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私の転移物語  作者: ぱんだまる
三章:転移3日前
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転移3日前 麻生真一

涼夏先生の元へは朝と夜の二回通うことになっている。

そんな中、学校の部活はのんびりと訓練ができる、

俺の心のオアシスだと思っていたんだ。


「ふ、ふひぃ・・・き、きつい・・・。」


「麻生、まだ休むには早いぞ。一本でも俺から奪ってみろ!」


「お、おうよ!」


俺はもう、何度も霧島に斬り捨てられていた。


「俺の動きを読むんだ、麻生。

 呼吸、歩幅、体の重心。どんな些細なことも見逃すな!

 全てが俺のこれからの動きを教えている。それを読み、その先を取れ、麻生!」


「くっ・・・わ、わかってる!

 わかってるんだが・・・。む、難しい・・・。」


霧島は確実に俺の先を読んでいる。

俺がどう動こうか、その先に竹刀をもっていき、

俺は動きを封じられ、斬り捨てられる。


「頭で考えていては間に合わない。

 視界に入ると同時に感じるんだ。でなければ、体はついてこないぞ!」


「お、おう!」


・・・・・・・。

・・・・。

・・。


まぁ、一朝一夕はむりですよね。うん。


「お~い、真一く~ん!生きてる~?」


「ぐっ・・・がっ・・・。」


俺はとうとう、大の字で寝たまま起きあがれなくなった。


「今日はこんなものだな。だいぶよくはなっているぞ、麻生。」


「ぞ、ぞうが・・・。じ、じがじ・・・づがれだ・・・。」


「真一君ってば・・・。もう、へとへとになってるよ・・・。

 仕方ないなぁ・・・。こんな状態じゃ一人で帰れないだろうし

 今日は私が送っていってあげるよ。」


「ぐっ・・・す、すまん・・・。」


九条の肩をかりて、何とか起きあがる俺。

ちょっと情けなくて涙がでそうだ。


「ホント、手のかかる子だよ、真一君は。」


「こ、こんな時まで容赦ないのな・・・。」


ホント、泣いていいですか。


「それじゃ、律子、浩也。私先に帰るね。」


「わかった。」


「う、うん・・・。」


「ほら、しゃきっとする!」


本人は景気づけのつもりなのか、平手で

おもいっきり俺の背中をたたいてくる。


「う、うがっ!お、おまえなぁ・・・もう少し優しくだなぁ・・。」


「甘えないの、いくよ、真一君!」


俺は全身の痛みと疲労をこらえつつ、九条に引きずられるように道場を後にした。


「真一君ってば、ホントにだらしないなぁ・・・。」


「そ、そうは言ってもだな・・・。

 き、霧島相手にあれだけやれば誰だってこうなるぞ・・・。」


「そうかな?私も浩也とよく練習するけど

 真一君みたいになることなんてないよ?」


「お、おまえは馬鹿みたいに頑丈だしな・・・。」


「むっ・・・何か微妙にけなされてない?」


「ば、ばっか、考えすぎたっての。」


「あら、二人とも・・・今帰るところ?」


校門をでた所で篠崎とばったりとであった。

九条と二人で、しかも肩をかりて帰る所なんて、

どうにもまずい所をみられたもんだ。


「あ、優香!」


「よ、よう、篠崎。おまえも今帰るところか?」


「ええ、そうなるかしら。」


篠崎は九条に肩をかりている俺の姿をみて

妙にニコニコしてやがる。

ちくっしょう・・・どうせ俺はまだこのざまだよ。


「優香、それじゃ、優香も一緒に帰ろうよ?」


「そうね・・・ふふっ、やめておくわ

 。私、そこまで意地悪じゃないから。ね、麻生君?」


「う、な、なんで俺に振るんだよ・・・。」


「さぁ・・・何故かしらね?

 ふふっ・・・それじゃ、私先に帰るね。」


篠崎の奴、大人しい奴かと思っていたら、とんだ小悪魔キャラじゃないか・・・。


「あ、ゆ、優香!」


「また明日ね、麗奈。」


「う、うん・・・。」


篠崎が帰っていく姿を九条は寂しそうにみていた。


「う~ん、帰るのなら一緒でもよかったのに・・・。

 優香の言ってた、意地悪って何のことなの、真一君?」


「へっ?だ、だから何で俺にふるんだよ?


「だって、優香の口振りだと真一君が何か知ってるみたいだったよ?


「そ、それはだなぁ・・・。


「ふんふん、それは?


「・・・知るか、自分で考えろ!


ったく、こいつの鈍さときたら・・・。


「え、えぇーーー!な、何よ、教えなさいよ、真一君~!


「あぁ~知らん、俺は何も知らん!


「し、真一君、ま、待ちなさいよ!教えなさいーーー!


俺から教えられるわけ、ないだろ・・・。

篠崎は気づいてるんだから。俺のおまえに対する気持ちに・・・。

だから、気を利かせてくれた、なんて・・・。

はぁ・・・言えねぇ~よ、俺には・・・。

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