表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
振りかざした正義の行方  作者: 真っ赤なゴミ箱
第1章 僕が僕であるために望んだもの
9/72

信頼できる友人、僕が望んだもの

事あるごとに僕の目に飛び込んでくる事件の話題。

実際に聞くまでは、そんな事件すら知らなかった。

でも、ここ最近ときたら、その話題を一日に一回は目にしている気がする。

まるで、知らない誰かに追われているかのような。

得体のしれない気持ち悪さを感じた。


「その事件、、、今はどうなってる、、、」



「ん?これのこと?貴方が新聞の話題に興味持つなんて珍しいわね。どうなってるも何も新聞に書かれている通りよ。犯人はまだ捕まってないみたい。用心しなきゃね。」



母は、僕が溢したものを拭き取ってくれた。

その後は、新品のようだった。



「、、、ありがとう、、」



「どういたしまして。」



「、、、そろそろ行かないと。」



残った朝ご飯を急いで食べきる。

妹は、一足先に食べ終え、既に玄関にいた。

妹が外に出たタイミングで完食。

次いで出る。


**********


大学構内。

上橋大学は、都内の中の大学だと総人数はそこそこといったところで、学力及び偏差値で考えると平均より少し上といった具合だ。地方に溢れているような大学と比べれば、治安は良く、学生が授業を受ける様子もまじめなものである。大学デビューしたような連中は少なくて、どちらかというと、僕みたいな日陰者が目立つ。この点は、僕にとっても都合がいい。

正人は、その中でも僕に話しかけてきてくれた稀有な存在だ。周りの学生たちが着々と交友関係を作っていく中、僕は当然外れていた。その時は、一人でもなんとかなるだろうと思っていた。転機は、テストが差し迫ったある時。僕は、それに向けて準備をしていた。ゲームと同じで、準備は大切。この考えはあった。実際、僕のノートは綺麗な文字で、要点を踏まえて、まとめられていた。そして、それを横から除く影。

彼が、正人だった。第一声は、予想のつくもので、何も驚くことは無かった。



「はー。スゲーな。ノートっていうかもうそれ教科書じゃん。一冊いくらかで売れるよ。間違いない。ほんでさ、話は変わるんだけど、貸してくれない?そのノート。寝てたから、何もまとまってないわ。」



驚きはしなかった。ただ、何だこいつ。初対面の相手に凄いな。僕には無理だ。この思考が脳内を駆け回った。おそらく、僕とは違う人種なんだろうな。世の中、いろんな人間がいるもんだ。ほんと、疲れる。でも。何故か、その笑顔は嫌な感じではなかった。自分の右手はノートを掴み、正人に差し出していた。



「マジ?貸してくれんの。ほんと助かる。ありがとう。君、名前は?まだ聞いてなかったよね?ああ、ちなみに俺は、正人。荒木正人。なんか仰々しい名前だよな。」



「、、、藤林翔、、」



「そうか、よろしく。翔。」



肩を軽く叩かれる。叩くというのにも意味がたくさんある。僕は今まで暴力しか知らなかった。正人の奴は、その意味合いを持っておらず、内から明るくなる感じがした。

その後も正人とは、深い付き合いになっていた。時々、僕なんかで楽しいのか?そう思う時もまだある。でも、正人はいつも笑顔だ。そこに嘘偽りはない。友人は、まだ正人しかいない。そして、正人にはたくさんの友人がいる。気持ちは明らかに変化している。正人の友達とも、仲良くなりたい。正人は、リアルで今のところ、一番信頼できる人物だ。

だから、、

後ろから、足音が近づく。

振り返る。

正人。

彼になら、相談できる。



「あの事件の真相、解明しないか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ