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第五十話 魔王様、ホラーゲームに挑戦する

 最終勝負を始める前に、あずき姉にホラーゲームのストーリーを聞いてみた。


 魔王軍の皆の話を聞く限り、すんごく有名なゲームってのはわかったんだけど、ストーリーを理解したらより楽しくなりそうじゃない?


 というわけで、よろしくあずき姉!



「このゲームの主人公は大学の助教授で、とある洋館で開かれる学会のパーティに招待されるんだけど、そこで殺人事件が起きちゃうんだ……」

「さ、殺人事件!?」



 え!?


 パッケージはモンスターのイラストなのに、サスペンス系ホラーなの!?



「それで、偶然訪れていた知り合いの敏腕探偵と一緒に参加者の中から殺人犯を探すことになるんだけど──」

「おお」

「その犯人がモンスターだってことが判明してね?」

「おお! ……お?」



 え? モンスちゃんが犯人?


 急にどした?



「そのモンスターから逃げるべく声を殺しながら脱出を図るんだけど、洋館の地下で極秘の実験が行われていたことがわかって──」

「はい、ちょっと待って、あずき姉」


 

 思わずストップを入れる。



「色々気になるところがあるけど、とりあえず最初に出てきた敏腕探偵さんはどうなったの?」

「初っ端モンスターに食われる」

「なにそれ」



 めっちゃ重要キャラだと思ってたけど、超モブキャラじゃん。


 その探偵さん、必要?



《まぁ、そんな反応になるよね》

《wwww》

《魔王様の反応、初々しくて良きだなwww》

《俺と同じ反応してて草》

《モンスターハウスオブザデッドはストーリーを楽しむゲームじゃないからなぁ・・・》

《いや、ストーリーを楽しむもんだろw》

《ハチャメチャストーリーだからな・・・》

《名言しかない稀有なゲーム》

《探偵の「いいですか、良く聞いてください!? 犯人は……モンスターだったんです!」はネットミームになったくらいだしな》

《え? あれってモブザのセリフだったの?》

《それは知らんかったwww》



「……へぇ〜」



 なんだかコメント欄が盛り上がってるな。


 ……よし! このままだと蚊帳の外になりそうだし、ストーリーはコレくらいにしとこっかな!


 ストーリーよりも重要なのはゲームシステムだし!


 このゲームは、洋館を徘徊するモンスちゃんに見つからないように脱出できればクリアみたい。


 だけど、ずっとマイクで声を拾ってて、大声を出しちゃった瞬間ゲームオーバーになるんだって。


 へぇ〜、ホラーゲームで声を出しちゃダメとか、良く考えられてるなぁ。


 まぁ、まおにとってモンスちゃんに追いかけられるなんて、ホラーでもなんでもないけどね?


 だって、日頃からダンジョンでモンスちゃんに会ってるし。


 そんなことで驚くわけがない。


 うん、余裕、余裕。



「よ、よよ、よぉし、そっ、それじゃあやろっか、あずき姉」

「てか、声が震えてるけど平気? ホラーゲームとかホント大丈夫? オシッコちびらない?」

「なな、なにをおっしゃいますやら。平気に決まってるでしょ」

「全然平気じゃない顔で草なんだが」


《wwww》

《かわいいww》

《魔王様、すでに表情であずき姐に負けてます》

《え? 魔王様、ホラー苦手なの?》

《苦手なのに選んだのかよwww》

《負けたら終わりなのに、みずから足かせを付けていくスタイル》

《さすまお》

《さすまおすぎる》


「だ、だから平気だって!」



 よ、よよ、余裕だってこと、わからせてやるから!


 というわけで、ゲームスタート!


 2人同時プレイで、どっちが先に脱出するか競争できるモードがあるっぽいので、それで勝負。


 先に洋館を脱出できたほうが勝ち。


 そして、モンスターに捕まるか、大声を出したほうが負け。


 いきなり真っ暗な部屋の中から始まった。



「う、うほっ! 暗っ!」



 あ、やば。


 声が出ちゃった。



《うほっwww》

《いきなり事件性のある声出たな》

《魔王様、気をつけて! 声を出さないように!》


「わ、わかってるよ……っ!」



 ヒソヒソ話くらいだったらイケるみたい。


 ていうか、雰囲気が怖すぎない!?


 明かりも無いし、誰もいないし!


 もっとこう……そこら中にモンスちゃんがいて欲しいんですけど。


 なんて思ってたら、ドスッドスッと遠くからドデカい足音が近づいてくる。



「……うひょっ!?」



 こ、これはもしや、モンスちゃんの足音!?


 え!? どっち!?


 どっちから来るの!?



「あ、あずき姉……っ、たた、助けて……モモ、モンスちゃんが来る……っ」

「いや、無理だっつの……っ! ひ、ひ、ひとりでなんとかせい……っ!」



 あれ? あずき姉も相当ビビってる?



《wwww》

《お姉ちゃんも相当怖がってるがwww》

《ビビリ姉妹で草》

《かわいい》

《これはかわいい》



 くっ、あずき姉に頼ることができないのは誤算……!


 仕方がないので、モンスちゃんの足音が部屋の前を通り過ぎたタイミングで廊下に出て、近くの部屋に忍び足で移動。


 だけど、鍵がかかってていてドアが開かなかった。


 赤いドアには綺麗な装飾が施されている。


 むむっ! このドアは──。



「……実に怪しいね」



 まお、ピンときちゃった。


 だって、他の部屋のドアと違うデザインだし。


 はっ……!? もしや、ここがゴールなのでは!?


 よっしゃ! どうにかして開けられないかな!?



「……あっ」



 近くのテーブルの上に鍵を発見。


 キタコレ!


 気づきのまお!! 物色力が違う!!


 一歩リードじゃないコレ!?


 早速、取ろうとしたんだけど、画面に妙な文字が出てきた。



「T・A・K・E……?」



 なんぞこれ?


 ちょいちょいと、隣のあずき姉を肘で突っつく。



「ねぇ、あずき姉、このタケって何?」

「え? タケ? もしかして()()T()A()K()E()のこと?」

「……へ?」


 

 英語?



《魔王様wwww》

《タケwwww》

《草草草》

《いやまぁ、たしかにローマ字で読んだらタケだな》

《タケすぎる》

《くっ、ここに来て魔王様の英語力の低さが仇になったか・・・》


「いいかい、まお? 少しだけアドバイスすると、その鍵をあの赤い扉の前で使って開けて、中に隠れればモンスターをやりすごすことができるってわけさ? オーケイ?」

「……オッケィ!」



 あずき姉曰く、あの赤い扉の部屋はモンスちゃんが入れない「安全地帯」らしい。


 扉の前で鍵を使って、中に入って隠れるわけか。


 ふむふむ。鍵を扉の前で使って、中に入って隠れる……。 


 と、また足音が。



「うぎゅっ……モンスちゃん……きた……っ!?」



 ドスドスドス。


 ヤバい! 早く隠れないと!


 ていうか、何でまおのところにばっかり来るの!?


 や、来てくれるのは嬉しいんだけど、捕まったら負けちゃうじゃん!



「あ、う、ええっと、どど、どうするんだったっけ……?」



 頭が真っ白になっちゃった!



《鍵だよ魔王様!》

《鍵鍵!》

《タケした鍵を使って!》


「そ、そうだった。タケしたカギを……え? ウセ?」



 また変な言葉が出てきたけど!?


 なにコレ!?



《今度はウセwww》

《すごくウセだな》

《USEなwww》

《使うって意味の英語だよ、魔王様!》


「……はぁ!? また英語ぉ!?」



 ちょま、なんで全部英語なのさ、このゲーム!?


 ここ、日本だよっ!?



《あ》

《あ》

《魔王様、声!》


「……あ」


《今の声量、ヤバいんじゃね?www》

《魔王様、敗北!?》



 ウソ!? 


 もう終わっちゃうの!?


 ──と思ったけど、まだゲームオーバーじゃなかったみたいで。



『プレイヤーMAOTANの音量が危険領域に達しました。モンスターがスピードアップし、MAOTANを執拗に狙ってきます』

「……ッ!?!?!?」


《wwwww》

《こわっwww》

《盛り上がってまいりましたwwww》

《魔王様、早く隠れて!》

《モンスターが来るよ!》


「あわ、あわわわわ……」



 ドスドスドス。


 力強いモンスちゃんの足音が猛スピードで近づいてくる。



「えと、ええと、タタ、タケしたカギを扉の前でウセして……ヒデッ!?」



 また変なの出たよぉぉおお!!



《HIDEなwwww》

《何だこのお約束的流れはwwww》

《タケしたカギをウセしてヒデだな》

《タケカギウセヒデ》

《海洋生物かよ》

《www》

《腹いてぇwwww》



「タケしたカギをウセしてヒデ……タケウセヒデ……タケウセヒデ……ッ!」



 がちゃりと扉を開けて扉の向こうに。


 やった、これでモンスちゃんから逃げられる!



「あ、まお、そこ違う。青の扉だし」

「……え?」



 瞬間、中からモンスちゃんが飛び出してきた。



「がおおおっ!」

「ぎょええええええええっ!?」



 まお、ビックリしすぎて、勢いよく後ろにバタン!!



《ぎょええええwwwww》

《びっくり芸がすごい》

《お約束で草》

《あそこで別の扉開けるとか、さすまおだわwww》

《wwww》

《配信うますぎるww》

《白目むいとるが大丈夫か、魔王様!?》

《魔王様! お顔がセンシティブになってますよ!》

《かわいい》

《かわいい》

《驚き方も一流だわ》

《だけど、大声出しちゃったね・・・》


『大声を検知。プレイヤーMAOTANは死にました。AZUKINGの勝ちです』

「……」



 何を冷静にアナウンスしとる!


 マジで死んじゃうかと思ったよ!


 お化け屋敷要素があるなんて聞いてないからっ!


 ううう……モンスちゃんと遊ぶのは、やっぱりダンジョンの中がいいよぉっ!



「……ええと」



 気まずそうにあずき姉が口を開く。



「わからせバトルの結果は、5対0であたしの勝ちってことでいいのかな?」

「……はいそうですね」



 全敗。


 圧倒的敗北。


 あずき姉にわからされてしまった……。



「ゲ、ゲームやる前に5回勝つまで帰れませんやろうかとか言ってたけど、やらなくてよかったね、まお!」

「うんそうだね、良かったね!」



 徹夜でゲームやんなきゃいけなくなるところだったね! 


 ピキピキ……。



《魔王様、笑顔が怖いww》

《あずき姐、煽るねぇw》

《これぞ負けっ面に蜂》

《かわいい》

《【悲報】魔王様、やっぱりゲームが下手だった》

《うん、わかってた》

《知ってた》

《予想通り》

《なんだろう、この安心感》

《むしろ朗報では?》

《やめいwwwww》



「お、おまえらぁあああっ!」



 魔王軍だから、まおの味方でしょ!? 


 そこは「頑張ったね」とか「グッドゲームだったよ」とか「まおたんプリティ」とか、もっと労ってよ!


 ていうか、そもそも相手が悪くない?


 あずき姉って、いかにもゲームうまそうな感じだし……。


 相手がちずるんとかみのりちゃんなら……絶対勝てたからっ!!!

 

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[良い点] まおちゃんはみ○ちだったのか…(違
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