馬車と馬具
「久々に工作するか!」
グレイタス王国の出国を明日に控え、城の中庭の一画でマサルはアクシオンたちがヴィンターリアの建国祭に行く為の馬車作りを開始しようとしていた。因みにアデリナと一緒に乗ってきた車はリアのトランク部分に1人乗せれるようにして3人用に改造済である。
きっと日本人が乗れと言われたらそこに乗せるのかと酷い扱いに抗議するであろう。
「車軸とフレームの間にリーフスプリングとコイルスプリング式のダンパーをかまして揺れ何かを吸収っと………一気に近代工業になった気がするけどここまで来たら気にしたら負けだな。」
異なる特徴のスプリングを使って衝撃や揺れの吸収をする事で、傾斜の傾きに段差など様々な利点が出てくる。故障しにくく、居住性も高い馬車となるのだ。
「ボディは重量的に木製が良いけどステンレスの補強材でもいれとくか…あと車軸にはベアリングが要るな…。そういえば車輪って明らかに弱点なのに何でカバーないんだろ?まぁ、良いや付けちゃえ!」
補強材によって重くなった重量の代わりにベアリングで負担を軽減、車のホイールカバーをイメージして軽量化とデザインの為に槍や剣、矢などが車輪に届かない程度に肉抜きされたガードが車輪に付けられる。
「このままだとベアリングで軽すぎて止まらないか…下り坂の事も考えて御者台の所にフットペダルで止まるブレーキが要るな………ついでだパーキングブレーキも付けてやれ。」
マサルにしては意外と無難なチョイスで作られていく馬車。
「じゃあ、これをフリードにでも使い方を教えて渡しとけば良いかな…あとは勝手にコレを参考に試行錯誤したり形だけでもパクったりしてくれたりしたら良いんじゃないかな。」
マサルは技術を伝える気はあるが、教える気はない。自分たちで考えて色々してうちに脱線したりするのが発明の醍醐味であり、技術の発展へと繋がると聞いた事があるからだ…どうせなら地球に無かった物を作り出して欲しいものである。
「ついでに鐙のついた馬具も渡しとくかな…。」
今日は久しぶりに読書の海に沈んでいました。
なかなか1日読書が出来る日がここ数ヶ月無かったので良い1日になりましたね。朝の4時から読み始めて気がつけば夜の19時…慌てて更新の準備をしました。
う〜ん…たまには時間をおいてじっくり考える時間も必要なのでしょうかね。