現実は厳しい
皆さんは生き物の解体や解剖ってした事あるんですかね?
「なぁ、マサルよ………あれ解体中に吐くわ、血に怯えるわで使い物にならんのだが………どこのお坊っちゃんだ?」
神殿で書類仕事をしているマサルの元にザーグが頭を抱えてやってきた。
「終わったのか?」
「一応、全部解体したが何者なんだ?お前と同じ国の生まれだと言ってたが。」
「言っている通りに同郷の子供さ。個人的な繋がりは一切無いがな………一応、向こうでの身元の確認もアテナにして貰っているが問題あったか?」
「問題も何も問題じゃない所を探す方が難しいんだが………。」
「あれでも《体術1》と《木工2》のダブルスキル持ちだぞ?」
「この街じゃあスキル3つが普通だぞ?因みにジータとメイちゃんは4つあるみたいだし」
「そりゃあ比べる所が悪いな。俺のいた世界には魔法もなければ魔物もいない。しかも、国が世界一治安が良くて盗賊もいないし、国の法律で戦争の放棄をしている。つまり戦う必要が無いし、彼の年齢だと勉強をする為に学校にいくのが仕事だ。」
「お前の国………頭おかしいんじゃないか?16歳で戦力ではないし、働く事もないって事か?」
アルステイティアでは基本的に15歳で一人前だ。5〜6歳で家の手伝いは当たり前だし、12〜13歳になれば婚約者がいる者もいる。
15歳にもなれば大小はあれど何かしら集落や街、国に貢献出来る役割が無いといけないのだ。
18歳になると今度は納税が始まる歳であり、騎士などの公的な仕事の募集の最終ラインの年齢に設定されている歳だ。
つまり、18歳で仕事をした事の無い者は貴族、平民関わらずほぼ存在しない。
「国や世界の違いでの常識に文句言っても仕方ないだろ?逆に違い過ぎる環境で育ったなら何かしらの強みがあるハズなんだ。きっとお前やクックより優れたところもあるハズだ。気長に様子を見てやってくれ。」
「………そうだな。お前の同郷だ、なんとでもやっていけるだろうよ。」
「(ごめん、俺と同郷って事で凄くハードル上がってるよ………せめて学校の勉強くらい普通くらいにやっててくれよ………じゃないとマジで詰むかも………。)」
「………まずはちゃんと面接して、色々とフォロー出来るようにしておけよ。彼の事を一番理解出来るのは間違いなくマサル………お前なんだからな。」
「了解。じゃあ、飯食わせて風呂入らせて今日のとこは城の客間にでも泊めてやってくれ。」
異世界の壁はこんなに厚いのかと思い、ミコトの将来を考えるとその日マサルは眠れず朝まで過ごす事になるのだった。
普通の学生の子に生き物の解体作業はマジでキツいと思います。きっとヴィンターリアではその夜はその肉が夕飯で出るのでしょうね………頑張れミコト君!優しい作者は応援してるぞ!




