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主神の結婚の儀【後編】

「今度はなんだ!?」


「ちょっとマサルっち、演出過剰だよ!」


ゼラフィティスは素直に驚き、シルファヌスはまた魔導具の演出だと思ったのか抗議の声を上げている。


「えっ?俺は何もしてないぞ!?」


「何で私たち光ってるの!?」


マサルたちも驚きの声を上げた事で更に事態が分からなくなり、人々の中にざわめきの声が広がっていく。


「おっ………光が弱まっていくぞ。」


徐々に失われる光からマサルたちの姿が見え、その先………ヘラと新郎新婦の間に知らない人影が見え、見ていた神たちが一瞬で戦闘態勢へ移る。

本気の神の力が近くで複数発揮され、人々は怯え逃げ出す者や、気を失う者………神たちに追従して戦いに加わろうとする者など大混乱に陥った。


「静まりなさいっ!!」


ヘラの一喝。ただのそれだけで戦闘態勢になっていた神々や混乱に身を投じる人々の動きが止まった。


「何も問題ありません。各々武器を収めなさい。」


ヘラの言葉に自然と皆、武器を下ろしたが、その中でアイラセフィラだけがヘラに食ってかかった。


「何故ですか!その者は突如、神の儀式に現れ、帯剣までしているのですよ!」


突如現れたのは外見は少女とも大人の女性とも言えぬ18歳くらいの女の子で、腰に剣を帯び、背中からは白い翼が生えていた。


「えっ?………翼?」


マサルとビクティニアスはそっと手を伸ばして女の子の翼に触れる。


「温かい………本物だな。」


「お父様お母様くすぐったいですよ………。」


「「「「「「えっ??」」」」」」


恥ずかしそうにクネクネ身体をよじりながらマサルとビクティニアスを見上げている彼女の姿を目に映しながらヘラを除いた全員が情報の処理が出来ず止まってしまう。


「なんだかんだ言って、人前でなかなかやるわね!結婚の儀の最中に子作りだなんて。」


「ふぇ!?子作り!??」


ビクティニアスが全身真っ赤になって狼狽え始める。


「正確に言えば眷属だけどね。にしてもキスしただけで天使が産まれるとか………貴方たちの相性はかなり良いみたいね。これでアルステイティアの神界の人手不足は解決出来ちゃうわね♪」


「そういえば………神様の産まれるシーンってエグい話多かったですよね。もしかして、俺とビクティニアスの子供ってこんな感じで大増量ですか?」


「神の誕生をエグいとか言わないの!人間の子供の産まれ方の方が余程生々しくてエグいわよ。」


「神の誕生秘話はエグいの意味が違うわ!人は産まれる時に親に食われたり殺しあったりせんし………。」


「要らない事知ってんじゃないわよ!ってか、そんな事言うなら色々教えてあげないんだならね!」


ヘラが頬を膨らましプイッと横を向く。マサルとビクティニアスは顔を見合せ苦笑してからヘラへと向き直る。


「ヘラ様、怒らないで下さいませ………私たち動揺してたんです。」


「そうですよ。ヘラ様は笑っている方が素敵ですよ。」


「そ、そう?じゃあ、仕方ないわね。わたくし、ビクティニアスの母親みたいなものですものね。ちゃんと色々教えてあげなくっちゃ!」


「「「「「「(チョロい………。)」」」」」」


この瞬間、アルステイティアと心が一つになった。別に何の意味もないけれど………。


「大丈夫よ、ちゃんと子作りすれば普通に産まれるわよ。その場合はちゃんと神様が産まれるけど、マサルが神界に住む様になってからが良いわね。つまり、後100年後以降かしら………それまでは眷属で我慢してね!」


「ちょっとヘラ様!世界中に放送されてる!」


「「「あっ………。」」」


マサルとビクティニアスとヘラはその日、形式通りに式を終え、2日程神殿に引きこもるのだった。





神様の子作り事情でした。

遂に結婚しちゃいましたね。


眷属の天使については後日に………。

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[気になる点] 「要らない事知ってんじゃないわよ!ってか、そんな事言うなら色々教えてあげないんだならね!」   あげないんだならね! ⇒ あげないんだからね!
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