だよ!よろしく!」
「俺は中鶴諒。なんかわかんないことあったら聞いてな。」
「で、俺が軽井沢龍義。よろしくなー」
この人たちの名前を頭に叩き込んで、自分も自己紹介する。
「えと、桐生静空です。お姉ちゃんがお世話になってます」
…あ、名前はもう知ってるのか。
この石井さんは結構パワフルで明るそうな感じがする。この中鶴って人はなんとなく優しそうだ。
軽井沢さんはなんとなく頼りになりそうだ。完全に第一印象だけど。
「諒の言った通りわかんないことあったら何でも聞いていいかんね!そういえばしずくちゃんは友達できた?」
そう聞かれて少し言葉に詰まる。友達……
しずくの様子に気づいたのか、石井さんが色々察してくれて、
「まぁまだ初日だしね。たくさん友達できるから!
龍義だってそうだったでしょ?私が話しかけなかったら友達ずっとできてなかったでしょ?w」
「いやそんなわけないだろーw」
…そうなんだ。なんか意外だ。
「そういえば氷花、さっきの家庭科めっちゃ器用だったよな。俺ああいうのできないから憧れるわ。」
「え、そうかな?」
中鶴さんはやっぱり優しそうだな。……自分も早く優しい友達作んないと。
「うん、氷花めっちゃ器用だった!じゃしずくちゃんも器用な感じ?氷花ちゃんに教えてもらったりしてもらえるのは羨ましいな、家庭科の課題とかすぐ終わりそうじゃんw」
そう龍義さんに言われたけど…
「いや自分はあんまり…お姉ちゃんに何度か色々教えてもらったことはあるんですけど、元々不器用で…」
これはウソではない。
しずくとお姉ちゃんは二人暮らしで、お姉ちゃんがいつもご飯を作ってくれている。だから器用なのだ。
でもしずくはカレーも作ることができない。ほんとに不器用なのだ。だから自分は洗濯係。
「そっかー。あ、昼休憩もう終わっちゃう。じゃあ、しずくちゃんまたね!」
石井さんが時間を見て言った。みんなそれぞれ教室に戻っていった。
お姉ちゃんも立ち上がって歩き始めたその時、お姉ちゃんがつまずきかけた。よりによって少し浅く被ってしまっていたお姉ちゃんのニット帽が揺れる。
ま、まずい。このままじゃ。
だが間一髪でお姉ちゃんがニット帽を押さえ、思わずだろう。お姉ちゃんが中鶴さんの裾を掴んだ。
「うお、大丈夫?」
「あっ、ごめん!大丈夫。」
あ、危なかった……
でもこういう事も今まで何度かあったので、思いの外しずくもお姉ちゃんも冷静だ。
……ただお姉ちゃん、なんか顔赤くないか?
まぁ、気にしない。(すごく気になる。)
…お姉ちゃんは友達作るのが早い。
ただ、もうしずくが友達になりたい人の目星は、ついている。
○?????○
ザシュッ。
もう聞き慣れた音が鳴り響いた。
また失敗してしまった。
この体で人を殺めたのはこれでもう3回目。
そろそろ、見つけないと。
ファイルを取り出してパラパラとめくる。
様々な目撃情報が記された新聞の切り抜き。
今回ダメだったのは、虹の超能力者。
今回も望んだチカラではなかった。
対して強くもなかった。殺すのにも手間がかからなかったし。
じゃあ次は……
こいつだ。
読んでくれてありがとうございます!(*‘ω‘ *)
登場人物が新しく何人かでてきたと思うので、今まで出てきたキャラクターの名前をまとめておきます。
桐生 静空 (きりゅう しずく)主人公
桐生 氷花 (きりゅう ひょうか)静空の姉
石井 夏南 (いしい なつな) 二つ結びの女の子
中鶴 諒 (なかつる りょう)マッシュの男の子
軽井沢 龍義 (かるいざわ りゅうぎ)ツーブロの氷花
の友達
その他にも新たな登場人物の名前がでてきたらあとがきにまとめます!
光くんは、まだ苗字が判明してないのでフルネームが分かったときに他の子たちと一緒にまとめます!