第24話
エヴァで2000ハマりしました
翌日月曜日。
俺は久しぶりに学校に来ていた。元々来るつもりはなかったが優香にあんなこと言われてしまったらやるしかないだろう。
教室の扉を開ける。全員の視線が俺に向く。うわマジかみたいな視線が俺に突き刺さる。もうすでに帰りたい。
中に入れずにいると後ろから
「来てくれたんだ蓮ちゃん!」
と元気な声がした。
よく俺に気づかれずに後ろに立てたな。いや、ショックで俺が気づいてなかっただけか。
「よかった!来てくれたんだな川口!」
「いや、まあ・・・」
そんなやりとりをしていると一人の男子が近づき
「なんで川口がいんだよ。今はな、お前が潰そうとした文化祭の準備中なんだよ。それなのによくもまぁのうのうと顔出せたもんだな。なんか言ってみろよ」
「えっと、そのーあのー・・・はい」
ごもっともです。何も知らない彼らからしたら俺はただの悪者で危険人物だ。
そして何も言い返せずにいると深谷弟が
「俺が呼んだ。川口ならこの何も進んでない現状をどうにかしてくれると思ったからな」
「何言ってんだよ遥希。こいつは・・・こいつがしたこと知らないわけじゃないだろ?今度は俺たちのクラスを壊しにくるぞ」
「そんなことしねえよ。なんにしろこの絶望的に進んでない状況をどうにかしないことにはどうしようもないんだ。彼に託してみろ。責任は俺が持つ」
なんていいやつなんだ深谷弟・・・。
深谷弟がそう説得すると男子は渋々元いた場所に戻った。
出席確認が済むとその後は自由に作業ができる。
俺は深谷弟と状況の確認をしていた。
「それで何がどうなってるのか教えてくれ」
「おけ。まず決まってるのがメニューとかくらいかな」
「待った。メニューしか決まってないの!?」
「そうなんだよ。決まってると言っても単価が安くて簡単なみんなが作りたいものを出しただけだけどね」
「それでメイド服は?」
「そこなんだよな。問題は。予算的に女子には何着かを着回して欲しいんだけど彼女ら曰く一人1着がいいらしくて」
いや自重しろよ。まあ思春期の女子なら仕方ないか。
「他には?」
「シフトくらいかな。みんな仲良い人と組みたいせいでなかなか決まらないからなぁ」
「どうやって去年の文化祭乗り越えたんだよ」
つい口に出して突っ込んでしまうほど絶望的な状況だ。
「わかった。一つずつ解決していこう。まずメイド服に関しては仕方ないから一人1着でいこう」
「でも予算やばくね?」
「そうだな。だからメニューを削る」
「ちなみにどれくらい?」
「ドリンクはそのままでいいとして食べ物系を大体2種類から4種類まで削る」
「それだと少なすぎない?」
「これくらいの方がちょうどいいんだよ。大量にメニューがあったところで覚えられないしどうせ作り置きしておくんだからそれで大量に残ったらどうすんだよ」
「確かに」
「ただ確かに少ないかもしれないからあえて表記状はいくつも種類があるように見せかけてその実料理自体は2種類しかないことにすればメニューを覚えられないこともなくなる」
かなりゲスいがこれでいい。そもそもメイド喫茶は料理ではなくメイドがメインなのだ。料理はそこそで構わない。
「次にシフトだけどスケジュール見たら俺たちが営業できる時間は大体5時間だから10×4の男女5-5の班を作る」
「でもみんな仲良い人と組みたいって言い出すと思うけど」
「知らん。黙らせる」
「それ独裁じゃんか!ダメだってそれは」
「大丈夫だろ。多分文句が出るのは最初だけ。なんせ文化祭には『文化祭って準備の方が楽しいよね魔法』があるからすぐ出なくなるって」
「なんか胡散臭いな」
「うるせぇ」
そして深谷弟が無理矢理10人班を作り待機させる。やはり文句は出たがとりあえず無視した。
「次に作業だけどこれはこのシフトの班ごとに割り振ろうと思う」
作業は大きく分けて4つある。1つ目はメニュー表の作成だ。これは絵が得意な奴がいる班に任せた。2つ目は教室内の飾りを作る作業だ。これはかなり作業量が多いため2班割り当てた。次に札の作成だ。札というのは注文後料理と交換で回収する札のことだ。恐らくこれはすぐに終わるため終わったら飾りの作成を手伝ってもらうことにした。
作業を始めて早数時間。すでに班を決めた時の不満はなくなり和気藹々としてきた。
やはり文化祭の魔法は偉大だ。
その後も作業は順調に進んだ。今まで進んでいなかったのは具体的なことがほぼ決まっていなかったからであって何もみんなが無能だったわけじゃない。進行してたやつが無能だっただけだ。
それから何日か経ち文化祭を翌日に控えた金曜日。準備も午前中で終え午後からは前夜祭が始まった。
体育館では全学年が明日の文化祭を楽しみに生徒会進行のゲームを楽しんでいる。ほとんどのクラスメイトがそこにいる中俺、未央、深谷弟は明日に向けてチキンライスを作っていた。色々話し合って決めた結果単価が安く簡単に作れるオムライスになり回転率を上げるために卵を調理するだけで提供できるようにしようと思いつきチキンライスを作り、それを一食分に小分けしラップをし、文化祭期間のみ借りている業務用冷凍庫にぶち込んでいる。
「深谷君は体育館に行かなくていいのかしら?そこの嫌われ口君はともかくとして」
「僕はいいよそれにどうせ後夜祭もあるし。今は文化祭を成功させるのが先決だからね。それより川口こそ行って来なよ。5組の準備が川口進行で進んだ今君の事を悪く言う連中がいたらクラスのみんなが守ってくれるよ」
「信用が厚いんだな。でも俺は他人は信用しないんでね」
「仮にも半年間一緒に過ごしたクラスメイトなのに他人かよ」
「孤高がかっこいいと思ってるのかしら。かわいそうな川口君ねまだ厨二病が抜けてないらしいわ」
「うるせ」
話をしてる間に作業も終わり後は片付けだけになった。
「後片付けは俺たちでやっておくから川口は先に体育館行きなよ。今回のMVPがいなくちゃダメだろ?」
「いや俺も手伝うよ」
「あなたどうせ去年の前夜祭も行かなかったでしょうし行きなさいよ」
「決めつけは良くないな」
「なら行ったの?」
「行ってない・・・」
「でしょうね。なら早く行きなさいよ。優香さんも待ってるでしょうし」
「じゃああとよろしく」
「おう!まかせろ!」
そう言って俺は体育館に向かう。
体育館に入るとどうやら皆ステージに夢中で俺のことなど気づいてないらしい。うわぁ・・・みたいな視線を向けられるよりかは遥かにマシだ。
端の方でステージを見ていると優香と花奏が俺の元に来た。
「蓮ちゃんいつの間にいたの!?てか今まで何しての?」
「明日の準備。未央と深谷弟もいたぞ」
「そうだったんだ私も行けばよかったな」
「それにしてもあんなふうにクラスを動かす技量があったのにはびっくりしました」
「俺もびっくりだよ。まさかこんなに上手くいくとは思ってもなかったからな」
「でも今回褒めるべきところは別にあるよ蓮ちゃん」
「な、なんだよ・・・」
「短い期間で前みたいに自分を犠牲にして人を助けるんじゃなくて誰も不幸にならない方法で解決できたね」
「確かにな。でも今回のことで自分の限界が知れた気がするからもうお前らを心配させるようなことはない。・・・極力なくすよ」
「ダメです。絶対無くしてくださいね」
「ハイ・・・」
「今回頑張った蓮ちゃんにはよしよししてあげる!ほら、よしよし」
「わ、私も!」
一年前の俺が今のこの状況を見たらどう思うだろう。まず女子2人からよしよしされるなんて考えもしなかっただろう。
明日は文化祭だ。ここまで色々あった。これで失敗しましたとか笑えない。だからこそ俺は明日が楽しみで仕方ない。この3週間ハイリスクハイリターンの賭けをしていたと思うとゾクゾクする。まあここで失敗するとそのハイリスクを背負わなきゃならないわけで、それに優香と文化祭を回る約束もしているのだ。まぁ要約すると
とにかく明日楽しみ!
はい。今回で準備編終わりです。次回から文化祭本編です。衝撃のラストに乞うご期待!
告知
この連載が終わり次第Bルート書きます。なんのBかはまだ言えませんが完全に雰囲気が変わるので期待してください。あくまでもトゥルーエンドはこの今書いてる連載になりますのでそこだけ把握お願いします。Bルートは完全に俺の趣味というか悪ふざけになるのでそこだけほんとお願いします




