第一話 初恋相手は美少女さん?!
じゃあまず、俺とフェルムセーテの出会いの話から……
ってそんなめんどくさそうな顔をしないで!
リラックス!リラックス!!
ホント、すぐに終わらせるから!!
…………さて、じゃあ話を始めようか。
と言っても前回話した通り、俺はかなり記憶力が悪い。
なのであまり覚えてないのだ!エッヘン!!
……ごめんなさい、帰らないでください。
マジメにやりますから。
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俺とフェルムセーテが出会ったのはたぶん小学一年生。
つまり九年前くらい。
だけどその時俺はかなりの人見知りちゃん。
だからなのか、保育園の頃から一人でいることが多かった。
しかもそのせいで一人遊びはかなり得意に。
一人砂遊び。一人ままごと。一人鬼ごっこ等々。
しまいには一人かくれんぼまで。
あ、勿論怖いほうじゃないから。
降霊術に興味持ち始めたのなんて小学三年生頃だから。
まぁその話は置いといて……。
人見知りの俺は正直人にもあまり興味を示したことがなく、クラスの皆の名前をほとんど覚えられなかった(笑)
そんな感じで小学校生活は過ぎていき……
気づけば四年生に。
四回目のクラス替えも鬱陶しさしか感じなかった頃……
隣に女神が降臨した。
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どうやって仲良くなったかはあまり覚えていない。
ただその時は気まぐれが発動したのかもしれない。
フェルムセーテと仲良くなっていた。
………………
……白けないでよ!
いや、確かに唐突だったかもしれないけど、そこまで白けなくても!!
コホン!……話を続けるね。
その頃からフェルムセーテは綺麗な感じの女の子だった。
人当たりはいいし、授業も結構マジメだし。
こんな俺にも優しくしてくれる。
その頃の俺も、完ぺきだと思ったよ。
こんな子もいるんだなって。
正直俺、若干いじめられてたし。
周りの人もちょっと冷たいし。
上級生の人からは幽霊って呼ばれるし。
だから普通に接してくれる数少ない人に、フェルムセーテは入った。
でもあまり俺は気にしてなかった。
たぶんだけど、何か裏があるのかなって思ったし。
もしかしたら見下してるんじゃないのかなって思っちゃったし。
…………ごめんね、暗くて。
でも何があったんだろうね。
いつの頃からか、目で彼女を追うようになっちゃったんだ。
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「ねぇ、しーちゃん」
俺が小学五年生の頃の話。
俺の名前を呼んだのは、ベーロ・オウトーノ。
綺麗な金髪にお人形のような顔立ちの女の子。
正直顔はかなり整っている。
「どうかした?ベーロ」
「最近学校で一緒にいる女の子はだぁれ?」
俺の質問に質問で答えるベーロ。
彼女の小学校は俺とはまた別。
その上彼女は俺の一つしただ。
どうして学校で俺がフェルムセーテと一緒にいるのを彼女が知っているのだろうか。
答えは簡単だった。
「おい、そこのバカ。またストーカーに勤しんだのか?」
俺の問いにムッとした顔をする男。
「失礼な。僕はただ死神ちゃんがどこで何をしているのか知りたいから調べただけだよ」
「勝手に調べんな!それを世の中ではストーカーって言うんだよ!!」
「違うね!愛の力でやったからこれは愛の事情聴取だよ!!」
バカの名前はユー・オウトーノ。
ベーロと似た顔立ちのアホである。
因みに歳は俺の三つ上だ。
「何普段は引き籠ってるくせにストーカーの時だけ外に出てんだよ。バカなのか?お前」
「だって学校行きたくないもん。学校行くくらいなら死神ちゃんと一緒に心中する」
「するかアホ」
因みに死神ちゃんとは俺の愛称である。
普通は嫌がるのだが、こいつらからは嫌だとは思わなかったので、そのまま呼ばせている。
末期だね、俺も。
「お前なぁ、もしベーロが真似したらどうするんだよ」
「頑張ってね、ベーロ」
「勿論だよ、バカ兄貴」
「兄妹の協定結んでんじゃねぇぞ、お前ら」
危うくもう一人変態ができるところだった。
まぁ可愛いから変態になっても許すけど。
「てか、一緒にいる女の子って?」
するとユーが一枚の写真を俺に見せた。
そこに写っていたのは、俺とフェルムセーテ。
「お前……マジで次盗撮したら訴えるぞ」
「反応そこ?」
俺が起こると苦笑いするユー。
「で、誰なの?」
「え?フェルムセーテ・メービウ」
「名前じゃないよ。てか普通にフルネーム知っちゃったし」
ユーの言葉に俺は首を傾げ、ベーロはジト目を向ける。
「どういう関係?」
「えっと……友達?」
ベーロの質問を俺は曖昧に返す。
するとベーロはムスッとしながら気に入らない、と言った。
ごめんね。俺の何が気に入らなかったか知らないけど。
「えー!絶対嘘だぁ!!」
「いや、嘘じゃねぇよ」
突如駄々っ子みたいになるユー。
子供かよ、お前は。
「うわーん!!死神ちゃんが浮気したよぉ!!!」
「泣くな!鬱陶しい!!」
「死神ちゃんは転んだだけで泣くじゃん!!!」
「うっせー!!!」
ユーの発言を聞き、俺はユーの頭を殴る。
「痛い……」
「ふん!」
「まぁまぁ」
「てか浮気ってなんだよ、浮気って」
宥めるベーロを他所に、俺は悪態つく。
「一番、一つのことに集中できず心が変わりやすいこと。また、そのさま。移り気。
二番、異性に心をひかれやすいこと。また、そのさま。多情。
三番、配偶者・婚約者などがありながら、他の異性に気がひかれ、関係をもつこと。
四番、心が浮ついて、思慮に欠けること。また、そのさま。
五番、浮かれて陽気になるさま。また、そうなりやすい気質。
以上のことを示します。
バカ兄貴の言った浮気は、三番目に当てはまるでしょう」
「一々調べんくてよろしい!!」
ぺらぺらと携帯を持ちながら解説をするベーロ。
するとムスッとした顔でユーが俺を見た。
兄妹だからか、さっきのベーロの顔と似ている。
「どーせ死神ちゃんは浮気して俺に嫉妬させたかったんでしょ?
そーなんでしょ!」
「お前酒飲んだ?ねちっこい女みたいだぞ」
「うるさい!」
プイッとそっぽ向くユー。
第一どうして浮気だと思ったんだ?
まず俺とユーは結婚していなければ付き合ってもねぇし。
「おーい」
「…………好きなんでしょ……」
「は?」
「……どーせその子が好きなんでしょ?死神ちゃんは」
…………what?
俺に言えることはそれだけだった。
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とまぁこんなことがありました。
久しぶりに小説っぽく書けた気がする……。
それ言われた日からその言葉がグルグルと頭を駆け巡り……
好きだと自覚しました。
悩んだ時間、たぶん一か月。
曖昧だねー。
てかもう開き直ったよね、コレ。
だって見てるだけでドキドキするんだよ?
話すだけで超ハッピーになれるんだよ?
ちょっと離れるだけでもっと一緒にいたいって思えるんだよ?
スゲーよ。ホント。
恋ってすごいんだね。恋愛ってすごいんだね。
そしてこれをユーに言ったら……
「そーだねー。そりゃ良かったねー。ケッ!」
って言われたよ。
何アレ、嫉妬?
嫉妬って醜いんだよ、ユー君。
そしてベーロの反応は……
「…………死ねよ……」
………………怖かった……。
いや、マジで。
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そんなこんなで、恋を自覚した俺。
しかし、まったく行動に移せない。
今ヘタレって言った人。
………………正解です。
しかも自覚して少ししてから、ユーにこんなことを言われてしまいました。
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「あのさ、もしかしてだけど……告白する気?」
勿論ですとも。
気づいたからには一応言っておかないと。
「でもさ、相手女の子だよ?」
それが何か?
「死神ちゃん、レズって言葉知ってる?」
知ってるとも。
ベーロがよく見ているヤツの一種だろ?
因みにベーロは腐女子なんだろ?
「腐女子は置いといて……レズって周りからどんなふうに思われてるか知ってる?」
どんなふうって?
「…………え?貴方レズなの?うっわー!終わってるぅ!!(裏声)……って」
…………マジですかぃ。
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ということです。
まぁ勿論そんなんじゃ俺の気持ちは収まりませんでした。
なのでベーロも合わて三人で話し合った結果……
振り向かせてから告白することに決めましたぁ!
イエーイ!ヒューヒュー!パフパフ!!
…………調子に乗りました、すみません。
まぁなので……
俺はそれから約五年ほどアタックすることになり、中学生になる頃……
俺はベーロの指導の下、立派な腐女子になっていましたとさ。
チャンチャン♪
だから石投げないでって!!
次回もよろしく!!!