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愛のカタチ  作者: 遠藤 敦子
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 店内にて茉由紀と椿はいろいろな話をする。仕事のこと、将来のこと、恋愛のことなどたくさん語った。

「思い切ってマッチングアプリ登録したんだけど、親世代のおっさんからメッセージ来てキモくてすぐやめた。結婚したいのか彼氏がほしいのか異性と関わりたいのかよくわからないや……」

茉由紀が近況について話すと、椿は

「じゃあ推し活始めてみたら? 地下アイドルなら距離も近いし、普段はお店で働いてるから話もできるよ」

とメンズ地下アイドルの「推し活」を勧めてくる。ホストクラブよりも安いしライトな感じだよ、と椿は言う。それから茉由紀にスマホを見せて

「私の推しのユキヤくん! かっこよくない?」

と問いかけた。茉由紀は「こんな芸能人みたいな若くてかっこいい男の子がいるの?」と驚く。多少の加工は入っているものの、ユキヤは端正な顔立ちをしている。大学生っぽい感じというよりは、22歳か23歳くらいに見えた。

「茉由紀もユキヤくんのお店に一緒に行く?」

椿に聞かれ、茉由紀は快諾する。その後の話の流れで、2人はユキヤのいる店に行くことになった。


 そのお店は先ほどのカフェとは雰囲気が違って、薄暗い場所だ。執事のような格好をしたユキヤが、カウンター越しに2人を接客する。

「あ、椿ちゃん! と……お友達?」

ユキヤが茉由紀に問いかけると、茉由紀は「椿の友人の茉由紀です」と自己紹介した。ユキヤは「茉由紀ちゃんね! よろしく」と笑顔を向ける。それからはほとんど椿と会話していた。15分ほど話し、ユキヤは「ごめん、俺呼ばれてるしそろそろ行くわ」とカウンターから離れる。

 それからヘルプで別の男性スタッフがやってきた。スタッフはユウトと名乗る。ユウトは178cmと背が高めだったけれど、童顔で大きい目をしている。大阪出身なのもあり、コテコテの関西弁で話す。

「俺もともと大阪でホストしててんけど、なかなか売れへんくてさー。それで上京してメン地下になった、ってわけ」

そう話すユウトに茉由紀は惹かれていった。ユウトはそんな茉由紀の気持ちに気づいたのか、連絡先の交換を持ちかける。

「これ俺の連絡先。話したいことあったらいつでも良いし連絡してな」

それからユウトは茉由紀とチェキを撮り、ポイントカードを渡した。1枚チェキを撮るーー料金は1枚につき1000円ーーか1回ライブに来るーーチケット代は2000円ーーごとに1ポイント発生するという仕組みだ。一定数ポイントが貯まるとメンバーから手紙をもらえたり、デートができたり、お泊まりができたりするという。

 ユウトくんともっと仲良くなりたい。また会いたい。茉由紀はそう思ってしまっている自分の気持ちに気づく。

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