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第7話

いえーーーーーいユニコーン当たんないぜ!

中間テスト1週間前の昼休み。昼食を食べ終わり各々授業が始まるまでの間好きなことをする時間だ。友達と喋る者、本を読む者、グラウンドで運動する者。色々いるが俺はというとソシャゲのログインに勤しんでいた。ソシャゲというのは一日やらないだけでやっている者との差は埋まらなくなってしまう努力型のゲームだ。だからこういう時にやっておかなければ忘れてしまった時取り返しがつかなくなるのだ。

そんな作業をしてると教室の後ろのドアから声がした。


「朝霞先輩!朝霞先輩いますか?」


どうやら一年の女の子らしい。朝霞さんはすごいな後輩にも繋がりがあるなんて。

どうしたの?と後輩の元へ行くと後輩は大きな声で興奮気味に話し始めた。


「朝霞先輩この間のアニメのイベントにいましたよね!私先輩がアニメ好きなの驚いて声かけようとしたんですけど急足で物販のブース行っちゃって話せなかったんで今日来ちゃいました!」


そういえばこの間チケット当たったと言ってROINしてきたな。俺は元々配信で見る予定だったので羨ましくなんてなかったけどな。ほんとだぞ。ほんとだからな!!


だがまずいのではなかろうか。彼女学校ではアニメなどは全く見ない誰にでも優しい一軍女子キャラを演じているはずだ。


彼女は必死に否定しているが追い討ちをかけるようにクラスの男子が

「やっぱりそうだったんだ!僕も気づいたんだけどまさか本当に朝霞さんだったとはね」

必死で彼女は否定するがその必死さが逆にそれを事実と言っているような物だ。


こうなってくるとどれだけ否定しようと意味がない。クラスの雰囲気が凍りつく。陽キャグループを見てみると驚いたような表情をした後裏切られたような顔をしていた。彼女もそれに気づいたのか表情が強張る。


後輩は気づかずに話し続ける。ちょうど予鈴が鳴り各々席へ戻る。後輩も自分の教室に帰り再び彼女を見て見るとよほどショックだったのか心ここに在らずといった表情をしていた。


テスト前は部活動が禁止になるためいつもなら部室に行くのだがそのまま帰れるため前みたいに教室を一番最初に飛び出すのだが今日に限っては朝霞さんに先を越されていた。


次の日からテストが始まるまで彼女は学校に来なかった。

テストの時はなんとか来ていたのだがそれも終わるなりまた学校に来なくなった。


テストも終わり、放課後の部活動が再開する。

3人の部室でずっと優香がソワソワしている。すると何か決めたのか勢いよく立ち上がり俺の元へ来る。


「蓮ちゃん。未央ちゃんの元に行ってあげて」

「なんで俺が。俺よりお前らの方がいいんじゃないのか?異性じゃ話しづらいこともあるだろうし」

「それは普段の場合!今は緊急事態だよ。今回の件は3人の中で蓮ちゃんが一番わかってあげられるんじゃないの?ほらとにかく行ってあげて!」

そう言って教室を締め出された。

ちょっと待て俺朝霞さんの家知らないぞ。


優香に朝霞さんの家を教えてもらった後スーパーでお菓子を買って朝霞さんの家に向かう。

住所に着くとそこにはそこそこ大きなマンションだった。

インターホンを押し「何?」と聞かれたので「優香に言われて来た」と答えると玄関を開けてくれた。

エレベーターに乗り階に着くと彼女は玄関前で待っていてくれた。

「入って」そう言って彼女は扉を開ける。

お邪魔しますと一言言い中に入る。どうやら彼女は一人暮らしのようで家族は離れたところに住んでいるらしい。


リビングに通されると適当に座ってと言われたのでテレビの前のソファーに腰掛ける。

少しして彼女はお盆にお茶を乗せてきた。テーブルにお茶と俺がもってきたお菓子を広げると


「優香さんてば私を心配してくれてるのね」

「そうだな。あいつのためにも学校に行ったらどうだ」


すると彼女は俯き


「でも・・・。学校のみんなは私のことを受け入れてくれないでしょうね。みんなが好きだったのはアニメなんて見ない品行方正でかわいい私なのよね」

「ならアニメが好きってグループに入ればいいんじゃないの?」

「無理よ。あなたもわかってるでしょ?途中からグループに入っても気まずいだけよ」


なんで俺をディスってきたのかわからないが確かにそうだ。

スタートダッシュに失敗した奴はその後追いつくのは難しい。


「それに今回のテストの順位は見たかしら?」


我が校では毎回の定期テストで総合上位20位まで張り出される。彼女は毎回上位5位に入っていたのだが今回はどこにもいなかった。彼女の成績優秀というレッテルは無くなってしまったことだろう。


「もうあのクラスに私の居場所はないわ。それにこんな辛い思いをするくらいなら学校だって卒業できなくていい」


「何をその程度で」


つい出てしまった。彼女は少しの間の後涙を浮かべた顔を向け俺の頬を思いっきり叩いた。


俺はそんなのも関係なく話を続ける。


「昔俺の友達でいじめが原因で学校に来れなくなったやつがいる。俺がそいつの家に行くとそいつは壊れてた。今は普通の生活を送れているが後遺症的な感じでクズになった。元々は優しいやつだったんだけどな。人が感じる辛さっていうのは各々違う。だがお前が感じてる辛さはお前なら乗り越えられると俺は思う。なんせ今までずっと自分の趣味を隠して生きてきたお前の精神だ。だからこそ俺はこの程度って言ったんだよ」


綺麗事だ。俺の嫌いな綺麗事。それでも俺は彼女にまた学校に来てほしい。俺にしては珍しく学校が楽しく思えているのだ。その理由は10割万部だろう。彼女が進行し狭山さんが案を出し優香が盛り上げ俺がそれをあしらう。その関係が楽しくて仕方ないのだ。だからこそ嫌いな綺麗事でも口に出してしまう。


「でも私はどうやって学校生活を送ればいいの!もうクラスで楽しく話せる人なんて・・・」

「いるじゃないか。優香とか・・・・・・俺とか」


手で覆っていた顔を上げ俺を見る。その顔は涙で濡れていて驚いたような何が何かわかっていない複雑な顔をしていた。


「まぁほら、お前はもう趣味を取り繕わずに俺とまたアニメの話でもしようぜ」

「・・・!本当?私を・・・私を受け入れてくれるの?」

「何言ってんだよ。前にSeeタウンでアニメの話しながらお茶しただろ。その時から俺は受け入れてるよ。それにクラスにアニメについて話せるやつがいて俺は嬉しかったんだから。その・・・、これからもよろしくな」


その言葉を聞くと彼女は涙を拭いまだ涙で濡れた顔で微笑み、


「ありがとう」


そう言って俺の膝に頭をのせた。

はい。未央回いかがでしたでしょうか。趣味バレしていつもの気の強そうな未央ではなく弱った

未央もなかなか良かったでしょう?安心してください。蓮x未央てぇてぇは続きます。

これからも本作をよろしくお願いします!


PS 私事ですが昨日ガンプラのHGフェネクス作って指がバカ痛いんで執筆が遅れるかもです

背負い物がデカすぎて自立してくれないの困る

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