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トラブルは時を選ばない・前編

「ちょっと!マサル大変よ!」


音をたてて寝室に押し入るアデリナ………そこにはパンツ一枚で着替えの最中のマサルの姿があった。因みにマサルはニットトランクス派だが、再現出来ていないので普通のトランクスを使用している。


「アデリナよ、ノックは淑女の嗜みだぞ?」


「きゃあ!何で脱いでるのよ!!」


「良いから出ていけ痴女め…いつまでいる気だ?」


「ち…痴女って言うなぁ!違うもん!違うんだからね!」


顔を真っ赤にして部屋を出ていくアデリナを放っておいて、着替えを終え窓から出ていく。


「さて、大変らしいから面倒事に巻き込まれる前に逃げるか………あ、ザーグおはよう。」


「おはよう、アデリナ見なかったか?」


「俺の寝室の前の辺りで何かしてるぞ?」


「分かった、じゃあ行ってみるよ…………ん?寝室?ちょっとマサル!?」


振り返っても既にマサルの姿は無かった。


「ちっ、今日は朝から何なんだよ…儀式に宴の調理に会場の準備にと忙しい日なのに…。まずは工房行ってから…。」


「ちょっと!待ちなさいマサル!」


「げっ、もう追い付いて来た…。俺は今日は忙しいんだけど。」


息を切らしたアデリナとザーグはすぐさまマサルの両腕を確保し、連行に移る。


「私たちだって忙しいのに余計な手間かけんな!」


「用があるから迎えに来てる人間からわざわざ逃げるな!」


既に息のあった夫婦っぷりである…。


「で、何が起きている?」


「魔獣よ、朝になってみれば何処から来たのか大型の魔獣が街の外にいたのよ。」


「大型の魔獣?外のどの辺りに?」


「石の牢屋の所よ………例の自称国家の一行とお馬鹿貴族の一行がいる場所よ。」


「めっちゃ入り口の側じゃんか…見張り何してたんだよ。」


「ちゃんと立って見てたみたいよ?魔獣の発見が出来て無いだけで………。」


「「何の為の見張りだよ!?」」


マサルだけではなく、軍に関わっていたザーグも思わずツッコミを入れてしまった。立っているだけならカカシで良いのだ。


「マサルっ!!ほら、行くぞ!!魔獣退治とは腕がなるではないか!」


「お〜い、アデリナ………そこの興奮してるオッサンをどうにかしろ。」


「無理よ、マサルが来るまでは魔獣との戦闘は待ってと言って我慢してたんだから。」


ランスロットは魔獣発見の報があってから直ぐに武器を持って飛び出そうとしていた所で、何とか門番と駆け付けていた見張りが総出で押さえつけて止めていたらしいのだ。


「よし、ランス!オレも行こう!久しぶりの共闘だな、新兵の時以来か?」


「おっ?ヤザか?将軍閣下か、偉くなったな。」


グレイタス王国の将軍ヤザもやる気満々のようで、巨大な突撃槍(ランス)を担いでいる。


「お前ら、自分の立場分かってんのか?最前線に立てる立場じゃねぇだろ?」


「「ここには重要な警護対象がたくさんいるからな!」」


息のあったオッサン二人組の言葉にアデリナもザーグも頭痛がしているようだ。


「仕方ない…さっさと片付けよう。」


「マサルの実戦は初めて見るな、楽しみだ!」


「はいはい、ヤザ馬鹿な事言ってないで気をぬくなよ。じゃあ、俺とランスロット、ヤザの3人で行く。2人は俺の部下として扱う、邪魔したり命令が聞けないなら戦闘に参加させない…お留守番だ。いいな?」


「「了解っ!!」」


颯爽と門を出て魔獣のいるという石牢の方へと向かうと………。


「亀?………噛み付き亀の魔獣か?ますます見張りの有能さに溜め息が出るな。」


体長5mサイズの巨大な陸亀の姿にマサルが天を仰いでいると、


「よし、まずは手始めに小突いてみるか!」


「そうだな、頭の届く所に行くなよ!」


ランスロットは大剣、ヤザは突撃槍(ランス)を持って突撃していく。


「この馬鹿っ!いきなり突っ込むんじゃねぇ!」



今日もサービスカットはマサルで!

そして、ガチムキ脳筋が2人タッグを組みました…どう決着つけてやろう?

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