転生編
さて、私もついに異世界物へ手を出してしまったか、、、。
痛い。何かが折れる音がした。何かが飛び出る音がした。しかし私の脳はそれが何かを理解しようとしない。見てしまった。私の目の前に赤色のトラックがあることを。それが何かは分からない。私は死んだ。
私は起き上がった。ここが何処かは分からない。
目の前に人のようなモノが現れた。
モノは私に問うた。「君は何故、死んでしまったのか」と。
私は言った「893に切り捨てられたのだ」と。
モノは笑った。何が可笑しいのか分からない。
聞くに、モノは長いこと此処にいるようだ。そしてここに来たものを導くのだそうだ。
ならば私は導かれるのだろう。さて、何に導かれるのか。
得体のしれない物に、私は恐怖を感じなかった。
私は光に呑まれた。
私は起き上がった。ここが何処かは分からない。
私が誰かも分からない。
私の周りには木と草。そして天と地。他には何も見えない。
私はこれから何をすべきなのだろう。この孤独に私は恐怖を感じていない。それが不思議でならなかった。
何故、私は生きているのだろう。私は生きるべくして生きているのだ。生きなければならない。私は歩いた。
小一時間程して、私は人型の何かと出会った。この人型の何かは、私に怯えているようだ。
私はその場でしゃがみ込み、目線を合わせた。人型の何かは警戒を解き、私の手を引いた。
私は彼の後を付いてゆく。目的地に着いたようだ。私は目を見開く。そこには彼とそっくりな者たちが大勢いた。
彼らは言葉を使わない。だが、私が歓迎されていないと悟るのは容易だった。
暫くの間、居心地は良くなかった。常に視線を感じるのだ。私を連れてきた彼は、私をもてなそうとしたようだ。彼は仲間に何かを伝えようとしている。私には何を言っているのか分からなかった。私は彼の隣に立った。彼の仲間は私を少し観察した後、やはり私への警戒を解き、私をもてなす準備を始めた。
おっと何か想像と違ったかね。ならば気のせいだ。