【side story】クック奮闘記
「カブトムシってコレか?糞とゴミに葉っぱの山の中から這い出て来ているじゃないか…。」
夕食の時に告知し、子供たちを朝から集めて虫の採集を始めたのだがボードレースの準備の続きをしたい子供たちからは寂しげだったり、悲しげな瞳で見られてしまった。
しかも、いくら説明しても渋々といった感じで作業していたのにマサルが来て説明をすると…。
「今日の成果次第で君たちのボードが余分に何個作れるかが決まる!楽しんで頑張ってくれたまえ!」
と、一言でまとめてしまったのである。
巨大な建物の中に積まれた土の中で孵った無数のカブトムシと呼ばれる虫を子供たちは楽しそうに集めている…はっきり言うと大量に集まる虫がこんなに気持ち悪いとは…夢に見そうである。
「………気持ち悪くて仕方ないけどお仕事だよな………。」
そう溢したクックの後方で同様に虫集めをする大人の影が…。
「そうですよ…お仕事して下さいッス…。」
「騎士になってまで虫集めをする事になるとは…でも隊長は財政担当なんでしたっけ?昇進おめでとうございます。」
「いやいや、オレはグレイタス王国の騎士だからな…。ランスロット司令は財政担当を否定してくれなかったけどな…。」
「それって移籍が確定してるんじゃ…。」
「言うな…オレの移籍が決まったらならお前らもヴィンターリア所属になるんだぞ。」
「「「「「………………。」」」」」
その可能性は考えて無かったのか小隊メンバーは沈黙する。
「静かに虫集めよっか………。」
子供たちがワイワイ楽しむ中、監督の大人たちはとても悲しい表情でお勤めをこなしていくのだった。
………………………………そして夕刻。
「1日かけて3万匹の虫…角があるのがオスで無いのがメスか。」
木箱に詰まった虫の亡骸を若干餌付きながら覗き込む。脚、脚、脚、脚、胴、頭、脚、脚、胴、頭、頭、脚、脚………普通に発狂したくなる様な光景である。
「あれ?重くて動かない…虫もこんだけ集まればこんなに重いのか…。」
実のところ…この虫からアダマンタイトやミスリルが採れるという事はちゃんと知らされていない。目の前でそれらしき話をされていたのにクックはこの虫から高価な武器が出来るとは想像すらしていないのだ。知っていればそれなりにやる気も出ただろうが、そこはマサルの行動に振り回されるのに慣れすぎた弊害と言えよう。
「ちょっとガイ…マサルに虫の回収を頼んで、残りは片付けにしよう。糞と土まみれじゃないか…。」
「なんか、おじいちゃんたちも大変なんだね…。」
1日一緒に過ごしただけで可哀想な大人代表の様に子供に慰められ本気でクックたちは凹んだのだった。
昨日は映画観て来ましたよ♪
あのドクターが魔法使いな洋画です。
ちょっと私にはハマらなかったですね(*´・ω・`)
映像技術重視の監督さんだったのでしょうか。




