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【side story】バゼラールカの最後

遂に99話目です。

ここまで来て知人に言われました…「評価とか感想って何処に書くん?」思わず膝にきてしまいましたね。

評価や感想等は画面上部、または最新話の下部等にありますので皆さま良かったポチっとお願いします。評価は本当に時間がかかりませんし、感想は一言でも作者は喜び一喜一憂します。レビューまで書いてくれると小躍りして喜ぶので皆さまどうぞ宜しくお願い致します。

バゼラールカ王都の近くの岩山の上でナックルとスレイは飛び降りたマサルを見下ろしていた。


「お…降りていったな…というか落ちていったな…あっ、ぶつかった!………生きているな………。」


「………あれ、本当に人族なんでしょうか?」


「わたしに聞くな…それよりスレイ、少しは落ち着いたようだな。」


「え?………あっ、はい。すいません。」


「よい、国を思っての事だろう?なら胸を張っておれば良い。しかし、あの男は計れんな………車を引くあの速度とスタミナ、この高さから落ちても死なぬ生命力…伊達に使徒と名乗っておるわけではない様だ。」


「先程の話は本当でしょうか?本当に生存者は………。」


「さてな、それも分からん。でもわたし達に出来る事はマサルの言った様にこの目でしかと見る事しか出来んのかも知れんな。スレイよ、車から槍を持ってきておいてくれ。わたしは魔物が逃げた時に合図を出せる様、松明でも作っておるわ。」


2人は急いで準備するが一向に動きがない。


「おかしい…あの速度で走るマサル殿が動くまでここまで時間がかかる訳がないはずなんだが…。」


「もしかして、王都に入ったのを見逃しましたかね?中でもう動いているとか?」


「いや、城下町に入ってすぐの大きな宿屋の屋根にあの魔物がいる。もうマサル殿が動いているにしては………ん?いたぞ!マサルだ。」


指を差す先にはゆっくり歩いて王都へ繋がる街道へと入ろうとしているマサルの姿が見えた。


「…歩いているのはここから落ちた時にでも怪我でもしたんでしょうか?」


「いや、こちらを振り返りもせんのは何事もない証拠だ。何か考えがあるのだろう。まぁ、これなら街に入る迄に見失う事はないだろう。」


「そうですね。しかし見ていろと言われても街の中に入ってしまえば何をしているのか分からないですよね?どうしましょうナックルさん、場所を変えますか?」


「いや、何処に行っても同じじゃろう…ここからで良いだろう。お、マサル殿が門の所についたぞ。」


遠くでマサルが正門の所で足を止めるのが2人にははっきり見える。


「どうするんでしょう?まさか正門から堂々と斬り込む気じゃあ…。」


「それこそまさかじゃ………お?何だ!あれは!?」


マサルの立つ場所から白い帯が空へと伸びていき王都の上から雪が降る様に王都全体を飲み込んでいく。


「…なんなんだ!あれは!?魔…法なのか?」


「雪…なんですかね?まさか、王都全体を凍らせる気なんでしょうかね?」


みるみる間に王都は半球状に覆った白い何かに飲み込まれてしまった。


「あれ、マサルが帰ってきますよ………もう終わっなんでしょうか?」


「いや、そんなはずは…………んっ?振り返っ……っ!」


白い何かが揺らいだと思った次の瞬間。



ボムッッッッ!!



爆発音が低く鳴り響き2人の所まで届く。同時に白い何かが晴れて見えた王都の全てが崩れていく姿が見えた。


「「…………………………。」」


その自分たちの故郷が一瞬で滅びゆく様に2人はただ言葉も出ず立ち尽くすしかないのであった。きっとこれは悪い夢なんだとスレイは繰り返し自分に言い聞かせ続けた。

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