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振りかざした正義の行方  作者: 真っ赤なゴミ箱
第1章 僕が僕であるために望んだもの
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準備は大切、後悔しないために

その衝動に目覚めたのは、いつのことだっただろうか?

記憶はあまり定かではないが、確かにその時は存在していた。

ただ輝きを見たかった。

人間が元来持っている輝き。

生命の輝きを。


体が微かに揺れている。

誰かが僕の体に触れている。

顔を上げる。



「どうしたの?ボケっとして。何か悪い夢でも見てた?」



妹。

僕の体を揺らしていたのは、妹だった。

僕と比べても、身長はあまり変わりなく、顔立ちもそこまで似ていない。

纏っている雰囲気的なものは、同一。

兄妹なのだが、周りの人たちにそう見られたことは無い。

皆そんなわけあるか。

何て言ってくる。



「いや。ちょっと眠たかっただけだよ。最近、買ったゲームがこれまた面白くてさ。こう、何て言うの?新しい戦略型RPG?組み立てれる戦略が独特なんだよ。最初、味方として動いていても、途中で寝返るなんてことも出来るし、敵として戦ってた連中でも仲間にする、なんてことも出来る。どうよ?」



妹は僕を見つめて、深くため息。

顔には、呆れの色が見え、一層険しい顔になった。



「またゲームの話?ほんと、飽きないもんだよね。前にやってたゲームはどうしたの?新作オープンワールドだ!なんて言って、はしゃいでたじゃない。その時も眼にクマが出来るくらいだったよね?」



「ああ、あれか。二日でストーリークリア。四日で、収集要素のコンプリート。五日で、レベルカンスト。そこまでやりこんだ。もう悔いはない。あのゲームも神ゲーだった。」



「、、、まぁ、とにかく時間をよく見て。」



「は。もうこんな時間か。大学行くのだるいな。」



「ほら、早く早く。」



今やってる戦略型RPGにしろ、その前にやっていた新作オープンワールドにしろ。

準備という物は大切だ。

どのくらい重要なのかというと、それが生死を分けることもある。

あと一つポーションがあれば、回復魔法が使えたのに。

あと一つハーブがあれば、回復薬が作れたのに。

そこに残るのは、後悔のみ。

俺はそれを望まない。

どれだけ面倒くさいなんて思っていても。

だから、大学に行く準備はしっかりとしてある。

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