表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
振りかざした正義の行方  作者: 真っ赤なゴミ箱
第1章 僕が僕であるために望んだもの
1/72

プロローグ、始まり

新作です。

よろしくお願いします。

人生という物は、一生に一度きりのもの。

一度無くせば、もう戻ってこない。

それが、不慮の事故だろうと確定した未来だろうと関係ない。

死というのは、避けられないもので、誰にでも等しく訪れる。

違いがあるとするならば、それぞれの死因であったり、それぞれが何故死のうと思ったかの違いだろう。

また、立場という考え方もあるだろう。

死をもらう側。

死を与える側。

これでも、見方が変化してくる。

どちらが善で、どちらが悪なのか。

当人たちにしか分からない。


最後に保存ボタンを押す。

その手は小刻みに震えていて、マウスをつかむ手も覚束ない。

それを追う視線も定まらず、落ち着きがない。

額から汗が滴り、溜まったものが机に落ちる。

パソコン自体をシャットダウンさせて、凝り固まった両手を伸ばして深呼吸。

一回。

二回。

三回。

先ほどよりも幾分か呼吸が落ち着く。

さらに、椅子の上で足を延ばすストレッチ。

足のコリも解け、骨と骨の間で空気が抜け、音が鳴る。

それを聞いて、手で骨を鳴らせる人はたくさんいるけど、足で鳴らせる人は少ないなどという無駄な雑学を思い出した。

全体的に落ち着いたところで、椅子から音もなく立ち上がる。

扉に向かって、足取りを進め、中間くらいで、パソコンの方をもう一度振り返る。

見つめて、再び歩き出す。

しっかりと足を踏みしめていないと、滑ってしまう。

慎重に、慎重に。

扉の前へ。

手をかけ、外に出る。


外は至って、綺麗。

滑ることもない。

なら、話は早い。

一目散に脱衣所に駆け込み、着ていた服を全て脱衣かごに。

頭からシャワーを被り、洗い流す。

どちらかというと、好きな時間。

汚い自分に別れを告げることが出来るから。

十分後、シャワーから出てくる。

真っ白のタオルで全身を拭いて、新品の服に着替える。

脱衣かごの服は、真っ黒の中身が分からないビニール袋に移し替えて、そのまま口を縛る。

他に忘れ物がないか、確認。



「行くか。」



脱衣所で一人呟く。

最低限のものを持って、家を出る。

ちょうどこの袋を捨てるのに、最適な場所を目指して。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ