マサルの神器
「これがマサルの神器か………。」
ゼラフィティスは興味深そうに籠手型レールガンを眺めている。
「いや、それは確かに神器といえば神器だけど違うよ?俺のはこっち。」
マサルがアイテムボックスから抜いたのは刃のついていない節がいくつもある両刃の細剣のような形をした剣?だった。
「また謎の武器を………この剣、刃が付いてないからこれじゃあ切れないんだけど………。」
「それは剣っぽく見えるけど鉄鞭だからな。使い方としては警棒だな。剣に見えるのは格好いいからだし。」
「………ヲイ。殴れる棒………その為にオリハルコン使っただと!?」
呆れた顔をするゼラフィティスに逆に呆れた顔で返事を返すマサル。
「まさか……せっかくのオリハルコンなんだから勿論、便利な特殊能力も付いてるぞ。」
「そうでしょう!そうでしょう!で、どんな能力だ?」
先程とは打って変わって期待に満ちた顔で鉄鞭を覗きこんでいる。
「まず、第1の能力は!これで線を書くと真っ直ぐの線が引けます!」
「ヲイっ!」
ガリガリと鉄鞭で地面に定規でも使ったかの様に真っ直ぐの線を書いていく。
「そして第2に円が綺麗に書けます。」
「…ヲイっ!」
今度もコンパスでも使ったかの様に半径5mの円を地面に書いていく。
「そして第3に線に対して30度45度60度90度の線が引けます!」
「……ヲ〜イ。」
最近に書いた線に線を足していくと2枚の三角定規の形になった。
「で、最後のオマケに俺の生産スキルの燃費、性能の向上って所だな。」
「オマケが1番必要だろ!?」
「この便利な仕様が分からないとはまだまだ分かってねぇなぁ………。」
意外と真っ直ぐの線や円、角度は物作りでひたすらに重要で、0.5度でも狂うと長い距離を取ると誤差はその距離に比例してひたすらに大きくなっていくのだ。
「マサルはレールガンを神器にした方がきっと格好いいとおもうぞ?」
「………一応、俺は製造の神様なんだよ。」
格好良さに拘ってしまうマサルたちを「いつまで経っても男は子供ね」と微笑ましく見守るビクティニアスとヘラだった。
左肩の付け根の背中の辺りの筋肉を痛めていました………全治2週間です。
本読み祭の前に故障で休んでしまうとは本当に不甲斐ないものです………今日は皆様へのご報告を含め頑張って書いて見ましたが痛みが取れるまで更新は無理そうです。ちょっと治癒に日を使わせて頂きます。




