応相談
「たった2週間街を離れただけで老けた?」
ヴィンターリアに帰ると披露感溢れるミコトの姿があった。
「大人になったと言われる前に老けたはやめて欲しいんだけど…。」
「にしても…酷い顔してるぞ?」
「こんなビックリ人間の中に放り込んでいなくなった人が言う?」
「じゃあ、その辺りも含めて何があったのか聞くよ。」
マサルはこの2週間、ミコトの体験した全ての出来事を聞いて唖然とした。
「よく生きてたな…取り敢えず、治療とマッサージするから今日は休んでくれ。こりゃあ、他の指導者たちには指導方法の指導が必要そうだな、課題が見えたのは良い事だな…まぁ、ミコト君に変な事しようって意思も無いのは分かったし…。」
「えっ?おれが変な事?」
「うん、監視付けてた。」
「どこに!?っていうか、助けてよ監視の人!」
「ごめん、人じゃない。俺とビクティニアスの眷属の天使が隠れて見てたんだ。眷属だけあって、お願いした事に忠実だし、自由な発想で動ける程に成長してないしな…生まれたばかりだし。」
「えっ?子持ちなの!?しかも天使のような子じゃなく、天使が子供!?」
意外と語彙力あるツッコミが返ってきたところで、ミコトとの大切な話を始める。
「ミコトがどんな知識を持っているのかは俺には分からん。だが、地球の知識を使う時は相手と場面、そしてその知識の先に何があるのかをちゃんと考えて欲しい。」
「それって…。」
「戦争なんかに巻き込まれたくないし、起こすのらもっと嫌だろ?火薬とか作るのやめてくれよ? 」
「火薬って…魔法があるのに必要?」
「そんなに魔法は万能じゃないぞ?魔法もそんなに発展してないからな、俺がこの世界に来る前は魔法使えるヤツなんて殆どいなかったし…。」
魔法の実態について詳しく教えてやると、またもや驚きに目を見張る。
「あんたどんだけチートで世界弄ってんだよ。」
「実用には耐えられないレベルの魔法ばかりだよ。メイとかみたいに少しだけ頭おかしい天才肌もいるけど、元々種族的に魔法に向かないからな…最大火力はあまりないしな。それよりは魔物や魔獣の方が脅威度が高いって事だな。」
「じゃあ、みんなの装備が剣とか槍とか弓矢なのは意図的?」
「そうだな…魔物や魔獣と戦うのに他の物が必要になれば誰かが作るんじゃないか?自然に生まれた生き物との生存競争に負けるなら仕方ないだろ?」
人と魔物などを天秤にかけて、生存競争の勝ち負けは拘らないとも取れる物言いがミコトの胸につっかえる。
「ミコトも我慢しろとは言わないが、ちゃんと責任は取れる様にやるようにな。それに、同郷のよしみだ!欲しい物があれば言ってくれ、可能な物なら何とかしてやるよ。」
「ホント!?じゃあさ、おれ日本刀が欲しい!…ってダメですか?」
「日本刀か…別に良いぞ。適当に数本打ってみるから使ってみれば良いさ。」
どうなるのかは分かっているけど、こういうのは使って経験してみないと分からないものだ。何しろ、こういうロマン溢れるアイテムはずっと心に残るのだ。
「あ、一週間くらい待ってね。その間は黒蟻の解体がいっぱいあるから頑張ってくれよな!」
「えっ?またアレですか!!」




