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捨てるな危険(自重)

何とかアデリナたちへの報告も終え、宴に興じた翌日、ヴィンターリアの神殿には再び神々が勢揃いしていた。因みに、今回はアデリナたち住民は遠慮して貰っている。


「みんなには話しておかないといけない事がある。前のときにマギアルウスというかピンファントとの戦いで力不足を俺は実感した。…そこで、地球の神ヘパイストスに弟子入りして、みんなの武具を作って来たんだ。」


「ほぅ、そこまで言うのなら半端な物を持って来たんじゃないだろうな?」


「要らないんなら別に良いんですよワイシェットブローラム様?」


「い…いや、貰う!貰おう!」


テンプレの会話も済ませて1つずつ武具を祭壇の上に出していく。


「まずは、文句を言いながら1番ワクワクしているワイシェットブローラム様。ハルバードの使い手という事で少し重めの武器を用意させて頂きました。振るえば海さえ切り裂き、投げると9つに別れて相手を貫く槍の神具です。」


「………………銘は?」


「貴方が使い続ける限り貴方だけの一振りになります。ご自身の分身と思い銘を付けてやって下さい。」


尋常ではない力を持つ神具だという事を対峙して感じ取ったワイシェットブローラムは息をのみ、槍を手にする。破格の武具仕上がったのは決してマサルの才能ではない、補助として鎚を振るったヘパイストスが異常過ぎるのだ。


「まさか、ここまでとは………マサルお前………。」


「良いから槍持って下がって下さい。みんなに渡せませんから…次はエントグラン様。双剣の使い手でしたよね、ヘパイストス師匠の力の欠片を少しだけ頂きました。決して消える事のない業火を纏いし双剣です。」


無言で双剣に魅せられ手に取って下がっていくエントグラン様。ちょっと目付きが危ない。


「ボイロトゥス様は弓でしたよね…。」


「おっ、おう!」


「ちょっと弓は専門外で今回はパスで…。」


「まっ、待て!お前はちゃんと弓を作ったりしてただろう!?ほら、あのワームの弦の…。」


あたふたとしながら以前マサルがちゃんと弓を作っていた事を説明しだすボイロトゥス。せっかくのイケメンが残念な事になっている…他の神々は冗談だと分かっていて必死に笑いを堪えているのが分かる。


「………じゃあ、あの時の俺の弓をあげますよ。まったく…。」


「違う!そうじゃなくて…あぁ!もう!…………でも、一応貰うけど………っ!!」


「射ると矢が30にも分裂する神弓です。一応、1本だけ神力を溜めて攻撃力に返還する矢もありますけど、射ったら必死で回収して下さいね。」


「うぉぉおぉぉぉっ!あるじゃないか!何ですぐに出さない!って、ぐえっ!」


コルホントス様に襟首を掴まれ後ろに下がらされるボイロトゥス………手にはちゃんと弓矢が握られていた。


「次はぼくだよね?」


「コルホントス様はレイピアを使ってましたよね?そこで、コルホントス様くらい動けるなら突きに特化したレイピアじゃあ勿体ないと思いまして斬撃も可能な細剣にしてみました。雷を纏い相手の動きを鈍らせつつ、自分は華麗に動き回るというコンセプトです。」


疲れたサラリーマンの様に猫背でやるせない感じがしていたコルホントスは目を輝かせて剣を手にする。


「次は…ゼラフィティス。一応、魔法の神なんだから小細工は一切無し!魔法の増幅の一点に全力を注ぎ込んだ杖ね。普通でごめんね。」


「普通って言うな!」


ちょっと普通なのを気にしているゼラフィティスであった。最近では、とてもヴィンターリアの日常の光景に馴染んでいる。


「では、幼女のシルファヌス様。」


「幼女じゃないもん!この中ではビクティニアスとエントグラン以外のお姉さんなんだもん!」


「じゃあ、お姉さんは我慢するって事で次行きましょうか。」


「お姉さんヤメる!今ヤメた!だから頂戴!!ほらっ、早くぅぅぅぅっ!」


祭壇を回り込みマサルの服の裾を掴んでおねだりするエルフ幼女神シルファヌス。


「仕方ないですね、良い子にするんですよ?」


「は〜〜〜〜い!」


「では、こちらです。これは普段はただの箱何ですけど、開けるとこんな感じのひし形の金属が入っています。これはシルファヌス様とリンクして自動で飛び回り、火力はほどほどですが魔力光線で相手を自動攻撃する優れものです。言わば、ファン○ルですね。」


「おい!ちょっといきなり毛色が変わらなかった!?」


ゼラフィティスが抗議の声を上げるが、そんな事はシルファヌスは知らんぷりで、瞳をキラキラさせて箱の中身を指で突っつき、マサルもしてやったと頬を弛ませていた。


「ねぇ、飛ばないよ?」


「ちょっと設定とかがあるから後で一緒にやりましょうね。」


「ぃやっほぉぉぉぉっい!」


自重を捨てた元日本人を止める術はきっと何処にも存在しないのだろう…。

あとはアイラセフィラとビクティニアスの神具ですね。

以前ちょっと出てきましたが当作品では…。

神器は神の力で祝福された道具で、アデリナなんかみたいな王様の冠とかで人の使うもの。

神具は神の道具で、武具なども含まれるとなっております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 13行目、分かれて。
[一言] 「射ると矢が30にも分裂する神弓です。一応、1本だけ神力を溜めて攻撃力に返還する矢もありますけど、射ったら必死で回収して下さいね。」→攻撃力に変換する
[一言] 破格の武具仕上がったのは決してマサルの才能ではない、→武具に仕上がった
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