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girls恋愛  作者: 死神
springlovesong
10/10

第九話 the家出サバイバル

遅くなりましたぁ!!(泣)

 和歌山で子猫を拾った。

 大人猫一匹と子猫二匹である。

 コロンたちと旅行に来ていた時の話だ。


「名前、何にしよ……」

「もう決めた」

「早っ!?」


 コロンのツッコミを聞きながら、俺は猫の名前を呼ぶ。


「お母さん猫はキキ。お母さん似の子はクーカイ。黒猫の方はリュート」

「いや、それ完全にヴィースが書いた小説の登場人物の名前だよね?!」

「しかもリュートは俺が初めて書いた処女作の主人公の名前だ。光栄に思え」

「何故に上から?! というか一匹くらい私にも名前付けさせてよ!!」


 因みに何故この三匹の名前がそうなったのかというと、

 単に三人親子(母、子、子)というのがこの三人と共通しており、

 しかもリュートと俺の主人公のリュートの接点が黒であったためにそうなりました。


 ただし、この後キキとクーカイの名前は、

 コロンとコロンの母親であるコーヨウさんに付けられました。


 キキ→和歌山みかん

 クーカイ→武田信玄



 --------



 フェルムセーテと俺が中二の頃の出来事である。


『サボろう』


 どちらともなくそういう話になりました。


 うん。今思っても何故そういう話になったのか、

 全く思い出せん(笑)


 ただその時、俺はたまたまお金を二世円程度持っていたので、

 とりあえず食事をすることに。


 コンビニエンスストアへ直行である。


 買ったのは何だったかな?

 確かおにぎりだったはず。

 フェルムセーテが大好きな梅を渡すと、嬉しそうに食べるのだ。


 なんだろう。このほんわかしたやつ。

 俺たち今絶賛サボり中なんだよな?イケないことしてるんだよな?

 まぁ俺は家出なら何回もしたことあるけど。


 しかし人を連れての家出は弟の時以来だし、

 何よりサボるのはこの時が初めてだったりする。


 正直、かなり不安。

 お腹キリキリ。

 フェルムセーテがちゃんと上手な家出方法知ってるかがガチ謎。


 まぁ普通は知らないのが普通なんだけどね?

 でも彼女の妹のフロアーレちゃんなら知ってるような気がするよ。


「これからどうしよっか」

「んー、カラオケなんてどう?」


 良い考えかもしれないが、大丈夫なのだろうか。

 監視カメラも作動しているだろうし、

 まず店員に聞かれたらなんて答えるのだろう。


「さっき見たんだけど、別の学校の子が帰ってるの見たよ。

 ここら辺でテストでもあるんじゃないかな」


 なるほど。

 テスト期間中で早く終わったのでって答えればいいのか。


「さっすがフェルムセーテ」

「何か言った?」

「何でもない」


 とにかく俺たちはカラオケでしばらく時間を潰すことにした。



 --------



 夕方。


「やっぱりフリータイムの方が安いね」

「てかずっとカラオケにいたね、俺ら」


 昼からずっとカラオケにいた俺たち。

 正直所持金がもう僅かしかない。


「これからどーすんだ?」

「ちょっとぶらっと遠くの方に行こうか」


 ぶらっと開始。


「と言っても、どこに向かうんだよ?」

「そう言えば、今日塾あるよね……?塾どうしよう……」


 まずは電話のある場所へ。


「今日は休むって言わねぇと」

「じゃあヴィースが言ってね」

「何で!?」

「私電話するのちょっと苦手で……」


 いつもはどーしてるのさ……

 そう聞くと、家族や俺は大丈夫の範囲らしい。


(よく分かんねぇなぁ。女子ってそういうものなのか?)


 よく分からず俺困惑。

 そうこうしているうちに馴染みの公園に到着。

 公衆電話を発見。


「じゃあちょっと待ってろよ」


 俺はフェルムセーテを置いて電話し始める。

 数コールなった後、人が電話に出た。


『お電話ありがとうございます』

「あ、先生? 俺俺。ヴィースだけど、今日塾休ませて……」

『あ、ちょっとジー(俺の苗字)さん。さっき親御さんから電話が……』


 ヤバい。

 根回しされてた。

 俺は急いで電話を切る。


「どーしよ。既に親から電話きてたらしい」

「え、どーしよ……」

「とにかく一度塾に向かう?」

「んー……でも……」



 --------



 俺たちは暗い道をトボトボ歩いていた。


 何故かって?

 俺たち今塾にも行かず帰りもせずに逃走みたいなことしてんの。


 ホント、何でこんなことに……

 あ、サボったからだ。


「安いのでいいなら何か買う?」


 コンビニエンスストアが見えてきたのでフェルムセーテに聞いてみた。


「ホント? じゃあ買う」


 コンビニエンスストア(別に時数稼ぎじゃないんだからねっ!)に入れば、

 お店の人がヤル気のなさそうな声で「いらっしゃいませー」と口にする。


 大丈夫か、このコンビニエンスストア。

 ともかく俺たちは商品を見て回り、何か腹の足しになりそうなものを買う。


 所持金はもう十円台だ。


「これからマジどうしよ……」

「とりあえず、九時にはさすがに帰らない?」


 そう言われれば断れるわけがない。

 俺たちは歩き始めた。


「にしても初サボりがまさかのフェルムセーテと一緒だったとは……」

「ホントだよねぇ……」


 因みにフェルムセーテも初サボりのはずだ。


「でもこうやって二人って言うのもいいよね……」

「確かに。もうこのまま二人で暮らすか?」

「あ、良いねぇ!」


 まぁそんなの、叶わないだろうけど。

 でも妄想くらいは自由だよな。


「二人で荷物持って歩いて旅するとか」

「でもお金どーするの?」

「あれだ。路上で何か演奏してお金入れていってもらうとか」

「それはさすがに無理だよ」


 確かに。

 お金入れて貰えないのが簡単に想像ついた。


「それにギターとかどーするの」

「ギターじゃなくても、学校で普及されてるリコーダーとか」


 でもほんとにそんなことが出来たらいいのに。

 人知れず俺はそんなことを思っていました。



 --------



 八時ごろ。

 俺たちは無事確保され、家に連れ戻されましたとさ。

次回は再再来週で!

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