第2章登場人物紹介(第2章時点)
・リリアナ・フォン・グランツ
元公爵令嬢。王太子に婚約破棄され、北の辺境ノルドハイムへ追放された本作の主人公。
中身は前世社畜OLで、この世界が乙女ゲームだと知っている自称・悪役令嬢。
地味スキル「生活鑑定」で人や食材の体調、冷え、疲労、不安まで読み取り、その人専用の一杯やごは んを出すのが得意。
今は小さな焙煎所兼カフェのオーナーとして、領民たちの「居場所」を作るために日々奮闘中。働きすぎ注意。
・ディルク・フォン・ノルドハイム
北辺境ノルドハイムを治める若き辺境伯。黒髪無表情、言葉少なめで近寄りがたいが、内側は責任感と保護欲の塊。
王都の書状に書かれた「悪女」の評判に惑わされず、リリアナを「罪人ではなく客」として迎えた最初の人。
今ではカフェ奥の専用席で穀物コーヒーを飲む常連客となり、酔っぱらいの追い出しから、働きすぎて倒れたリリアナの搬送まで、さりげなく全力で守っている。
・マリア
元・公爵家付きのメイド。現在はリリアナ専属メイド兼カフェスタッフ。
真面目で面倒見のいいお姉さんタイプで、ホール、仕込み、帳簿管理までこなす実質裏店長。
丁寧な口調のまま、ときどき鋭いツッコミを入れつつ、暴走しがちなリリアナと不器用なディルクを一 歩引いて見守っている。
・ノエル
辺境の街の少年。買い出し係から始まり、カフェの雑用&焙煎見習いに。
口は悪いが根は素直なツンデレで、「ほんとに客来るのかよ」「支払いできんのかよ」と文句を言いつ つ、誰よりも早く店に顔を出し、誰よりもよく動く。
兵士や子どもたちとすぐ打ち解ける橋渡し役でもあり、カフェの「若者代表」ポジション。
・エルザおばさん
リリアナの家の近所に住む、情報通のおばさま。夫は職人。
2章時点ではカフェ最初のお客として登場し、穀物コーヒーとクッキーを一口飲んで「これは流行るよ」と断言、その場で知り合いに宣伝してくれる口コミ第一号。
世話焼きで現実的、いいものは素直に褒める庶民代表。
・グンター
辺境の森を縄張りにする古株猟師。周辺猟師たちの頭のような存在の頑固じいさん。
筋金入りの貴族嫌いで、初来店時は「貴族の店なんぞ」と噛みつくが、リリアナに古傷や冷えを鑑定され、自分の体に合わせた一杯とスープを出されて少しずつ態度が軟化。
以後は薪運びや情報提供などで、カフェの心強い常連サポーターになっていく。
・騎士団長
ノルドハイム駐留騎士団の団長。ディルク直属の実戦部隊を率いる頼れる現場指揮官。
部下思いで礼儀正しく、カフェでもきちんと態度を崩さないが、料理と穀物コーヒーの効果には素直に感動する。
魔物討伐帰りに部下を連れて来店し、回復スープに救われたあと「ここは戦場の後方支援拠点だな」と評し、兵士たちの間にカフェの噂を一気に広めた張本人。
・ロルフ
城門担当の若手兵士。カフェのモーニングセットをこよなく愛する兵士代表の常連。
明るくムードメーカーで、ノエルともすぐに友達になる兄貴分タイプ。
「生き返る……」「また明日も来ていいか?」と分かりやすいリアクションで、カフェメニューの威力を 読者と周囲に伝えてくれる食いしん坊。
・ミア
雪国の街に住む8〜10歳くらいの女の子。父は木こり、母は主婦。
甘い匂いにつられてカフェに入ってきた、子ども客の第一号。
リリアナを「お姉ちゃん」と呼んで懐き、雪祭りのパンケーキなど、おやつ系メニューの反応担当としても出番が多い、街の子ども代表。
・ヘルマン医師
領主館付きの医師。ディルクや兵士、領民の診療を担当する中年男性。
口は悪いが腕は確かで、患者が貴族でも庶民でも遠慮なくズバズバ物を言うタイプ。
2章ラストでは、倒れたリリアナを診て「重病ではないが、このままでは倒れて当然」と冷静に診断し、《生活鑑定》の結果とも照らし合わせて彼女の有用性を認める。
・アルバート・フォン・○○(王太子)
リリアナの元婚約者である王太子。
聖女クラリスを守る「正義の王子」のつもりで公開断罪を行い、リリアナに婚約破棄と辺境追放を言い渡した張本人。
2章時点では本編に直接登場しないが、王都サイドの不穏さや手紙などを通して、その影が少しずつにじんでいる。
・クラリス
庶民出身の聖女。か弱げな雰囲気で守られたい欲求が強く、アルバートに庇われる立場にいる少女。
涙ながらの証言でリリアナの罪状を補強してしまったが、根っからの悪人というより、自分を守るために他人を悪役にしてしまう弱さを抱えている。
2章時点では王都側の噂話や手紙の中でのみ言及あり。
・グランツ公爵
リリアナの父であり、有力公爵家の当主。
公開断罪の場では娘を庇えず、冷徹に見える態度を取ったが、その裏には「公爵家と領民ごと守る」た めの苦い判断も。
手紙などを通じて、娘の近況を気にかけている様子がちらりと見え始める。
・護衛隊長
1章で王都から辺境までの護衛を担当した隊長。
魔物襲撃時にリリアナの応急処置を目の当たりにし、「公爵令嬢なのに現場で動ける人」という認識を 最初に持った大人枠。
2章時点では再登場していないが、今後の噂の運び手になるかもしれない人物。
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次回から第三章へと入っていきます。




