第二十一話 再開
「はあ~、疲れたな、って準備早いな!?」
俺は部屋に戻ると、リアンはすでに自分のベッドに入っていた。
何て言うか、ここまで執着しているとはな。
俺は心の中でどこか呆れていた。
だがそれを表情には出さなかった。
何故なら、今まで探していていた人にようやく会えるなら、やはりここまでするのだろうなって思ったからだ。
俺は時計を見ると針はもう二十二時になろうとしていた。
やば、自分で決めたことなのにこのままでは間に合わないな。
俺は急いで寝る用意を済ませて、部屋の電気を消してベットに入った。
「ねぇ、本当にこれで会えるの?」
リアンは不安げに聞いてきた。
まあ、誰だって会いたい人に夢で会えて、しかも好きに話せたり色々できると言われても大体こういう反応だろう。
俺はリアンの言葉に対してただ、会えるよっとしか言えなかった。
とにかく今は寝ることだけを考えるか。
後はユーリに任せるとしよう。
俺達はすぐに眠りについた。
「う~ん......あれ、ここは?」
俺は気が付くと、草原の中にいた。
確かここは、こっちの世界に来る時に初めて来た場所だ。
ということは、近くにユーリの家があるはずだ。
ってそうえばリアンは?
俺は、辺りを見渡した。
すると、俺のいるところから少し離れた場所で倒れていた。
「おい、リアン! 大丈夫か!?」
俺は、急いでリアンのもとに駆け寄った。
すると、リアンはゆっくりと目を覚ました。
「あれ? シン、ここはどこ?」
「ここは夢の中だよ、そしてようこそ僕の世界へ」
リアンの問いかけにユーリがどこからか現れてそう答えた。
「あれ、あなたは......もしかしてあの時の!?」
「おや? 僕の顔も覚えていてくれたのかい?」
ユーリがそう聞くと、リアンはユーリに泣きながら抱き着いた。
俺はただ、黙って見ていることしかできなかった。
それから二分くらいしてリアンが泣きやんで、ユーリが口を開いた。
「さて、じゃあそろそろ僕の家に行こうか、とっておきの茶葉を用意したよ」
俺達はユーリに連れられて、ユーリの家に案内された。
にしても何だか久しぶりな気がするな。
レイズニアやトラリィア、そしてまだ来たばっかだけどテイロニア。
もうこっちに来てかれこれ一か月近くが立っていた。
なんかもう少しゆっくりでもよかったような気がするな......
俺はそう思いながら、ユーリに出された紅茶を一口飲んだ。
うん、本当にうまいなこの紅茶は......
するとユーリが微笑みながら話した。
「それはそうだよ、君の居た世界の茶葉の中でもかなりいい茶葉を使ったんだから」
俺が思うと、ユーリはそう答えた。
何て言うか、本当にユーリとはほとんど口で話さなくても会話が成立するんだよな。
そうえばリアンは落ち着いたのだろうか?
俺はふと、リアンに目を向けると紅茶を飲んで一息ついていた。
どうやらもう大丈夫そうだな。
俺は安心してまた一口紅茶を飲み、持ってきたクッキーに手をつけた。
「さて、久しぶりに色々話したいところだがまず先に別の話がある」
「もしかして、この前のアイツの事か?」
そう聞くと、ユーリが頷いた。
「そうだよ、あいつはとにかくこのまま野放しにはしては置けないからね」
まあ、一応ユーリはこの世界の大半を管理する奴だ。
立場上、あんな危険性の高い奴を野放しにはしないだろう。
「その通り、あれを放っておくとまた被害が出そうだからね」
「ねぇ、さっきから言っているアイツって誰? もしかしてこの前トラリィアで会った化け物のこと?」
リアンがそう聞くと、ユーリが頷いた。
「でもあの時、確かに倒したはずでしょ?」
「ああ、リアンの言う通り確かにあの時俺は奴を葬り去ったはずなんだ、だけど今日市場で俺は奴に会った、しかも元の人間の状態で」
そう答えると、リアンは呆気に取られていた。
「まぁ、シンが言った通り奴は今も君達をどこかで狙っているという事だ、計画を邪魔されたことに対する仕返しをするためにね」
まあ、そうなるだろうな。
しかし、問題は奴が今俺達と同じ町にいる事は間違いない。
だが奴は今、町の何処に潜んでるかだ。
下手に動くと危ないだろうしな、かといって動かないと前には進めない。
まあ、いずれ決着は付けなければな。
「そうだね、今後の君たちには期待してるよ、できる限りサポートはするよ」
ユーリはそう答えると、紅茶を飲んだ。
「さて、めんどくさい話は取りあえずこれで終わりだ、せっかくの紅茶が楽しめなくなるからね、リアンもここまで積もる話がいっぱいあるようだし、そっちを僕は聞きたいな」
その後は、リアンの話やユーリの話を聞きながら、俺は紅茶の味を楽しんだ。
次回「 迷い 」
どうも、黒密Ξです。
学校が始まって少し投稿が遅れるかも知れませんがなるべく早く投稿しますのでご了承ください。
まだまだ初心者ですが宜しくお願いします。




