はじめてのたたかい
「さぁ、来いやぁぁぁあぁぁ!」
気合いを入れ自負の出せる最大の声量で吠え!ここで男見せないで何が男だっ!
「うぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉっぉおっ…ぐぽっ…ごほっ!ごほっ!ごほっ!…うぇっ。」
途中でむせたうえに嘔吐きました…。ちょっとタイムです…あ、ホブゴブ君も唖然としてるや。
「あ、ごめんなさい。もう大丈夫、大丈夫だから…って、ちょっ!」
「ぅがぁっ!」
明らかに怒った表情で棍棒を振り回すホブゴブ君。必死に避ける俺。ヤバいってマジで!
「うぇっ!?ひぃっ!ぎゃあ!うひゃっ!」
必死に避け続ける俺に何とか当てようと棍棒をフルスイングし続けるホブゴブ。やはり知性はあっても野生の生き物なのか野球のスイングの様な洗練された感じは全くなくただただ力いっぱい攻撃をしているみたいだ。当たれば死んじゃうからこっちにしてみれば慰めにも何にもならないけど。
「グギャッ!ガッ!ギギッ!」
俺ゴブリン語分からないけど今言ってる事分かる!当たれっ!そりゃ!避けるな!って感じだろ!そんな事を脳内で叫びながら攻撃を避けると。
「ギャフッッ!」
「あ、転んだ…。」
こうしてホブゴブ君は手のひらより少し大きめの石で頭を強打し流血しながら気絶するのであった。
「お…お巡りさん。事故現場の保存要りますか?」
何てボケていると後ろから頭部へと会心の一撃が繰り出される!
スパァーーーーーーーーンッ!
振り返るとそこには駄女神ことビクティニアスがいた。
「あんた何やってんのよ!せっかく好戦的じゃない人間の集落の近くに召喚したのに何でこんな遠くにいるの!人のいる方は反対よ!反対!」
いや、言ってくれんと知らんし。
「あんた地図のスキルあるんでしょ!最初の場所から素直に地図を見てたら映ってたわよ!このお馬鹿!」
「あっ!」
「あっ!じゃないわよ…それに何が事故現場の保存よ!さっさとトドメさしてしまいなさい!ここは地球じゃないの!殺らないと殺られるの!分かった?分かったわね?じゃあ殺りなさい!そこの棍棒拾って!」
殺しの強要する女神様って…ううっ!うりゃっ!
拾い上げた棍棒を振り上げ少しだけ力を入れてホブゴブ君の頭へと振り下ろした。うぅ…変な感触がしたよ。
「良くやったわ。取り敢えずステータス見て見なさい。」
えっ?じゃあ、ステータスっと。
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鳴海 優(20歳)
職業《転移者》
称号《無類の生産好き》《スキル収集家》《賭けの景品》《転移者》
レベル 1→6
生命力 160→175
魔力 223→231
力 112→119
体力 86→90
精神 79→80
素早さ 91→94
運 41→42
スキル《剣術2》《体術2》《治癒魔法1》《鑑定3》《解体2》《採掘3》《伐採1》《農業3》《鍛冶2》《石工4》《木工4》《革細工3》《調合3》《土木2》《建築1》《算術3》《美術3》《歌唱2》《言語翻訳》《収納空間》《地図》
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「おぉ!レベル上がってるし!」
「分かった?あんたが生きる為にも命を奪うのに必要以上に忌避感を持たないの!ここはまさに弱いものは死んで強いものが生きるの!生き残りたいなら自分の心と向き合って折り合いをつけなさい!分かったわね!じゃあ、最初の場所に転移させるわよ?忘れ物ない?じゃあ、いくわよ?」
ん?最初のとこに転移?って!
「ちょっと待った!何で最初のとこにまた転移なんだよ!さっき知り合った子達がいて、その二人を待つ予定なんだが。」
「よくこんな所に人間がいたわね…。」
「あぁ、人間じゃなくてうさ耳っ子だ!えっと兎人族だっけ?」
「そういえばスキルスロット出した時のバニースーツのお話について言う事があったわね。あんた女神に対して調子に乗ってんじゃ…えっ?」
ん?俺の後ろ?あれヘラ様?
「干渉したら駄目って言ってるでしょ!もう少しお仕置きが足らないみたいね?ほら貴方は自由に過ごせば良いのよ?バニーちゃん着せたら写真を貴方のアイテムボックスに送っとくからね。じゃあ、また縁があったら!」
ありがとうございますヘラ様。バニーちゃんビクティニアスの写真待ってます!取り敢えず、二人を待つか…。
戦ってないじゃんとかいうクレームは受け付けておりません。
油断して戦いの最中に倒れたら自己責任なのです。