65 邪教の教祖
謎の仮面男改めてクロードは、飛んできた短剣を避ける。
アイリスは避けた場所に透かさず投げた。
「クヒヒ! 霊神教団ーの団長なのーに、霊神ーに刃向かうーのですーか?」
たしかに、それは疑問に思った。
私はそんな事を思いながら、クロードが持っている音叉に狙いを定め、狙撃する。
クロードは笑いながら、私が放った狙撃弾も避けた。
「そんなの決まってるわ〜。霊神ソラ様を崇め、他の霊神という名の邪神を討ち払うためよ〜」
私が狙撃したタイミングで、今度はアイリスも短剣を投げた。
すると突然目の前に、見たことのある大きなネズミが現れ、アイリスの短剣が弾かれた。
「ヒヒヒ。教祖様を集団で囲んで暴行するなんて、大人げないですね」
もう1人の仮面の長身の男、通称邪教の団長がネズミの後ろから出てきた。
「クヒヒ……僕だけーでも問題ありませんーが、どうしてーもと言うーので、ついてきてもらいましーた。あールイ、あとでお仕置きでーす」
「かしこまりました……」
「クヒヒ!!」
そう言い、クロードは音叉を叩こうとした。
「耳を塞げ!」
ツクモが叫んだ。
私とアイリスは咄嗟に耳を塞ぐ。
ツクモは鎚を両手で持ち、それを縦に振りかぶり床に叩きつけた。そして、カーンという鉄の叩かれる音が部屋中に響き渡った。
「うわ!? すごい音!」
ツクモが叩いたそこには、いつの間にか置かれていた金床があった。
「クヒヒ……ルイ! あの金床ーを奪いなさーい!」
クロードはそう言いながら、音叉をポケットの中に入れた。
「ルイ? ん? 何か増えてる!」
ツクモの前に、下半身がキャタピラのロボットがいた。
「こいつはオレが作った眷属だぜ。腕にはこだわりの奴をつけてやったぜ」
よく見ると、ロボットの腕が銃になっていて、すごく強そう。
「あ、ちなみに弾なんて入ってないぜ」
「えー!? どうやって戦うのさ!」
神相手だが、思わずツッコミを入れてしまった。
「殴りゃいいだろ。おら、行け!」
眷属のロボットに指示をした。
「ヒヒヒ……そうは行きませんよ。私のネズミ達も行きなさい」
ルイ? と呼ばれた邪教の団長は、自身のカバンを床に置いた。その中から、小型のネズミロボットがわらわらと出てきた。
そのネズミ達を撃てない銃で薙ぎ払う。
「さすがに圧倒されている! こっちも加勢するよ!」
私は狙撃銃で1体ずつネズミロボットを撃つ。
アイリスはネズミロボットを無視し、真っ直ぐに邪教の団長に駆け寄り、近づいた瞬間に出現させた黒い大剣を横に振った。
「ヒヒヒ!」
邪教の団長は自分の前に巨大ネズミロボットを移動させ、アイリスの大剣を受けさせた。
アイリスの大剣を受けた巨大ネズミロボットは勢いに負けて弾き飛ばされ、豪華な壁の一部にぶつかり凹ませた。
「これ、弁償だからね~」
「ご自身でされた事ですから、私達は関係ありませんね……ヒヒヒ」
邪教の団長は、またカバンの中からネズミロボットを取り出し、それを巨大化させた。
「どこからでかいネズミ出してるのかって思ってたけど、そうなってたのね……」
私はそのネズミに向けて狙撃する。しかし、毛が硬いのか弾かれてしまった。
「その程度の銃弾は通りませんよ。教祖様、今のうちに」
「クヒヒ! よくやりましーたルイ。金床ーは洗脳した後ーでゆっくり回収しまーす」
クロードは再び音叉を取り出した。
「ルイって名前っぽいよ、邪教の団長の」
「いや、それどころじゃないわよ~。来るわ!」
アイリスは握っていた大剣を手放し、二刀流に変わった。
「クヒヒ!」
クロードは音叉を打とうとした。
「だーかーら! オレの前だとそれは通用しないぜ!」
ツクモが再び金床に鎚を打ち付ける。金床の音が音叉の音をかき消した。
「ほい、2体目いっちょ上がりだぜ!」
下半身がキャタピラのロボットがいきなり現れた。
「それ、連続で打ち付けてたくさん召喚できないの?」
「材料になる物が必要でな。こいつらの材料は、あいつの音叉の音ってことだ」
「音が材料っておかしいでしょ……」
私は2体目のロボットを見る。
2体目はちゃんと銃が使えるようだが、少し撃つとすぐにオーバーヒートしてしまい、結局殴っている……。
「あいつの音にはチカラがあるんだ。だが……うむ。改良が必要だぜ」
「思念体の時の方が上手く武器を作ってくれたのに、どうしてこうなった……」
「既存の物は簡単だろ? あれはまだ未知な武器だから、絶賛開発中ってわけ」
「そんなもんなのかな……」
私はクロードが持つ音叉を狙い撃つ。
「クヒヒ!」
クロードは音叉をまたポケットに入れ、銃弾は巨大ネズミロボットに弾かれた。
「あれを取りなさい!」
邪教の団長改めルイも、金床を狙い大量のネズミロボットを放った。
「貴方も懲りないわね~。私に壊されるだけですわよ~」
大量のネズミロボットは、アイリスの剣舞によりどんどん数が減らされている。
「教祖様。そろそろお時間です……」
「クヒヒ! 仕方ーがないですーね。人神ーはまた今度ーにしまーす」
クロードはそう言い、玉座の後ろにあった扉に行こうとする。
「待ちなさい! 私が逃がすと思います~?」
アイリスが黒い短剣をクロードに向けて投げる。
その短剣は再び、巨大ネズミロボットに弾かれた。
「何を勘違いしているデス?」
「教祖様は見逃してくれているのですよー」
突如私達が入ってきた扉が何者かに破壊され、そこから数体のよだれを垂らした猫達が入ってきた。
続きます!
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