十五章 濡れ衣を着せるつもりかよ。
お茶を終えてから、スミレによって町の案内をしてもらう一真とユニ。
とは言え一真からすれば、どう見ても映画村にしか見えない町並みを案内してもらうと言うのは、どうにも複雑なものがある。
しかし、それとは別に一真の中で疑念が渦巻いていた。
「(疑心暗鬼って言う割には、町の様子は至って平和だな……やっぱり西部のギルドマスターが暗殺されたのは嘘だったのか?)」
死因不明、遺体も見つからない。
これだけで暗殺されたと判断するには、あまりにも弱い。
例えばこの件に前世の警察が関わったとしたら、事態をもっと究明してから暗殺かどうかを判断するだろうに、前後状況も不鮮明なままに何故「暗殺された」と即断即決したのか。
「……なーんかカズくんが難しそうな顔してる」
不意に、ユニが一真の横顔を覗き込んできた。
「ん……そんな顔してたか?」
「してるよ、心ここにあらずーって感じ」
一真とユニが会話しているのを見てか、スミレが足を止める。
「カズマ様、お疲れでしょうか?」
「いや、疲れてるわけじゃないんだ。……ただ、さっきのギルドマスターの話が気になっててさ」
「トウゴウ様のお話、と言うと?」
先程、スミレはお茶を淹れるために席を外していたのだ。
一真はリュウガが話していたことをほぼそのまま話した。
それを聞いて、スミレはほんの微かに眉を顰めた。
「その、暗殺されたと言う噂ですが……」
スミレは然りげ無く辺りを見回してから、二人と距離を縮めて声量を落として話す。
「……暗殺の実行犯は分かりませんが、それを企てたのはランハーン副支部長……今現在の、暫定的な西のギルドマスターだと、トウゴウ様は見ています」
「副支部長がギルドマスターを暗殺、か……」
分からないでもない話だ、と一真は瞬きを繰り返す。
副支部長と言うことは、組織のナンバー2である。
もしも仮にトップが何らかの形で失脚すれば、ナンバー2がそれを取って代わる必要性が説明出来る。ソンバハルのギルドのように、それが決定事項として規定されていれば尚の事だ。
失態をでっち上げることも可能であるかもしれないが、コテツギルドマスターが強い民意を得ていればそれも難しくなるだろう。
そこで一番手っ取り早くかつ最も効果的なのは、『力尽くで排除すること』
言ってしまえば、権力に目が眩んだあまりの凶行。
事故死、あるいは病死に見せ掛けて殺害してしまえば、大義名分の元に自分がトップに立てる……そう言う魂胆なのかもしれない。
「無論、本当にランハーン副支部長が行ったことなのかを確かめるべく情報を集めていますが、今のところそれらしい手応えはありません」
スミレは力無く首を横にふる。
「そりゃぁ、迂闊に尻尾が出るような相手ならそもそも暗殺されることもないよな」
その件の副支部長から、さらに二重三重に遠回しして実行犯に依頼を通しているだろう。
そうなると実行犯は、ギルドマスター暗殺を企てたのが副支部長だとは知らずに犯行に及んだ可能性も高い。
「加えてランハーン副支部長は、「コテツ様を暗殺したのはトウゴウ様ではないのか」と疑いをかけているのです」
「はぁ?自分が暗殺者をけしかけたくせに、他人に濡れ衣を着せるって言うのか?」
とんでもない奴だな、と一真は嫌悪感を顕にする。
「うーん……色んなことがハッキリしなさすぎて、なんか気味が悪いよ」
ユニは溜息をついてみせる。
余所者である一真とユニですら不気味に感じているのだ、ソンバハルの町民の不安は軽いものではないだろう。
「ねぇカズくん、私達で何か出来ることってないかな?」
「出来ることって言ってもな……この町のことだって何も分かってない、余所者の俺達に何が出来るんだ?」
困っている人がいるのなら、何とかしてやりたいと言う気持ちは、一真にもある。
だが、相手は魔物ではない人間だ、ただ戦って討伐すれば終わりという話ではない。
二人して頭を悩ませていると、
「あれ、カズマとユニじゃないの?」
ふと、つい最近に聞き慣れなた声が聞こえた。
その声にパッと振り向くと、赤髪の長身の女性――ラズベルが三人を見ていた。
「ラズベルさんっ?あ、お久しぶりです」
「ど、どうもです」
何故ラズベルがソンバハルにいるのか、と言う疑問はあるが、ひとまずは挨拶をする一真とユニ。
「ん、久しぶりー。で、どうしたの二人とも。観光?」
ラズベルは、一真とユニが観光のためにソンバハルを訪れたのかと訊ねる。
「観光じゃなくて、依頼のために来たんですよ。それももう終わって、今はこっちの、スミレちゃんに町の案内してもらってるんです」
一真が、スミレを指しながら答えると、スミレが一歩前に出てラズベルの前で一礼する。
「ベンチャーズギルド・ソンバハル東支部所属、スミレ・サイオンジと申す者です」
「ご丁寧にどうも。あたしは、エスターテ支部所属の、ラズベル・クヴァシルよ」
互いに挨拶を終えると、早速ラズベルが本題を持ち出す。
「ソンバハルのコントラクターなら、ちょうど良かったわ。町の案内してるとこ悪いけど、この町のギルドマスターへの信書を預かってるから、集会所まで連れてってくれる?」
「トウゴウ様に信書?分かりました。……カズマ様、ユニ様、申し訳ございませんが、こちらの方の案内を優先します」
スミレは一真とユニの二人に向き直って頭を下げる。
「あぁ、いいよ。大事な用みたいだし、ラズベルさんを優先してあげて」
「こっちは気にしなくていいからね。って言うか、集会所まで一緒に行くよ。さっき、美味しそうなお店があったし」
ユニが言うのは、集会所内にある茶屋のことだ。
用件は別々ながら、この場の四人は集会所へ戻る。
集会所に戻って来るなり、一真とユニは茶屋の席に着き、ラズベルはスミレの手引きの元、リュウガの元へ招かれる。
それを見送って、ユニはお品書きを目に通していく。
「わっ、かわいいスライム……ってこれ、お菓子なんだよね?」
お品書きにある絵を見て、ユニは目を丸くする。
見れば、魔物のスライムを模した饅頭のようだ。
「……俺、そのスライム饅頭にしようかな」
「あっ、私もそれ食べたい!」
「じゃぁ、スライム饅頭のセットをひとつ頼んで、シェアするか」
「うんうん、そうしよそうしよっ」
スライム饅頭のセットを注文し、届くまでの間は談笑に興じる二人。
すると、信書を渡し終えたのか、奥の部屋からラズベルが戻って来た。
ラズベルも茶屋に目を付けると、「隣、失礼するわね」とユニとの間に一真を挟むように座る。
「お疲れさまです。信書って、なんのことだったんですか?」
この間にエスターテから帰る間際でキスをされた身としては、ラズベルのことを意識せざるを得ない一真だが、そのことは出来るだけ思い出さないようにと、真面目な話題を持ち出す。
「それなんだけどねぇ……どうも、渡す相手を間違えちゃったのよ」
どういうことかと、一真とユニは耳を傾ける。
「ほら、ソンバハルってギルドマスターが二人いるでしょ?……今の西のギルドマスターは仮の代理をしてるんだけど、あたしが出したかったのは、西の方だったのよ。てっきりこっちが、ランハーン副支部長だと思ってた」
「あー……ソンバハルのギルドマスターって聞いたら、どっち?ってなったんですね?」
ラズベルが何を間違えたのかを理解したユニ。
「まぁ……あたしの言い方も不十分だったし、スミレちゃんには悪いことしちゃったわ」
せっかく町の案内を中断してまでこちらを優先してくれたのに、それが間違い信書だったのだ。
「ま、そんなわけだから、あたしはこの後で西の方に行くんだけど……あ、すいませーん、みたらし団子のセットひとつで」
近くを通り掛かった茶屋の店員に慣れたようにオーダーするラズベル。
さてあとは注文が届くのを待つだけと言う時、
「西部へ行くのなら、ご注意ください」
スタッ、とラズベルの背後に降り立つようにスミレが『上から現れた』。
「え、スミレちゃん?今、天井から出てこなかったか?」
一真はスミレの頭上を見上げるが、どうみても普通の天井でしかない。
「申し訳ありませんが、それは重要機密に当たりますので、お話しできません」
くノ一には、どうやら色々と秘密があるらしい。
「……それで、西部へ行くなら気を付けた方が良いって言うのは?」
忠告を伝えるスミレに、ラズベルは目を細める。
「現在の西部は、コテツ様不在のために治安が悪化しているのです。もしお一人で行かれるのでしたら、お気を付けて」
「別に男の一人や二人くらいなら返り討ちにしてあげれるけど。でも、スミレちゃんが同行してくれるってわけじゃないのね?」
「ランハーン副支部長は、どう言うわけか排他的な統治を行っているため、東支部所属の者は門前払いにされるのです。コテツ様がいた時は、強権を笠に着るような方では無かったのですが……」
「……きな臭いわ。怪し過ぎて、叩かなくても埃が出そうね」
こりゃ確かに気を付けた方がいいわ、とラズベルはお茶を啜る。
「あの、ラズベルさん。俺たちで良ければ付き合いますよ」
一真は、一人で治安の悪化した西部へ行くというラズベルに、自分達も同行すると言う。
「そうそう、一人よりは三人で行く方がいいですよ」
ユニも然りと頷いている。
「んー……ま、あたし一人よりかはマシか。んじゃ、悪いけど付いて来てもらうわね」
ラズベルとしては一人でも良いのだが、少なくともスミレが忠告するくらいには、今のソンバハル西部は治安が悪いらしい。
何も無ければそれでいいかと判断して、ラズベルは二人の同行を認める。
そこへ、
「お待たせしました。みたらし団子のセット、スライム饅頭のセットになります」
茶屋の店員が彼らのオーダーしたものを運んで来た。
いただきます。
茶屋での軽食を終えた後、一真、ユニ、ラズベルの三人はソンバハルの西部へと向かい、スミレはどこかへ潜んだ。
ソンバハルの西は、町並みそのものは東と同じだが活気が無く、寂れた雰囲気がある。
擦れ違う町民達も、東にいる者と比べても表情が重苦しそうで、まるで少し前のエスターテと同じだ。
さらに、町の各所には武装した兵士が目を光らせており、一真達を見かけるなり警戒するような目を向けてくる。
「これは、ちょっと普通じゃないですよ」
ユニが小声でラズベルに話し掛ける。
「西のギルドマスターが暗殺されたって噂のせいね……あるいは、ランハーン副支部長がよっぽど悪い統治をしているか、だけど」
またもしくは、その両方が重なっているか。
視線を刺されつつも、『冒険者組合』と書かれた屋敷を見つけるが、その出入り口にはまた武装した兵士が門番をしている。
ラズベルが先頭に立ち、兵士達に近付く。
「ここはベンチャーズギルド・ソンバハル西支部。ランハーン様がおわす所と分かってのことか?」
ギロリと睨み付けてくる兵士。
とても客人に対する態度ではないが、ラズベルは堂々と自分の用件を話す。
「ベンチャーズギルド・エスターテ支部、イダス・クヴァシルマスターより、ランハーン副支部長宛の信書を預かっています」
懐から、リュウガの手によって開封してしまったものを、書き写して巻物にしたものを見せるラズベル。
「信書だと?少し待て。……おい」
二人いる内の一人が、踵を返して屋敷へ入る。
数十秒後に、先程の兵士が戻って来る。
「ランハーン様の許可が降りた。通れ」
「……どうも」
兵士が道を開けるのを見て会釈を返しつつ、ラズベルは屋敷に入る。
その後に一真とユニも続こうとするが、
「おい、お前らは部外者だ。許可はしていない」
兵士は槍の切っ先を一真に突き付けた。
「ッ……いきなり武器を向けることは無いんじゃないですか?」
槍の切っ先から一歩下がる一真は、兵士の無礼千万な態度に口をこぼす。
「ランハーン様からは、許可した者以外は通すなと言われている」
「……」
排他的な統治を行っていると言うのは本当らしい。
一真はその場で回れ右をして門の前から離れ、ユニも彼に続く。
「ラズベルさん、大丈夫かな……」
ユニは不安げに屋敷を見やる。
「……信書を渡すだけだし、何もないと思うけどな」
一真は自分自身とユニに対してそう言い掛ける。
屋敷に入ったラズベルは、見張りを前後に付けられながらも集会所の奥へと入り、人相の悪い大柄な男と対面する。
この男がランハーン副支部長である。
服装こそ正装であるランハーンだが、無駄に身に着けている宝飾品のせいでラズベルは「趣味の悪い奴」と第一印象を決めつける。
そのことはおくびにも出さず、あくまでも礼儀作法に則って巻物を差し出す。
「こちら、エスターテギルドマスターの、イダス・クヴァシルからの信書になります。お確かめください」
彼女から差し出された巻物を受け取ったランハーンは、その場で封を切って中身を確かめる。
「………ふむ」
文面を目に通して、顎を扱くランハーン。
すると、側近らしい男がランハーンに耳打ちし、ランハーンは頷く。
すぐさま巻物と筆を取り、文面を流れ書く。
書き終えるとすぐにくるくると巻いて、それをラズベルに手渡す。
「クヴァシル嬢。来て早々で悪いが、こいつをリュウガ・トウゴウに届けてくれや」
「はい、かしこまりました」
巻物を受け取ったラズベルは、懐にそれを収めるとすぐに退室する。
門から離れたところで待ってくれていた一真とユニと合流し、さっさと西の町から東へと戻る。
東と西とを繋ぐ橋からも離れたところまで来てから、ラズベルは声を上げた。
「はーーーーーっ、趣味悪いったらありゃしないわあのボンクラ男!!」
本人を前にして言えば即座に首が跳ぶ(物理)だろうことを大声で言うラズベル。
「そんなに?」
そこまで大声にするほど趣味が悪いのかとユニは訊ねる。
「そんなによ。もう何ていうか、自分が金持ちなのをこれでもかってくらい自己主張してるって感じ。あそこまでダサ臭い男は初めて見たわ」
身内の贔屓目なしと百歩譲ってもウチの父さんの方が百倍カッコイイし、とラズベルはぼやく。
「ま、まぁ、そのボンクラ男から、今度はトウゴウギルドマスター宛の信書を受け取ったってことですよね」
他人の悪口はそこまでにしておこうと思い、一真は話題を真面目なものにする。
「正直、こんなもん今すぐ燃やしたいところだけど、そう言うわけにもいかないしねぇ」
そうこう話している内に、三度東支部の集会所へ入っていく三人。
受付嬢には信書を預かっていることを理由に、三人ともリュウガの畳部屋へと入室する。
「あのランハーンからの信書やと?」
あからさまに訝しげな表情を浮かべながら、リュウガはラズベルから巻物を受け取る。
「一体何を企んどるんや……」
紐を解き、巻物を広げて内容を目に通し――
「……どう言うことや」
困惑に目を細めるリュウガ。
しばし考え込んだのち、一真に向き直って信書の内容を話す。
「『現在、ソンバハル東支部に滞在しているカズマ・カンダと言うコントラクターを即日中に引き渡せ。さもなくば、西部ギルドマスターの権限において、コテツ元ギルドマスターを暗殺した疑いでリュウガ・トウゴウを拘束する』……とのことや」
「えっ、なんで俺の名前が?」
ランハーンと対面したのはラズベルだけだ。
そこで何故自分のフルネームが出てくるのかと、一真は目を見開く。
「ラズベルさん、俺やユニについて何か話しました?」
「あのボンクラに聞く耳も話す舌も無いわよ。信書を渡したら、別の信書をもらって、それだけ」
ラズベルは何も話していないという。
すると、突然リュウガが笑いだした。
「かかかかかっ!ランハーンをボンクラ呼ばわりか!意外と肝が座っとるな、ラズベル嬢!」
とまぁそれはさておいてや、とリュウガは笑みを消す。
「これでハッキリしよったわ。コテツの暗殺を企てたんは、ランハーンや」
どうしてハッキリしたのかと一真が問い掛けようとしたところで、リュウガが続ける。
「確かに有事の際には、副支部長がギルドマスターの代理を務めることになっとる。けどもや、『ギルドマスターの権限までは引き継がれへん』のや。当然、ただの副支部長でしかない奴に、何の落ち度もあらへんワシを拘束する権限なぞない。にも関わらずこうして強硬策に出るっちゅぅことは、痺れを切らしたってことや」
「でも、カズく……カズマ・カンダくんのことはどうするんですか?」
ユニは、リュウガが人身御供として一真を差し出すのではないかと危惧しているのだ。
もしも一真を拘束してランハーンに差し出すのであれば、今すぐ一真と一緒に逃げるつもりだ。
だが、それは杞憂であった。
「あぁ、それは心配せんでえぇ。人身御供なんぞさせるかい。カズマの何を狙っとるか知らへんけどな、それこそワシがギルドマスターの権限行使しても防いだるわ」
安心せい、と大きく頷くリュウガに、一真とユニはほっと息をつく。
一安心するまもなく、次にラズベルが懸念を挙げた。
「と言うことは、この要求を受け入れないと言うことですね?いくら権限を持たないと言っても、武力行使で来られたらどうするのですか」
「……そん時はそん時や。東と西の抗争になるやろうな」
リュウガの声のトーンが落ちる。
抗争。
つまり、人と人との命の奪い合いになるのだ。
「それに、結局コテツの行方は分からず終いや。そない簡単に殺される奴やとは思いたかあらへんが……」
「……待ってください」
不意に、一真は挙手した。
「もしかして、どこかに監禁されているって可能性はありませんか?」
一真のその言葉に、リュウガは「どう言うことや」と続きを促す。
「殺すのが難しいって言うなら、罠か何かに嵌めて、閉じ込めるって言う手段もあります」
一真の脳裏には、前世で見ていたアニメや漫画の内容が浮かんでいる。
二つの勢力の抗争ではないものの、巧妙なトリックを見破っては事件の解決に奔走すると言う推理モノだ。
殺害、あるいは重傷を負うと言う可能性が低いとするならば、罠に嵌めるなどすれば少なくとも自由に動けなくすることには成功しているのだ。
そうして身動きが出来ない内に自分が実権を握り、立場を盤石なものにしてしまえば、そのまま秘密裏に殺害することも可能だろう。
嘘を別の本当のことで有耶無耶にしてしまえば、それは自然と嘘ではなくなるのだ。
本当になるかどうかは別として、だが。
「ソンバハル全体のどこかに、人知れず監禁できるような場所ってありますか?」
「一応、違反者を拘束するための留置所はあるが……そうかっ、奴さんの懐は盲点やったわ」
的を得たようにリュウガは膝を叩く。
「ほんなら、ワシがギルドマスターとしての権限で西支部を強制捜査すれば済む話や。もしそこにコテツがおればよし、おらんかったとしても、そこにおらへんと言う確かな情報は入……」
「トウゴウ様ッ!」
ふとまた、天井から声が聞こえてきたと思えば、
スタッ、とスミレがリュウガの前に降り立ちながら跪く。
「おぅどないしたスミレ、ワシは今客人と……」
「火急につきご無礼をお許しください、……西支部より、武装集団がここへ向かってくる模様です!」
「「「「!!」」」」
スミレの報告に、その場の全員に緊張が走る。
抗争の時は、存外早くに訪れてしまった。
と言うわけで、十五章でした。
ラズベル再登場、ランハーン副支部長はどう見ても悪役、ヤ○ザの抗争の始まり、の三本で締めました。





