第五話 歌の上手なお嬢さん
久しぶりに投稿します!
ヴィース!いっきまーす!!ww
「ヴィース。一緒にカラオケ行こう」
フェルムセーテの言葉に、俺は嬉しくなる。
軽く有頂天気味だ。
俺とフェルムセーテは、時が流れるにつれてほぼ毎日一緒にカラオケへ行く仲になった。
勿論こんなの傍から見ればただの友達同士なのかもしれない。
それでも俺は、とても嬉しかったのだ。
一緒に行動することや、毎日顔をあわせることなどが。
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そんな俺たちのカラオケでの一部始終を紹介しよう!
最初に言っておくが、これは決してのろけではありません。
ただの自慢話です。
俺たちはカラオケの一室に入ると、デンモクで曲を入れる。
この時曲を入れる順番は、既に決めてある。
俺だ。
どうやらフェルムセーテは最後に歌うのが好きらしく、一番最初は必ず俺になるのだ。
正直俺はどちらでも良いので、一番最初に歌わせてもらう。
こうしてカラオケで俺たちは歌い始めるのだが、途中で一つ問題が発生する。
「ヴィース」
「ん?」
「次は何歌えばいい?」
フェルムセーテが曲を決めれなくなるのだ。
勿論その場合は俺だって色んな案を出す。
しかし……
「〇〇は?」
「それ喉が痛いから歌えない」
「△△は?」
「それさっき歌った」
「◇◇は?」
「それもう飽きた」
我が儘のオンパレードになるのだ。
少し選ぶ気も無くす。
そして結果……
「あ、ヴィースが歌ってたコレにしよ」
自己解決で落ち着くのだ。
選ぶ意味あったのかな、コレ……。
そして無性に悲しくなる時もあるのだ。
まぁしかし、彼女とのこういうプライベートはかなり楽しい。
時間があればカラオケの後は近場のお店に寄ったりもできるのだ。
それに彼女…………かなり歌が上手い。
なんたって最高点数が九十八点なのだ。
俺も一応九十七点まで出したことはあるのだが、それは稀でほとんどは九十点前後。
彼女の足元にも及ばない。
羨ましい限りだ。
しかし、一つ言っておこう。
俺はこの九十八点という点数を超える人を知っているのだ。
というか天才なのか、ほとんど百点しか出さない人を知っている。
だ~れでしょう?
答えは……
…………今回の話は俺とヴィースのプライベートのお話なので、
また次回お話しまーす!
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カラオケ終了。
「ねぇ、次はいつ行ける?」
俺はフェルムセーテにすぐさまそう聞いた。
「ん?明日もたぶん行けるよ」
そう言われ、俺は少し不安になる。
彼女の言葉にたぶん等の曖昧な言葉が入っているときは、いけない可能性もあるということだから。
俺は俺でかなり女々しい。
だって一日でも会えなかったら泣きそうになるし、一日でも声が聴けなかったらイライラして家族に八つ当たりしてしまうのだ。
何故かは勿論分かっているつもりだ。
しかし俺のこれは、確実に『愛情』というよりも『依存』という言葉が合うような気がする。
なんだかとても、ドロドロしているように思えるのだ。
「ヴィース」
「…………何?」
「今拗ねてるでしょ」
「はぁ?!」
意味が分からず俺は顔を顰める。
するとフェルムセーテはクスッと笑った。
「何でそう思うんだよ」
「『何?』っていう言い方がいつもと違うから。無意識かもしれないけど」
そう言われ、思い出しているが全然わからない。
「ヴィースは分かり易いね」
「そうかぁ?」
「うん。分かり易い。すごく」
そう言われ、俺はまた少し不安になる。
この気持ちがバレているんじゃないかという恐怖で。
しかしそれは無い、と思い直した。
だってもしこの気持ちがバレているなら、きっと気持ち悪いと思われ、離れられているだろうから。
だからまだ大丈夫。そう、まだ大丈夫。
「フェルムセーテちゃんにも、俺が何考えてるか細かくは分からないでしょ?」
「まぁ、細かくは分からないかな」
その言葉に、俺は内心安堵した。
たぶん、俺はまだこの温い関係に浸っていたかったのだろう。
好きなが隣にいて、話に打ち解けて、笑いあうこの関係が。
今でこそ告白したところでこういう関係には大差ないと思えるが、当時の俺の臆病な心には、未知の世界に見えたのだろう。
だから怖いと思えたんだ。
好きだと伝えた先の未来が。
何だか最後ら辺が暗い……
つ、次は明るく書けるかな……?
次回は来週辺りに投稿しまーす。