第二話 いちばん最初の感謝
こんにちは、第2話です!正直書くのめちゃ楽しかったです(*‘ω‘ *)
楽しんでくださると嬉しいです!
トビラを開ける。
予想していた通り、クラス内がざわついていた。
先生に促され、恐る恐る教室に入る。
「え…っと、桐生静空です。…よろしくお願いします」
クラス内がまだざわざわしてる中、しずくは先生に案内された席に座った。心臓がまだバクバクしている。
横目で隣の席の子を観察する。その子は女の子で明るめな茶髪をしており、髪を下ろしていて、ヘアピンを付けている。かなり顔が整っていて、この子は少し落ち着いているようだがやはりしずくに興味があるみたいだ。
それからホームルームが終わり、退屈な午前の授業も終わり、昼休憩の時間になった。
昼休憩では学年や小中関係なく学食が利用できるようになっていると聞いたから、お姉ちゃんと学食を食べようと考えていた。だけど…
「しずくちゃんだっけ?よろしくね!私は真依っていうんだ!」
「私は杏。仲良くしてよ!」
「あ、俺は蓮ね。よろしくなー」
「よろしくー、俺はねー…」
私は、俺は、私は、俺はー。
………聞き取れない。名前とか覚えないといけないのに混乱して頭に入ってこない。…ちょっと怖い。ほとんどのクラスメイトが話しかけに来てる。
話しかけて来ない子といえば、なんかすごく明るそうな男の子と、その子と一緒にいてこっちの様子を伺っている少し暗そうな男の子
と…それから、あの茶髪の女の子。
でも流石に友達は作らないと。……でも誰と?
「おい、お前金髪だよな。さっき見かけたけど、なんで姉妹なのにお前の姉黒髪なの?w」
……え?
顔をゆっくり上げる。そこにはさっきまでいなかった男子が立っていた。今、この子なんて言った?
「なんでお前は金髪なのかって聞いてんだよ、なんか言えない事情あんの?w」
固まっていると、そいつが更に詰め寄ってきた。面白がっているように。
「……しず……わ、私は…違うよ、これは、染めたら落ちなくなっただけで…」
「へぇ~?ほんとかなぁ?w嘘じゃないの?w」
なんなんだ、こいつは。こんなこと聞いて。
さっきまで執拗に話しかけてきていたクラスメイト達は気まずそうに押し黙っていた。
「ほんとーは拾われたとか?もしかしてー…」
色々と爆発しそうになってきた。一体、どんな神経してるの?
「やめてよ、そういうの…ほんと、違うから」
「はぁ?もし本当に染めたなら俺が落としてやるよ。ほら…!」
髪に手を伸ばしてきた。やめろ。今すぐ立ち上がりたいが椅子が引けない。よく見ると子いつが椅子の脚をふんずけていた。手も強引に押さえられた。
誰かー。
バシッ。
……この音は。
目を恐る恐る開けた。
目の前には、いつの間にか来ていた子が3人。
一人はあのすごく明るそうな男の子が、こいつの手を思い切りはたいていた。もう一人はあの少し暗そうな男の子で、しずくを椅子から立たせて少し後ろに下がらせてくれた。
そして最後の一人はあの茶髪の女の子で、こいつの足を踏んづけていた。
「あのさ、それは違うっしょ。」
「いい加減にしろよお前。」
「…えっと…大丈夫…?」
「え、あ…」
突然のことに少し困惑していると、我に返ったこのクz…じゃなくて意地悪な男子が声を張り上げた。
「な、なんだよおまえら!こいつの味方する気かよ!」
ちっとも反省しようとしないこの男子に少し呆れてしまった。すると明るそうな男の子がいじめっこの男子に近づき、
「お前さ、調子乗ってるよな。ほんと。今自分がどういうこと言ったか分かってんの?先生に言うよ。」
そう言ってニコッと笑った。
その顔があまりにも怖くて、思わず身震いしそうになった。このいじめっこも息を飲んだのが分かった。
みんなも結構怖そうにしている。
…ただ、この暗そうな男子は…
しかしこのいじめっこが、
「……や、やってみろよ!証拠とかあんのか!」
とこの状況でも声を荒らげた。
女の子と明るめ男子がいじめっこを睨んだのが分かった。
ま、まさかこいつ、先生に嘘を言うつもりか…
だが、暗め男子がおもむろに学校用のタブレットをいじりだし、明るめ男子に渡した。すると明るめ男子の顔がぱっと明るくなって、「ひかるナイス!」って言って肩をぽんぽんと叩いた。
この暗そうな男子はひかると言うらしい。そしてその画面をいじめっこに突きつけた。茶髪の女の子もその画面を覗き込んだ。
とたんに、いじめっこの顔がたちまち真っ青になるのが分かった。そして明るめ男子が、
「じゃ、そういう事だから!」
とニッコニコで言い放つと、いじめっこが教室から飛び出してった。
頭がはてなマークだらけのしずくの様子に気づいたのか、暗そうな、じゃなくてひかるっていう子が画面を見せてくれた。
そこには、しずくのことをいじめるいじめっこの様子が一部始終写っていた。
そうか、ひかるくんが証拠を残しておいてくれたのか。
「あいつ、前からああいう感じでさー。大丈夫だった?」
茶髪の女の子が声をかけてくれた。
「あ、うん、何とか。助けてくれてありがとう、助かったよ。」
「ええよええよー。あと大体色々してくれたのあの2人だし、うちはほぼ何もしてないからw後でお礼言っときなー。」
振り返ると、もうあの2人は消えていた。
「…そういえば、君って名前h…」
そう言いながら女の子を見ると、その子も消えていた。
読んでくれてありがとうございます!!!感謝です!!
これからも続くのでよろしくお願いします!頻度はかなーり不定期になると思うのでそこはご了承下さいm(_ _)m