表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

192/272

マサルのいないヴィンターリア①

ピンファントと神々とマサルの激しい戦いがあった後、マギアルウス様の死去とマサルの行方不明がゼラフィティス様より知らされた。

ゼラフィティス様たちは何か知っている様だったが神々が伏せている特別な事情に私たちが口を挟む事は出来ない…。

数日してからピンファントがこの地を守る聖獣だと言われたがマサルのいなくなった原因と思われるピンファントに対する風当たりは強い…誰も世話する人がおらずアデリナとザーグが仕方なく世話をしている。…と言っても餌を持っていくだけなのだが。


「もう半年にもなるけど帰ってこないわね…マサルとの婚約希望の話はグレイタスとバゼラールカ両方の貴族から山ほど来てるんだけど…無理よね。」


「そうだな…そもそもどうにかなりそうな相手がいないんだけどな…あんな縁談持ってきたらマサルがどんな顔するか…。」


売れ残りの様な年上か、どうすれば良いか分からない程の幼女の縁談が多く不適格としか言いようがないのである。賢い者はそもそも彼に縁談など出さないのだ。


「何で普通の縁談がないのよ…意外と良い物件よ?」


「そもそもコレは 縁談が本気なのか疑いたくなるな。嫌がらせにしか思えないだろ。」


「当たれば幸運くらいに思ってるんじゃないの?………ビクティニアス様には知られる訳にはいかないわね。焼却しときましょうか。」


「そうだな…縁談なんか来てないって事で良いじゃないか。もう事件と面倒事はお断りだしな。」


違う意味でビクティニアスやアイラセフィラに知られるとヤバい縁談だし、そもそもマサルが神となったのを知っていたら使者の前で破り捨てていられたのにと後に愚痴る事になるのだがまだ先の話である。


「それにしても…子供たちが賢すぎるな…。」


ふと、アデリナとザーグが振り替えると薪木を束ねたり、肥料を畑に運ぶ手伝いをしたりしているのが見える。午前中は今日も勉強をする為に集まり週一度は必ずどの神かが講義に来て下さっていて、それを全員が受講していたハズだ。


「私たちが子供の頃って遊んでいた記憶ばかりな気がするわ…。」


「そうだな、間違いなくあんなに人の役に立つ事はしてなかったな。」


大人も子供たちも協力し合い街を発展させようとするこの姿に、たまに2人はそれを眩しく感じるのだった。


「にしても、マサル早く帰って来ないかなぁ…。」


アデリナがちょっと遠くを見つめ呟くその言葉に胸が疼くザーグ………この男、今になってというか、今更というか、アデリナは本当はマサルが好きだったんじゃないかのかと疑っている。


「なぁ、アデリナ!おっ……おおおお…おれと結婚した事、後悔してないか?」


「何よそれ、馬鹿じゃないの?…わたしが自分で決めた事を後悔する訳ないでしょ!」


「でも………。」


「この話は終わり!何?ザーグは後悔してるの?…


「そんな事ある訳ないじゃないか!君だけを愛してるよ!!」


「ふふふっ、ありがと。……尚更に早くマサルに帰って来て貰って、私たちの新居の計画を立てないとね。」


「あ、お城か…………確か、下手な土台を建てると後で問題になるってやつか?」


「それよ、資材の大きいのはマサルがアイテムボックスで管理してたしね。岩を切り出すだけの人もいないし大変なのよ。」


「マサルがいないと出来ない事が多過ぎるな…いたらいたで面倒事起こすのに、いないとこんなに寂しいとはな。」


アデリナとザーグはしっかりとマサルのいない間のヴィンターリアを守ろうと誓いあい、その夜も熱い夜を過ごすのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ふと、アデリナとザーグが振り替えると薪木を束ねたり、肥料を畑に運ぶ手伝いをしたりしているのが見える。午前中は今日も勉強をする為に集まり週一度は必ずどの神かが講義に来て下さっていて、それ…
[気になる点] 「」が抜けてるところがあり、少し気になりました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ