表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

哀色

作者: りりっく

いつか誰かが言っていた。「人間はどうしようもなく尊いものなんだよ。」私には何を言ってるのか全く理解が出来なかった。むしろ人間は愚かで、未熟で、未完成で、どうしようもなく醜なものだと思っていた。十二月三十一日、空は綺麗な藍色をしていた。ただ美して尊くてどうしようもなく綺麗な、ただそういう意味の藍色。人間は愚かで醜い。だが学ぶことは出来るはずだ、人間は唯一それを許された生き物なのだから。人間は確かに尊いのかもしれない、今を思えばそう感じる。愚かで醜いからこそ、だからこそ愛くるしくて、どうしようもなく尊いのだろう。今を生きることに一生懸命で、その姿が拙くも綺麗でとても魅力的に映る。時には生きる意味を失って、心を失うこともある。それでも闘かい続けて限界を迎えて。逃げて、逃げて、逃げて、逃げて醜くても生きなくちゃいけないって思って、それが人間。喩えるならば人間は花火である。長くも短く、短くも長い一生の間でどれだけ美しく散れるか、輝く一瞬を、その瞬きを生きる意味と呼ぼう。生きている内に、生きる意味を見つける必要は無い。生きることが、生きている間の意味だから。人間の死に意味なんかは無い。それは今もこれからも痛感することになるだろう。だが散る一瞬、その瞬間が私達にとって1番の心の輝きを放てる時だろう。「散り際には悲愴、散る時は花、散った後には虚無」そんな風に思って私は生きている。どんな一輪を瞬かせることが出来るか、それは自分達で決めることが出来る。だから人間は尊い。


十二月三十一日。

その日散った花は彼岸花なんかではなく、見た目は淡くぼやけていてもはっきりと私の心には写ったのだ。とても綺麗な藍色のデイジーだった。

この小説は決して、故人を冒涜するつもりで書いたわけではありません。不快になられた方は申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ