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苦戦

「っ!マサル!?」


マギアルウスの放った雷の魔法を浴びて煙をあげながらゆっくり倒れるマサルに駆け寄るビクティニアス。


「アイラ、シルファヌス!!手伝って!!マサルの心臓が動いてない!」


「「っ!!」」


戦う力の無い女神たちはマサルを抱え後方へと下がる。代わって男神たちは何やら冷めた目でマギアルウスを睨み付け、各々の武器を構えマギアルウスへと対峙する。


「てめぇ!何やってるのか分かってるんだろうな?」


ワイシェットブローラムが青く鈍い色に光を反射するハルバードを担ぎ凄む。


「ここまでくると元神とはいえ見苦しいにも程がありますね。」


金と銀の双剣を手に歩いてマギアルウスの側面にゆっくり回り込むエントグラン。竜人(ドラゴニュート)である彼の尻尾が地面を時々激しく打ち据えていて怒りが見てとれる。


「我も少し頭に来ておる。先のヴィンターリアを見れば彼がどれ程にこの世界を愛しているか分かろうに…。」


ボイロトゥスも弓矢を構えながらエントグランとは反対側へと回り込む。


「自分のやった事は自分で責任を取って貰いますよ?」


ゆらりとマギアルウスの後ろに現れたコルホントスは流石、チーターの獣人の姿をしているだけあって無音で高速で背後を取ったのだった。手には血のように紅いレイピアを携え姿勢を低くしていつでも飛び掛かれる様に急所を狙っている。


「…………………………………。」


男神の中で一番怒っているのはやはりゼラフィティスだ。無言で何やら魔法を構築している。腕の中でユラユラと揺れる杖からは魔力が溢れ紫色の不思議な光が意思を持っているかの様に点滅している。


「ふんっ!!」


無言で放たれるマサルの十八番『大気操作(エアコントロール)』による酸素爆発!


「ちょっ!ゼラフィティス!俺たちも巻き込む気か!」


と言いつつ爆発して砂煙の上がる中へとハルバードを振り下ろしながら飛び込むワイシェットブローラム!


「甘いわぁぁぁぁっ!!」


空気弾(エアバレット)の魔法で迎撃されるワイシェットブローラムを囮にボイロトゥスの矢が尻に突き刺さり、それに気を取られて振り返ったところを今度はコルホントスが矢の刺さった尻にレイピアを突き刺す。


「っ!ケツはやめろぉぉおぉぉっ!」


辺り一帯にランダムに雷を落として牽制する中、雷をものともせず走り抜ける1つの影が!


「ケツは嫌か?」


エントグランは双剣を何度も閃かせ尻に斬撃を何度も叩き込んでから、もう一度距離を取る。


「ふんっ、ピリピリするな…。」


エントグランの鱗は高い魔法体制を携えていて少々の魔法なら致命的にならない。


「お前ら、何でケツばっかり………。」


明らかにテンションの下がったマギアルウスだが、実のところ冷や汗をかいているのはマギアルウスではなかった。神と魔の戦いや巨人族との戦争などの戦いの経験が無いアルステイティアの神々は邪神の力と魔獣の力を得て暴走しているマギアルウスに切り札となる手がないのだった。


「くそっ、変態の癖にタフだな…。」


皮肉を良いながらワイシェットブローラムのチラリと見る先には懸命に心臓マッサージと人工呼吸が繰り返されるマサルの姿が映る。

アルステイティアの神々は地球の神様みたいに超絶バトルの経験がないのです。ヘラ様とかがやってきたら一瞬で解決しそうですが、地球の国家でいう内政干渉は色々と問題も多いようで…。

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[一言] エントグランの鱗は高い魔法体制を携えていて少々の魔法なら致命的にならない。→魔法耐性
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