表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】聖女召喚の聖女じゃない方~無魔力な私が溺愛されるってどういう事!?  作者: 未知香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/54

第54話 【最終話】これから

 決意を新たにしたようなフィスラがとても格好良く見え、こんな時なのにどきりとしてしまう。

 そんな私に気が付かないフィスラは、そのままさっと立ち上がってしまった。


 なくなってしまった体温が恋しい。


「お茶をもう一杯入れよう」


「冷たい飲み物がいいです」


「……」


 私が希望を言うと、フィスラは無言で手から氷を出してカップにいれた。


「わー凄い特技ですね!」


「特技ではない魔法だ」


「お酒を飲むときにも良さそうです」


「全く君は情緒がないな」


「フィスラ様の氷の入れ方も雑でしたけど……」


「こんな時に急に希望を言った君に呆れたのだ」


「好きになったとかじゃなく?」


「今でも好きなのに?」


 不意打ちだ。


 私は赤くなった顔を誤魔化すために、冷たいお茶に目線を落とした。


「今後の対策について、ゆっくり考えていく必要がありますね」


「そうだな。聖女召喚についても、在り方から変える必要がある……。魅了が使えるものがよばれない様にする必要もあるかもしれない」


「まずは魅了への対抗策を考えるのはどうでしょう?」


「そうだな、流石ツムギだ。そっちの方法は全く考えていなかった。まずはそちらを研究していこう。魅了が使える元聖女が居る今がチャンスだといえる。もし対抗策が見つからないまま聖女召喚があっても、もう同じことにはならないだろうが」


「聖女の扱いが問題だという事ですよね」


「あれの内容が暴かれた今なら、今後そういう問題はないとは思うが。だが対策は大事だ」


「それで、もし聖女召喚があっても、いい関係が築けるようになればいいと思います。ミズキちゃんだって、魅了が効かなければこんな事は起きなかったかもしれないですし」


「可能性は……そうだな。魅了も使いどころを間違えなければ、かなり使える魔法だと思う。案外いい導き手になるかもしれない」


「えらい人はちょっと自由な方がいい気がしますものね!」


「……君の意見は偏っている」


 そうだったのだろうか。

 確かにフィスラを見ていると、自己犠牲的なものも必要な気がしてくる。まあ、フィスラは趣味だからっていうのもあるだろうけど。


「二人の刑って、どういうことだったんですか?」


「ミッシェとミズキは、処刑を免れた。今後はミズキは隷属契約をして研究の下働きとして使う事になる。扱いは正直良くない。ミッシェは……そうだな、処刑では、ない」


 言いよどむフィスラに、罪の重さを感じた。


「そう、だったんですね」


「彼らの事が気になるか?」


「気にならないと言えば嘘になります。けれど、したことを考えれば仕方ないのかなと」


「そうだな。今は、楽しい事を考えよう」


「フィスラ様の楽しい事ってなんですか?」


「私達の結婚式に、後は前に言っていた続きとか」


 すっと耳元でささやかれてかあっと顔が熱くなる。

 思いが通じ合ったあの日に言われた『続きは問題が解決してから』が、まさに叶っている状態だという事に気が付いた。


「つ……つづき……」


「とても楽しみにしていた」


 甘い声が耳元で響くので、逃げ出しくなるのにもっと聞いていたくて混乱してしまう。恥ずかしくて、ぎゅうぎゅうとフィスラに抱きついて、胸に顔をうずめた。


「随分積極的だ」


 笑いを含んだ声で、フィスラがささやく。

 ちがう、と言おうとして顔をあげると、フィスラの顔が驚くほど近くにあった。そしてその顔がどんどん近くなってぼやけ、唇にふわりとした感触があった。


 初めてしたキスは一瞬だったのに、驚くほど幸せな気持ちと愛しさが沸き上がってくる。愛おしそうに微笑んだフィスラの顔が本当にすぐそばだ。


 不思議な事に、すぐさままたキスをしたくなってしまう。


「フィスラ様、好きです」


 その衝動のまま自分からもう一度、目を瞑ってキスをした。フィスラは私の頭をぐっと掴み深く唇を合わせる。その少し乱暴な仕草が、求められている感じがして嬉しい。


 私もフィスラの背中を撫でる。大きい背中と体温にくらくらする。

 段々と息が苦しくなって、フィスラの胸を押して身体を離した。


「も、くるしいです…」


 唇が離れ、はあと息をついた。一息ついた私を、フィスラは性急に再び抱き寄せた。


「まだ、全然足りない」


 再び感じる体温に、私もまだ足りないと感じた。

 本当に、全然だ。


 この後の研究の事は二人ともすっかり飛んでしまい、キスに夢中になってしまう。

 唇を離したフィスラと目が合うと、笑みがこぼれる。私は再びフィスラにキスをした。


 今、とてもしあわせだと、フィスラの体温を感じながら思う。


 もし他の世界で聖女召喚が行われても、もう私はフィスラが居るこの世界からは離れることはないだろう。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


下の☆を押しての評価や、ブックマークやいいね等を入れていただけるととても嬉しいです!

(ブックマークはポイントにもなりますし、気に入ってくれた人がこれだけ居るんだなという実感に…本当にやる気をもらっています)


次作は、ずっと展開を迷っている女の子二人のファンタジーか、

生贄として虐げられて育ってきた女の子が、魔術師に才能を見出されつつ見守られ…的なお話です。

ハッピーエンドです!(まだ書き終わってませんが)


また読んでいただけると嬉しいです。

ありがとうございました!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓↓★やブックマークいつもありがとうございます!別作品も読んでもらえると嬉しいです↓↓
▼▼未知香の別作品(下記文字をクリックで表示されます)▼▼

新着投稿順

 人気順 

書籍化します!『悪役令嬢は冷徹な師団長に何故か溺愛される』クリックすると詳細ページへ!
9435.large.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ