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おばあちゃんが作ったダンジョンで泳いでみたら…  作者: まいる
中学生女子、大家さんになって戦士にもなる
7/25

賢い男子、女子中に紛れ込む。

変な秘密の扉があって、しかもスリル好きの友人がいたらー。その友達は必ず物語の主人公を引っ張っていくでしょう、その扉の向こうへ。阿美も当然のように扉の向こうを目指した、キノコといっしょに。でも、「やばいんじゃ」という気持ちもある。

なぜなら。

扉から、あの匂いが漏れてきたから。葉山アパートの地下で嗅いだあの、水と草と、そして何やら生臭い匂い。

「やっぱ、放課後まで待って入ってみようよ」

という優等生には似合わないキノコの言葉を聞いて、

「だよね」

と答えら阿美だったが、かなりの不安がある。そこで一本の電話を掛けた。


やってきたのは、夏服の白いセーラー服の上に校章のついたセーターを着た雄一である。

「やばいよ、おれ、守衛にごきげんよーって言われた」

阿美とキノコが来ているのは冬服。10月という時期は、わりと冬服でも夏服でもOKという学校が多いのだ。

「はじめまして、かわいいですね」

急によそ行きモードでキノコが挨拶する。

「ほめられてますね、ありがとう」

雄一が答えた。

「で、おれはずーっとこのプリーツスカートでいるの?」

「脱いでどーするの、パンツで過ごすの」

ちょっとイライラして阿美は答えた。

雄一のセーラー服姿は、クラスで一番かわいい女子よりかわいい。。許せない。

「放送室のカギ、コピーしたから、放送室で時を待つ」

雄一が来て急にアニメキャラにキャラ変したキノコが言い放った。そういえば、キノコは放送部だった。


そして、3人は完全下校の時間を待つ。

「俺さ、調べたんだよ。江戸城には抜け道が複数あって、有名なのは3か所。一つは新大久保近くの皆中稲荷神社、もう一つは赤坂の山王神社、そして、神楽坂の穴八幡」

ここで雄一は息をつぐ。

「でも、他にも地下道や地下水路の話はいくつもあって、とくに江戸城周辺に多い。しかも、その出口らしいところにはここと同じ100年以上の歴史のある女子高男子校が多いんだ。わかっただろ?」

「ん?」

意味がわからない。

「まぎれて逃げるため?」

キノコ、この話に盛り上がってるようだ。

「都市伝説も好き?」

思わず聞いてしまう阿美。キノコの頬が少しだけ赤く染まる。

「生徒に紛れて外に出る、女子生徒の引率教師を装って外に出る、外に出れないときには学校でかくまってもらう」

「もしかして…」

「そう。江戸城のどこかに繋がってると思うんだ」

「あの部屋が?」

阿美の脳裏には緊張感の欠片もなかった校長の顔と声が浮かぶ。

「ないない」

「いや」

真顔で雄一が言った。

「あるよ」

時計は夕方6時を指している。

「職員会議の時間だ」

キノコがつぶやく。

なぜ知ってるかは聞かないことにしよう。

「いくよ!」

セーラー服姿の雄一が雄たけびを上げた!




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