第二話 プリクラ取るには訳がある
どーもー!
三度目の登場ヴィースです!!
ふと思ったんだけど皆プリクラって好き?
俺は嫌い!どうでもいいかもしれないけど、写真も嫌い。
だけど撮る。
え、矛盾してるって?
それ俺も思った。
でも一応わけがあるんだよね〜。
まずはユーの一言で始まったんだよねぇ。
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「死神ちゃん、俺と一緒にプリクラ撮ろうよ!」
上機嫌なユー。
そんなユーに、俺は一言。
「い・や・だ」
「ひどーい」
そんなユーを無視して、俺はプイッとそっぽむく。
「じゃあ私と撮ろうよ」
するとベーロまでそんなことを言う始末に。
「やだよ。俺写真撮るの苦手だし。大体なんでプリクラなんて撮らなきゃなんねぇんだよ。意味わかんねぇ……」
「思いで作りだよ。それに可愛く撮れるし」
真顔で言うベーロ。
ニコニコしながらユーもこう言う。
「ラブラブ感も演出できるし」
「ベーロはともかく、お前とラブラブ感なんて演出したくねぇよ……」
顔をしかめて言うと、ユーはいじけてベッドに寝転ぶ。
「じゃあ、あの女とは撮らないの?」
「あの女……?」
「しーちゃんの好きな人」
その瞬間、俺の顔は赤くなる。
「それは……」
「あーもう……そんなの撮らなくて良いよ。撮ったところでムダムダ」
「うっせー、クソが」
「何か言ったぁ!!?」
吐き捨てるように言う俺に泣きつくユー。
鬱陶しいしウザい。
「てか……俺と一緒には絶対撮ってくれねぇよ……」
「そうとは限らない。もしかしたら、撮ってくれるかも」
「でも……」
「一緒に撮らないってあの女が言ったら、私がしばきまわすから」
「いや、それはダメだろ」
とんでもないことを言うベーロに俺は苦笑いする。
「とにかく…………一応言ってみるよ……」
「んっ、それでよし。あと私とも撮ってね」
「お前それが目的だろ」
「ズルい、俺も~!!!」
「…………はいはい……」
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そんなこんなでフェルムセーテとプリクラを撮ろうと思った俺。
だけどいざとなったらかなり緊張。
言えるか心配。だったのだが…………
あっさり言えました…………。
………………テヘッ!
「テヘッ!って何!!?」
「うっせーな、野糞。黙れ。そして人の心を読むな」
「今回はマジで酷い!!そして声出てたから!!!」
今俺たちはユーたちの家の近くにあるゲーセンにいる。
約束していたプリクラを撮るため。
「てかまた今度じゃダメ?」
「そう言って逃げる気?」
「そ、そうじゃねぇよ……」
ベーロの的確な問いに俺は目をそらす。
危うくバレるところだった。
「どれで撮る?結構色々あるけど」
「何でお前ワクワクしてんの?乙女かよ」
「そういう死神ちゃんは男みたい。まぁ心は男なんだろうけどね」
「どーでもいいけど、しーちゃん時間あいてるなら後で二人でカラオケ行こう」
「いいな、ソレ」
「ちょっと待って!俺も連れてってよ!!」
そんな会話をしながら一つのプリクラ機に三人で入る。
中は思ったよりも広かった。
「どうする?」
「どうするって、お前ら二人で決めろよ」
「じゃー私としーちゃんのラブラブな……」
「ちょっと待てーい!!ならば俺と死神ちゃんのラブラブ……」
「帰っていい?」
半ギレ状態の俺を無視してしばらく二人は口論を始める。
そんな二人を置いて帰ろうとすれば息ピッタリな二人に止められ、ようやくプリクラを撮り始めた。
何もしない俺とは打って変わって、二人は背景やら落書きやらを楽しそうにし始める。
俺の母もこういう類が好きで、よく一緒に撮っていたのだが、正直何がいいのかサッパリだ。
「しーちゃん楽しかった?」
「全然」
「えー、少しは楽しもうよ」
「お前は楽しみすぎていてキモイ。てか、そろそろカラオケ行こうぜ」
「うん…………そうだね……」
するとジッとこちらを見るベーロに、俺は首を傾げた。
「何。俺の顔に何かついてる?」
「違う。ただ……きっとしーちゃんも楽しめる日が来ると思うよ」
意味深なことを言うベーロに、俺は首を傾げながらも、さして気にも留めなかった。
そんな感じで、俺たちはこの後カラオケに行ったのだった。
三話に続く。