メイとミコト①
ミコト視点です
マサルさんは本気でメイという女の子のところにおれを置いていった………。それで、気まずい空気でも流れたかって?現実はそんな甘いものじゃなかった。
「だから、この船底の角度をもっと工夫して 安定させないと海の波に負けるって言ってんでしょ!」
「誰だよ!こんな所に接ぎ手作ったのは!ここは材料一本物じゃないと耐久値が足りないって言っただろ!」
「こんなにガチガチに作ったら後で修正や修理出来ないって何回言ったら分かるんだよ!船乗りが緊急措置出来ないと意味無いんだよ!」
そう………ここは修羅場ってヤツだ。可愛い顔して「ここで船の開発してるの」なんて言って作業に入るとうちの爺ちゃんみたいな職人の顔になってしまった。
「ヤバい………あの娘年下って言ってたよな?他の子も全員おれより年下………ここどうなってんだよ………。」
日本にいた時の同世代を思い浮かべて自分たちの足りなさ加減にうんざりし、眩暈がする。
「何してるの?分からなかったら聞いて、聞きながらちゃんと見てないと………そうだ!私たちが最初にやった事をやってみて。真っ直ぐ進む船を作るの。動力はこの管で、温泉のお湯の中に入れると決まった方向にお湯が流れるの、その反作用を利用して船が前に進むの。材料はこの部屋の中の何を使っても良いし、何か欲しい物が有れば言って。」
「何で温泉で船?」
「この街の温泉には魔力がたくさん含まれてるの。だから魔導具を中に入れると動くのよ。」
「じゃあ、海で動かそうと思ったらそれ大きくしても動かないんじゃない?」
「動力の魔導具はおにいちゃんがもう作ってるんだって。」
「おにいちゃん?へぇ、兄妹で船作ってるのか。」
「ちがうの!ジータ兄ぃじゃなくて、マサルおにいちゃんなの!」
プルプルしながら何やら狼狽えてるメイが可愛い………と思いつつ最後の質問をする。
「………耳ちょっとだけ触っても良い?」
「………このエッチぃ〜〜っ!!」
バチンっ!!
結局、メイの無意識に放った平手打ちで、口と鼻両方なら血を撒き散らしつつ地面にひれ伏すこととなるのであった。
意外と切り替え早いと思ったら引きずってたメイちゃんでした。




