慎んでお断りします
デートにもう一人憑いてきたついてきた話。
初めてのデートだ。
服も、髪も、メイクも、ちゃんと決めてきた。
少し早く着きすぎたけど、それも悪くない。
ドキドキする。
告白されたら、どうしよう。
――OKに決まってる。
……って、ん?
向こうから手を振るのは、間違いなく彼。
その隣に――知らないイケメン。
誰?
「お待たせ!待った?その服、すごく似合ってる。……その、か、可愛い……よ」
わあ、褒められた。
頑張ってよかった。照れてる彼も可愛い。
……じゃなくて、隣の人、誰?
「やあ、可愛いね。僕のことは気にしなくていいよ。彼の特別な人、なんてね」
彼の肩に腕を回して、ニヤリと笑う。
いや、気になるでしょ!?
デートだよね?なんでついてくるの!?
保護者!?いや、まさか……いやいやいや。
「じゃ、行こっか。どこから回る?」
彼はパンフレットに夢中。
――気にしてない。完全に。
まあいいや。今日はデートだし。
大好きな彼と、ちゃんと楽しもう。
イケメンは、ずっといるけど。
でも、楽しい。
手も繋いだ。いい雰囲気。
そして、お城の前の噴水。
完璧な場所。
「あのさ、お、俺……その、君と……」
きた。
「お、俺と……付き合ってください!!」
――きた!!
よし、言うぞ。OKって――
ん?
イケメンが何かひらひらさせてる。
さっきの写真。
そこに写ってるのは――
彼と、私。
イケメンは、いない。
横を見る。
いる。
写真を見る。
いない。
イケメンが、こちらを見て頷く。
え、無理。
「慎んでお断りさせていただきます!!」
走った。無理。そういうのは無理。
――
「また振られた……なんで?」
呆然と立ち尽くす彼の肩に、腕が回る。
「やっぱりね。俺のこと許容できるか、見えないくらい鈍感な子じゃないと無理だよね」
写真には、彼と彼女しか写っていない。
「俺、ずっと憑いてるし」
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