いい加減にして欲しいな···
バイトが決まってよかった···
今月は週払いにしてもらったから、金欠にはならないだろう···
部屋で勉強をしていると、また部屋の床から光が···
「またかよ···。いい加減にしてくれないかな···」
文句を言うが、お構い無しに召喚される
(次はどこだよ···。もう、初手で全滅させるか?)
目をあけると赤い絨毯に魔法陣が描かれていて、俺の他には男女3人がいた
(やれやれ···今度はこの3人の召喚に巻き込まれたのか?)
魔法陣には俺含め4人が喚ばれた様だ
もう聞き飽きた言葉を並べる目の前のおっさん達···
そして話を聞く3人の後ろで、俺はひっそりと魔法を展開しておく···
(さて···この3人はどうするのかな?)
静かに様子を見ていると、3人は「帰りたい」と言うと、召喚した側は「帰るには魔王を倒して、女神の力で帰る事が出来る」と返答された
(今度は女神か···。次は男神か?男神の話は無いなぁ···)
相手側は「召喚者は女神に能力を与えられているから、その力で魔王を倒せば帰れる」と言って、それ以上の話はしない
ここで俺が疑問に思った事を聞く事にした
3人の前に立ち、目の前のおっさんに質問してみる
「魔王は倒されたのに何故召喚した?魔王はいないのだろう?」
「魔王は復活した。そして再び世界を脅かしている」
「じゃあ、別の質問。魔王倒して元の世界に帰った証拠はあるのか?」
「魔王を倒した時に女神によって元の世界に帰るので、我々は見た事はない」
「この世界の人間は魔王討伐に同行してないのか?」
「同行した者によると、魔王が倒された時は女神による帰還はされていると言っていた」
「その同行した人は今どこにいる?会えないのか?」
「その者は既に亡くなっている。戦いの時に受けた傷が原因だ」
怪しい···
「そうなんだ···。それじゃあ、他の3人はどうする?こいつらに協力する?それとも帰る?俺は自力で帰れるから、送ってあげるよ?」
振り返り、3人に聞いてみると、3人は相談し始めた
そして結論が出たのだろう
『私達は戦わずに帰りたいです』
答えを聞いたおっさん達はざわつき、兵士は剣を抜いている
どうやら強迫でもする気なんだろう
「なるほど。じゃあ、帰ろうか?(でも、その前に···『魔法陣は破壊させてもらう』かな···)」
地面の魔法陣に強力な魔力を通して魔法陣を破壊する
そうしている間にも捕まえようと兵士が攻撃して来るが、俺達の周りには結界を張ってあるので、攻撃は通る事はない
「よし!これでこの世界に召喚される被害者は減るだろう。じゃあ、先に君達を送るわ!」
3人を先に転移させ、兵士達を返り討ちにしてあちらこちらに転移して召喚の資料等を処分して行く
「よし。これで召喚の被害者も減るだろう···。あとは3人の世界に転移して、無事を確認したら終わりだな」
俺は転移で3人のいる世界に行くと、3人は俺を待っていた様で、俺が転移で現れるとお礼を言ってきた
『ありがとうございます。無事に帰る事ができます』
どうやらこの3人は同級生らしく、下校中に喚ばれたらしい
一応あちらの召喚手段は一通り潰しておいたと伝え、3人を安心させる
(これであの3人は大丈夫だろう。一応口止めもしたけど、元々世界が違うから大丈夫だな)
3人に別れを告げて自分の部屋へ転移し、家事をする為、部屋を出るのであった
次回『次は魔王かよ···』




