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【コミカライズ!】気弱な令嬢と追放殿下のイチャイチャ領地経営! ~一途で可愛い婚約者を、わたしが一流の領主にしてみせます!~  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第一部第四章 辺境伯の夫婦

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題6話 決意

 ちょっと前まで学園で、一人ぼっちの生活を送っていたわたしが……ニーノルスクの貴族を相手に、交渉して資金を勝ち取らないといけない。


 もちろん、誰か補佐役をつけることはできると思う。例えば、領地経営を手伝ってくれているバラキレフさんだ。


 それでも、交渉は身分が同じ者同士で行わないといけない。


 アルハンゲリスク辺境伯の代理を務められるのは、その婚約者のわたしだけだ。


「わたしにできるのでしょうか?」


 わたしは、アレク様に短く問いかけた。

 


 わたしは一人では何もできない。ただの気弱な公爵令嬢だ。


 それなのに、わたしが一人でニーノルスクと交渉できるんだろうか?

 わたしはそうアレク様に問いかけた。


 わたしの瞳は、きっと不安に揺れていたと思う。

 けれど、アレク様はためらうことなく、わたしをまっすぐに見つめた。


「アリサにならできるさ。悔しいけれど、今回、俺は何もできない。でも、アリサならきっとできる」


「わ、わたしは……アレク様がいたから、怖いときも勇気を持って行動できました。絶望的な状況でも、希望を持って戦うことができました。でも……アレク様がいなかったら、わたしは誰からも必要とされない、ただの弱い女の子にすぎません」


「それは違うよ」


 アレク様は優しくそう言った。そして、わたしの頭に手を乗せる。

 そして、髪をくしゃくしゃっと撫でた。


 わたしは恥ずかしくなって見上げると、アレク様は青い瞳で愛おしそうにわたしを見つめていた。


「フェリックスも、エレナさんも、アナスタシアも、バレキレフや町長たちも、みんな君のことを信頼している」


「そ、それは……アレク様がいてくれたおかげです」


「それは違うよ。エレナさんは俺がいたから、アリサのことを信頼しているわけじゃない。他のみんなも同じだ。そう思わない?」


 そう……なんだろうか。

 わたしが答えられずにいると、困ったように、アレク様は微笑んだ。


「アリサは俺のことを信頼してくれている?」


「も、もちろんです! この世でアレク様より信頼している方はいません」


「あ、ありがとう」


 アレク様はちょっと顔を赤くした。自分の質問の答に自分で照れてしまったみたいで……わたしも自分の答に恥ずかしくなってくる。


 気を取り直したように、アレク様は咳払いをしたけれど、顔は赤いままだった。


「アリサは俺を信頼してくれている。その俺が、アリサを信じると言った。だから、自分のことを信じてみる気にはならない?」


「で、でも……」


「俺の信じるアリサを、信じてほしいんだ」


 アレク様は、そう言って、わたしをまっすぐに見つめた。

 わたしはアレク様のことを信頼している。そして、そのアレク様がわたしのことを信じてくれている。


 みんなも……フェリックスくんや、エレナたちも、わたしのことを信頼してくれている。


 アレク様や……みんなと一緒にいるためには、領地の借金問題を解決しないといけない。

 そして、その問題を解決できるのは、わたしだけなんだ。


 わたしは、わたしを信じることができない。それでも、わたしはやり遂げないといけない。

 わたしがアレク様のために、みんなのためにできることは一つだけだ。ニーノルスクで、資金獲得の交渉をするしかない。


 アレク様に向かって、わたしはうなずいた。


「……ニーノルスクへ行ってみます」


「ありがとう、アリサ」


「でも……わたしがわたしを信じられるように、おまじないをかけてほしいんです」


「おまじない?」


「ぎゅっと……抱きしめてください」


 わたしはささやいてから、自分の頬が熱くなるのを感じた。

 アレク様はびっくりした表情になり、そして、ますます顔を赤くして、目を伏せた。


 わたしは慌てて言う。


「へ、変なことを言ってしまってごめんなさい」


「いや、へ、変なことはぜんぜんないけど……」


 アレク様はうろたえて、それから覚悟を決めたように、その大きな手をわたしの肩に回した。

 どきっとして見上げるとアレク様の端整な顔がすぐそばにあった。


 そして、ぎゅっとアレク様がわたしの体を抱きしめる。


「こんなことでよければ、俺はいくらでもするよ。こんなことしか、アリサのためにすることができないのが悔しいけれど……」


「アレク様……」


 アレク様の体の温かさが伝わってくる。

 こんなふうにアレク様に抱きしめていただくなんて、学園にいたころは考えもしなかった。

 でも、この温かい感覚が、今のわたしの幸せで……。


 そして、その幸せを守るためにわたしは一人でも戦わないといけない。

 わたしは抱きしめられながら、アレク様にささやく。


「できるかぎり……ううん、必ず交渉を成功させて、わたしたちの領地を守ってみせます」

<あとがき>

いよいよ舞台はニーノルスクヘ……!


以下、お知らせですm(_ _)m


・『追放された万能魔法剣士は、皇女殿下の師匠となる@COMIC』が予約受付中! 書き下ろしもあります。


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― 新着の感想 ―
主人公が自分で「気弱」連呼するのが鼻につく。 いや、貴女、気弱じゃないよね、むしろ時々厚かましいよねと突っ込みたい。 そして仮にも王太子妃の公爵令嬢が「あたし」は無いと思う。平民や男爵令嬢なら兎も角。…
[一言] さあ!出発だ!
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