俺は帰ります。さようなら
この世界についての説明は続く
話によると『元の世界には帰れない』とか言っているのだが···
皆は話を聞いているが、誰も帰りたいとは言わないのは何故だ?
近くの数人を『鑑定』してみる
『状態:冷静(洗脳中)』
(あっ、駄目だこれ···早く出て行こう···)
助ける?何でだ?『俺をイジメてた奴等を助ける』程、俺は馬鹿ではないぞ?
因みに他の連中は『我関せず』だったよ
中には増長させる奴もいたな
だから、俺は誰も助けない
それにしても『話を聞く気もない』ので『魔法遮断』していて良かった
危うく俺も洗脳されるところだった
一応警戒して『魔法遮断』を発動して話だけを聞いていた
これは『空間魔法』の応用で指定したものを遮断する便利魔法だ
王女?が一通り(洗脳が)終わったらしく、これからの事を話そうとするが···
もううんざりなので、手を挙げて意見を言う事にした
「あの~、俺は実力がないので、帰ります」
そう言って出口へ向かうと、一人の男が前に立ち塞がった
「何言ってやがる?お前は無能なんだから、俺達の為に馬車馬の様に働けよ!!」
こいつは最初に騒いでいた馬鹿だ
確か「魔王と敵対しろ」とか言ってたな···
相手にするのも面倒だから『魔法を発動させて』こいつを『別世界に転移』させる
行き先はもちろんあいつが要望していた『人間が魔王と敵対していて、滅びる寸前の世界』だ。
しかもオマケで『装備無し』『能力無し』で送ってあげたぞ♪
望んだ世界に行けて良かったね?
俺の魔法を目にした奴等は「どこに飛ばした!?」「何をした!?」と騒ぐが、俺は自身の周りに『空間遮断』を展開している為に聞こえる事はない
『死角から何かして来た奴もいた』けど、そいつにちゃんと『お返し』しておいたから問題ない
自分の攻撃で死ぬなんて愚かな奴だ
しっかり対策しないからそうなるんだよ?
王?と王女?には洗脳を返しておいたから、何も言って来ない
と言うか、何も反応がない
人形みたいに動かないが、今は誰も気がついていない
全員が俺に集中していて、他に意識を向けていないからだ
護衛らしき奴等も同じとは···忠誠心とか無いんだな···
周りの反応を無視して出口へ向かう
兵士らしき者が止めに来るが、全員真っ裸にして離れた所に転移させる
男も女も関係ない
向かって来るのなら、全員敵だ
それに、今の世は『男女平等』にしないとうるさいからね?
あっ、迷惑料として何かもらって帰ろう···
何がいいかな?
お金はあちらじゃ使えない···
武器·防具·装飾品も微妙だ
「特にいい物も無いので、諦めて帰ろうかな···」
そう決めた俺は『元の世界』への道を開き、誰もいない教室へと転移するのであった
次回『ただいま。さぁ、醤油を買いに行こう』