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おばあちゃんが作ったダンジョンで泳いでみたら…  作者: まいる
魔物退治の王道?ドラゴンを小さくして持ち歩きたい願望をかなえる
16/25

ドラゴンは誰のもの?

やっと続きが…GW中に完結を!

さて、阿美とキノコは、寄り道は校則違反だと嫌がる安孫子ちゃんを無理やり、葉山アパートに連れ込もうとしていた。ところが、

「葉山アパート?」

その名前を阿美が出した途端、安孫子ちゃんの顔が緩む。

「そこうちだ!」

「うち?」

阿美とキノコは同時に叫ぶ。

「202号室の表札に安孫子って書いてない?」

安孫子ちゃんは、うん、うん、とうなづくと、すたすたと歩きだす。

「場所、わかってるから…」

慌てて、阿美とキノコは安孫子ちゃんの後を追いかけた。


道すがら聞いたところによると、安孫子ちゃんの家は神奈川の先のかなりの遠くで、学校まで一時間半以上かかるらしい。そこで安孫子ちゃんのお母さんがタマおばあちゃんに頼んで、帰れない時に使うように部屋を借りたというのだ。

「まだ、一回ぐらいしか泊ってないけど」

掃除は月に1回程度、安孫子ママがしてるから…と、聞いて、たまらずに阿美が安孫子の肩に腕を回した。

「ん?どういうこと?」

「タマさんも卒業生なの。この学校の」

そういえば、安孫子ママも卒業生だった。

「タマさんはね、生物部の初代部長。お母さんの大先輩」

いろいろなことが繋がってくる。


「うちの学校がもともとダンジョンを作ったのかなぁ」

急に頼んだのにも関わらず、この日も塚田さんは人数分の夕食を用意してくれた。今日はカレー、ゆで卵とアスパラがトッピングされている。

安孫子ちゃんはお母さんにメールして、今日はここに泊っていいことになったらしい。家に帰らなければいけないキノコはずっとふくれっ面をしている。

「じゃないみたい。ドラゴンはタマさんが偶然見つけたって」

「そんな偶然って?」

一緒にカレーを食べていた山田と雄一が声をそろえた。

「そんな偶然…あるはずがない!」

安孫子ちゃんはカレーを食べながら、スマホを見ている。

「校長先生からメール。今日会議で、あの地下に繋がる扉、コンクリで固めちゃうんだって。生徒が危ないから」

安孫子ちゃんが、ため息をついた。

「生物部の仕事も終わりみたい。次はプロの人が餌をあげるんだって」

「プロ?」

「そうみたい。どんなプロなんだろ」

なにげなく、安孫子がつぶやいたとき、仕事帰りの玲子が飛び込んできた。

「大変よ…変なメールが…あ、初めまして」

安孫子ちゃんに気が付き挨拶する玲子。

「変なメールってもしかして…」

感のいいキノコが玲子が手にしたスマホをのぞき込む。

「ドラゴンの飼育依頼だったりして」

「…なんでわかった?」

「なんで、玲子さんのメアド、校長先生が知ってるんだ。なんで?」

雄一が阿美とキノコをじっと見る。

慌てて首を振る二人。

テーブルに不思議な空気が流れる。

「そんなに何でもわかっちゃうの?」

キノコが覚えた声でつぶやいたときに、塚田さんがデザートのブドウをもってやってきた。


「あ、私です。夕方、阿美ちゃんの学校から電話が着て。背の高い女性の電話番号が知りたいっていうので…ごめんなさい、学校の先生だから…安心かと思って…」

と塚田さん。

「安心?」

ドラゴンに秘密に餌を上げてるような学校は安心なんだろうか。

阿美の疑問は小さな声となって外に出てたみたい。

「あの地下に他に何がいるのか、みんなわからないみたいで。他の学校の先生たちもはっきりは言わないみたい」

安孫子ちゃんの話だと、皇居近くの男子校の学食がすごい分量の豚肉を購入するので、話題になってるとのこと。

「あれは人間用じゃないな、って」


「やすっ!」

メールを見ていた玲子が声を上げた。

「ドラゴンに餌あげるのって大変でしょ、食べられちゃうんでしょ、にしては、安いよ、見てよ」

そこには、3桁の数字が報酬として記載されていた。

「なぜ、こんなに安いの、なぜ!」

玲子は仁王立ちで叫んでいる。



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