神々的事務作業
「じゃあ、始めるわよ?アイラ、ゼラフィティス、気合い入れて頑張りなさい!」
ビクティニアスの足下が光り、その光は魔法陣へと変わっていく。
「皆様、初めましてビクティニアスと申します。この度、この土地はヴィンターリアという国として認められ国家となりました。皆様にとっては急なお話かも知れませんが新たなる国と女王に力をお貸し下さい。」
そうこれは、ヴィンターリアとなる土地の全ての集落上空へと映像を投影し、声を届ける術式なのだ。これまでのアルステイティアの全ての建国の際にはこうして神々がその土地の民へと伝えていたのだ。逆に言えば建国の際にその土地に暮らしていなければ一般の人は神の姿を見る事は叶わないのだ。
「本日より60の夜が明けたその日、ヴィンターリアにて建国の儀を執り行います。つきましては、各集落の代表の方と次代を担う世代の方たちにヴィンターリア建国の儀への招待させて頂きますので可能ならお越し下さいませ。尚、皆様の集落からヴィンターリアへの道のりはわたくしの挨拶の後、同じ場所へ映りますので見逃さない様にお願い致しますね。では、ヴィンターリアでお待ちしております。」
「………はい、お疲れ様です姉様。無事終わりましたわ。」
「現在、予め用意しといた案内が全ての集落の上空に2度繰り返し映ってるよ。」
「何で2度なの?」
「マサルが案内は見逃したり、確認が出来るように2度やっとけば間違いないって言ってましたわ。」
日本クオリティである。
「にしても、全ての集落からヴィンターリアへの道のりを丁寧に別々に作らないといけないとは…準備にかなり堪えたよ。」
「そうね、昔の建国の時には招待しても場所の記載とか無かったし迷子で来れない子たちもいたものね。」
「………苦労したかいは有りそうだね。」
すいません、今日は本気で何も思い付かなかったので苦肉の策です。
こういう日は何ヵ月もやっていると何度かあったのですが、今回はどうにも降りてきませんでした。
たまに冬眠したくなりますよね。