ショタコンロリババア対策会議2
話が振り出しに戻ったことを感じながら、まだ暖かいコーヒーカップを手で包むように触れる。じんわりとするのが癖になって、話しながら何度も繰り返していた。
「責任を持って引き取るというのなら、三階の空き部屋を使ってもらうのが一番良いと思う。プライバシーを守るためにも」
「僕も賛成。無料というわけにはいかないだろうけど、ルートもこの世界でこれから生きていかないといけないわけだし」
あの小さな少年がどう生きていけばいいかというのは、実際大きな問題である。本来なら義務教育の年齢だが、学校に行けるのか、戸籍などはどうなるのか、分からないところが多い。何よりこの世界を自分で見た後で、ルート自身が何を望むのか、はっきりさせる必要があるだろう。
「……LIME見たけど、ルートくんの話どのくらい信じてるの?」
一拍置いて、小鷹がそう問いかけてくる。
「現実味はないけど、僕は全面的に信じることにした。魔法はこの目で見たし、あの純粋そうな子どもがそんな意味のない嘘をつくとは、ちょっと思えなくてさ」
昨日の必死に語る様子、もし何か隠していることがあるのだとしても、丸ごとルートを認めてあげたい気持ちがすでに出来上がっていた。
「私は……まだ信じられないかも。今度また魔法を見せてもらおうかな……」
小鷹はあごに手をやって、あれこれ考えている。背景の喫茶店も相まって、とても魅力的な画がそこにはあった。
「……とにかく空き部屋に住めるとしても、何か対価が必要になりそうだね。お金は、少なくとも今は難しそうだけど」
「そこは本人と相談してから、大家さんとすり合わせかな。……私たちも同席しないとだけど」
あの小型生物がルートに求める対価……いやな予感しかしない。
「ところで進藤くん、このあとひま?」
「えっ……うん」
もしや初カフェに続き初デートのお誘い……?いやいや、さすがにそれは。調子乗りすぎだよねははは。あせあせ。
「ルートくんは今、友奈ちゃんと一緒にいるんだよね。合流していろいろ話しておこうよ。きっとまだまだたくさん不安だろうし」
本当に違った。一人の人生が大きく動くような話なのに、一瞬で花畑に飛んだこの脳が許せない。なにしてんねん。
「そうだね。そうしようか」
僕はどうしても拭えない残念な気持ちと、二人で行動できる喜びが混ざった複雑な男心をひた隠し、島原さんにLIMEを飛ばした。
『どこにいる?合流していろいろ話そう。こっちは小鷹と二人で喫茶店に来てる。今小鷹と二人でいる。今、一緒に。』
返事はすぐに返ってきた。
『なんか嬉しそうだね』




