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イヤーエステのおはなし

作者: 紫藤 楚妖

イヤーエステの店の前

(最近耳がかゆくてしょうがないからこんな店に来ちまったが…

大の男がくるところじゃねぇえな、おとなしく耳鼻科に行くか。)

「あ、いらっしゃいませー!」

「あ、いや、おれは…」

「遠慮しなくても大丈夫ですよー!あ、なるほど、

確かに男性には入りづらいですよねー。安心してください。

当店は全室個室ですからお客様のプライバシーは守られますよ!」

「そ、そうか。な、なら行ってみようかな…」

「はーい!いらっしゃいませー!コースはどれになさいますか?

初めてでしたらこのベーシックコースがおススメですよ」

「そうか、ならそれで頼む」

「はい、かしこまりました。7番のお部屋へどうぞ」


「ふーむ、なかなか広い部屋だな。おまけにでかいテレビまでついてやがる。

こりゃいったいなんに使うんだ?」

「おまたせしましたー。ベーシックコースの○○様でお間違いないですね?」

「ああ、そうだ」

「ではさっそく施術を始めさせていただきます。リラックスしてくださいね」

カチャカチャ

「今お客様の耳の中をこのモニターに出しますよ」

「おお、こ、これがおれの耳の中か…」

「あらー、だいぶ汚れてますねー。大丈夫ですよー。すぐに綺麗になりますよ」

(クソ、客の耳を汚いとかいうんじゃねぇ!)

「まずは耳の入り口の耳毛をバリカンで切ります。」

ヴィ~~ン

「次はあったかーいタオルで耳を温めます。

これをすると耳垢がすごく取れやすくなるんですよー」

(たしかに、耳の周りがほぐれてる感じがするな)

「ではおまちかね!耳掃除に入ります。」

カリカリカリ、コリコリコリ

(おおおー!こいつはいいな!)

「ここからは動かないで下さいよ。鼓膜の近くまで行きます」

(お、おい、大丈夫か鼓膜だぞ)

ゴグボォ、ゴボォ

(うおぉぉ、反響してすごい音が鳴ってやがる!)

ゴグゥオ、ゴボッ!

(うおっ、すげぇ音がしたと思ったら耳の中に一気に空気が入ってきた)

「おっ、大きいのが取れましたよ。耳の中がすっきりしましたか?」

「ああ、一気にさっぱりしたぜ」

「では耳の中の毛も切ります。剃ってもいいんですがかぶれるといけませんので

ハサミで切ります。絶対に頭を動かさないでください」

チョキチョキチョキ、チョキ、

(うーむ、テレビで見ながらしてもらうっていうのも

綺麗になっていくのが分かっていいもんだな)

「次は切った毛やカスをこの掃除機で吸い込んでいきます」

グイーーン

「うおおお!!!!」

「あー、くすぐったいですよねー。これ」

「そんな言葉で済ましてんじゃねー!」

グイイーン、ピタッ

「はい、終わりました」

(はぁ、はぁ、やっと終わった)

「では最後に耳の洗浄をします」

「耳の洗浄?」

「はい、このシャワーで耳の中を洗うんです。まずは右耳から」

シャーー

(お、おお!これはいいな。洗うだけでかなり気持ちいいな)

「左耳も行きますよ」

(おおお!)

「耳の中の余分な水をとって…、はい、終わりました。

お疲れ様でした。」

「おお、気持ちよかったぜ」

「ありがとうございます。お会計はフロントでお願いします」


「お疲れ様です。イヤーエステはいかがでしたか」

「ああ、なかなか良かったぜ。また寄らしてもらうわ」

「ありがとうございます。こちら次回からお使いいただけるチケットです。

またのご来店お待ちしております」

「おう、ありがとよ」

「ふっふっふ、耳もリフレッシュしたし、こりゃ今夜は大勝ちかな」

その夜

「ローン、大三元!」

「俺もロンだぜ」

「おれもだ」

(だ、だめだ、いろんな音が聞こえすぎて集中できねぇ……

まったく上がれない…)







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