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別れと決意と···

別世界で生活を始めて数日後


今日は土曜日なので、学校はお休みだ


休みと言ったが、現在の俺は『記憶喪失』なので『学校に行っていない』のだが···


勉強は自室のパソコンを使ってやっている


この勉強は『決められた課題を好きな時(期限内)に終わらせればいい』ので、まとめて終わらせる事にした


(課題は簡単な基礎問題なので、2時間もあれば用意された分は全て終わった)


あとはそれを毎日決まった分だけ提出(送信)すればいい





こちらの世界で初めにやった事は『情報収集』と『探索』だ


『こちらの世界にいた俺は生きているのか?』




こちらの世界に来て2日目に『探索魔法』を使い、別世界を探索すると『別世界で死亡した』事がわかった


すぐに転移で世界を渡り、確認してみたが、残念ながら真実だった···


どうやら事故で亡くなったらしい


俺は墓の前に花を供え、手を合わせる


(助ける事が出来なくてすまなかった···もう少し早く探していれば助けられたと思うのに···すまなかった)


そう詫びるが、俺が『異世界召還される前に既に亡くなっていた』ので、どうしようもない事だ


それでも詫びるのは、これからの生活を『俺が代わりに過ごす』事への『詫びと許しを得る為』でもあった


長い時間手を合わせた俺は、転移で帰宅して夕食の準備をする


これから作るのは『俺が好きだった物』だ


『せめて今日だけは···好きな物を食べて、最期のお別れをして欲しい···』


そう思いながら料理を作り、家族全員で食事をする




そして真夜中の部屋の中···


俺はもう一人の俺と話をしていた


「もういいのか?」


『ありがとう。最期に家族との時間を過ごさせてくれて···もう思い残す事はないよ。だから、これからは君が僕となってこの世界で生きてくれ』


「···わかった。必ず幸せにするからな。お前も幸せになれよ?その為に1つ餞別だ···『小さな幸福』···これで来世は少しだが、幸せになる」


『···ありがとう。じゃあ···あとは頼んだよ···渡···』


そう告げるともう一人の俺は消えてしまった···


「おぅ。必ず家族を護ってやるからな···安心しろよ···渡···」


そう呟き、窓の外を見ると


満天の星空に1つだけ流れ星が流れたのだった





そして時間は現在に戻る


土曜日 昼過ぎ



家族の夕食を決める為にチラシを見ている


妹は昼食後は部屋で宿題をしている


両親は仕事でまだ帰って来ない


チラシを見て夕食を考える···


今日は鶏肉の安売りか···


しかし、鶏肉はまだあるからなぁ···


他のチラシを見る


キャベツ·ピーマン·長ネギ·人参かぁ···


絹豆腐と茄子も安いなぁ···


『鶏肉の回鍋肉』とかにするか?


丁度『回鍋肉の素』が安売りしているので、今夜は『鶏むね肉の回鍋肉』にしよう


あっ!『麻婆豆腐の素』も安売りしてるから、一緒に出すか···


人参·茄子·ピーマン·鶏ひき肉·長ネギ·絹豆腐で『麻婆豆腐(茄子入り)』だ


「これで夕飯は決まりだな。早速買い出しに行こう」




妹の部屋の前で妹に声をかける


「夕飯の買い出しに行って来る。おやつは冷蔵庫に入っているから、って!?あぶなっ!!」


いきなりドアが開かれ、危うくぶつかるところだった···


妹の部屋のドアは外開きだ


「お兄ちゃん外行くの!?私も行くから待ってて!!45秒で支度する!!」


妹はドアを閉めて準備をしている様だ


「わかった。玄関で待ってるよ?ゆっくりでいいからね?」


そう言い残し、玄関へ向かう


どうやら俺が外に出るのを心配している様だ


(まぁ···まだ日が浅いからな···仕方ないか···)


玄関で靴を履いていると、部屋から妹が出てきて、隣に座って靴を履く


「そんなに急がなくても大丈夫だよ?ほら、髪乱れてる」


手櫛で悪いが、優しく直してあげる


「ありがと。さぁ、行こう」


妹は笑顔で礼を言って外に出る


「待て待て、どこに行くのか知らないだろ?」


外に出て鍵をかけて、妹を追いかける


やれやれ···手間のかかる妹だ···


次回『兄と買い物』

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