『…なんだここは。』
処女作ですので生暖かい目で見てください。
誤字を見つけたので直してきました。
(×説明してしろください。
○説明しろください。)
さて…どうしたものか、と頭を抱える男が一人。
実のところこの男、なんとほんの数分前に異世界転生を果たしてしまったのだが…この状況に混乱しているこの男が知るはずもなければ由もない。
さて、読者の皆様にはこの男が転生する少し前からご説明いたしましょう。
…
彼の名は『生嶋 海人』。まあ、強いて言うなればどこにでもいる仕事にやりがいを感じ自らの仕事を誇りに思う(そして婚期に追われた)三十路過ぎの独身サラリーマンでした。
週末だからと浮かれ、同僚と飲みに行った…どこにでもいるリーマンでした。
アパートに帰り、やりがいの影に潜んでいた疲労の蓄積に気づかず、哀れにも過労死してしまった…(さらに言うなればこの彼の死こそが…または、彼の死が広く報道されたことが『やりがい過労死』が世間から問題視されるきっかけとなったのですが…この物語にはもはや関係のないお話です)。
そのまま死亡し…今に至るのですが…語り部はこの辺りでお暇させていただきましょう。
…
起きてまず感じたのは、布団の柔らかさだった。
そのままいつも通り『あともう少し…』と自分に駄々をこねて、今日が土曜日であることに気づく。目を開けても起き上がらなくて良いことを思いだし、ゆっくりと目を開けて二度寝のために閉じかけて…強制的に目が覚めることになった。
「なんだここは。」
朝起きて一番に出た発言がこれである。
なんだ、というよりはどこだ、と言った方が良かったかもしれない。
ともかく、起きて初めて目にした天井は深緑で、見慣れたアパートの白いそれとは別物であるということは明らかだった。
「…なんだ、ここは。」
ここが自分のアパートではないと確信して改めてそう呟く…とはいえ、答えなど返ってくるはずもなく、完全なる自問自答となってしまったが。
『今日はのんびりできるはずなのに…なんて日だ!!(泣)』と、ここまで思って、記憶の食い違いに気づく。
(あれ、今日は久々に散歩をしようって昨日思って……あれ、買い置きしていたゲームをしようって…?)
脳内で思考回路がこんがらがって混乱する。
(この、この記憶はなんだ、
俺のか、俺のなのか…?)
平行した二つの記憶が主な原因だった。
…それによく考えてみれば、飲み会の翌日の朝の頭がこんなすっきりしているなんてあり得ない。
…
つまりこれは…
「…どういうことだ…?」
誰か説明しろください。