5 1章 5話 氷霊剣鬼
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港町ニューケイオスの町並みは三層で変化する。
1つは必要最低限の質素な木造建築に、改装工事、増築工事、さらには素人が作ったよく分からない形の小屋やテント。そしてかつて家だったがれきで構成されているスラム街。
2つ目、その内側。怪物から町を守る城壁の周辺。町としての機能のほぼ全てが集約していている。多くの住宅、商店、工場、工房、商店。白い木造の建物が整然と美しく立ち並んでいた。
最後はかつて沿岸要塞だった造船所だ。造船砦と言うべきか。現在は造船所であると同時に、武装商船団を初めとする海の怪物に対抗する戦士達の拠点、そして地上から迫る脅威から身を守る最終防衛地点であり、領主の邸宅でもある。魔法の石で構築された鉄壁の城だ。建造されてからの400年陥落したことがないらしい。
町は簡単ながらも区画決めされている。今日は例外的に広場に多くの人が集まっていて、普段は歓楽街の方に夜にも明かりをともしている店があるだけで、他の区画は寝静まっている。
昼間には濁流のように人が行き交う商店街も、住民の顔ぶれの移り変わりも激しい住宅街も、今は竈の明かりが少し漏れるだけの暗闇が広がっていた。
酔っ払いや物乞いが転がっているから、全くの無人ではないし、衛兵が毎日夜間は巡回をしていている。ホラーゲームのような賑やかさがそこにあった。
なお、まれに紛れ込んだ怪物に血祭りに上げられたりで、本当にホラーになるらしい。
まあ、そんな事は些細な問題だ。ニューケイオスは最も活気のある町とも言われるほどで、今でも移民が多く居るようである。
「まあ、それはそれなりに犯罪者が多いという意味でも有るわけで。そして衛兵もなかなか本土と比べると強い人が多いそうだけれど、町を警備鶴のに十分な数があるわけでも、衛兵が衛兵として優秀というのとも違う。そう思わない?カミナ」
「いつもたまにシーカの言ってることはよく分からないわ。はぁー。そんなシーカだからあたしもここに居るのだろうけれど」
「いつもなのか、たまになのか、どっちなんだ……」
要は計画的に悪意を持って些細な窃盗を行えば大抵は上手くいくってことだよ。
カミナは色々あってか、少しけだるそうだ。まあ夜風の冷たさですぐに目も覚めるだろう。あの程度のハプニングはよくあるものだ。
盗みは良い。生前は考えもしなかったが、下級市民にとって盗みは嗜んでおくもの。特に私にとっては必要な事だった。
もっとも彼女、カミナはこんな行為をせずとも、生きていくことはできるだろう。だからこんな私のそばに居てくれるのは、偏に私が彼女の興味を引き続けれているのにすぎない。
「カミナはやっぱり、ストルトム家と仲良くするつもりはないのかい」
「どうしたの急に。別に嫌っているわけじゃないわ。私を利用してやろうっていう考えが気に入らないだけよ。それに未だ使い道も見つけられてないみたいだしね」
私がカミナの力を必要としているように、カミナにとって私は必要な人だった。
カミナの死んだ母は魔術師である。その子どもであるカミナも当然、少し魔術を教わっていたらしい。血のつながった父親も母親もカミナにはもう居ない。
いや正確にはカミナの母親は行方不明になっている。失踪するまでの、幼少の期間にしかカミナは魔術を習う事が出来なかった。そしてその後は誰にも魔術を教教わっていないし、教えていない。
普通であればカミナの母、魔術士が失踪するだなんてあり得ない。強さを、英雄が尊まれるこの世界で、魔術士は非常に高い地位を持っている。それが娘にも周りの人にも事情を何も話さずに、死んだかどうかすらも分からないのは不可解だった。
だから、おそらくカミナは嘘をついている。
私は、両親は罪人となったのか、より力のある人に消されたのか。父親すらも死んでいる事を考えると、相当に厄介で悲惨な出来事だったのではないかと、想像している。けれど本当のところを聞くつもりもないし、彼女が語ることもないだろう。
今大事なのは、彼女の魔術は物を盗むのに少し便利で、飢えた二人の子供が腹を満たすことができるということだけだ。
「貴族が金をスラムにばらまいてくれれば良いのに。そしたらもっと他のことに集中できる」
「何それ、急に。おかしいの。けどそうね、どうせなら私とシーカにだけお金をくれた方がお得だわ」
はははは……。そうだね。
きっと、富を再分配しろだとか、偉そうなことを言ってる暇があれば。自分の手で命を繋ぐ。それが必要なのだ。
「シーカ、どうせならお金も取ってきたら良いんじゃ無いの。私も新しい服が欲しいわ」
「魔術での金儲けはダメだったんじゃなかったけ」
「金儲けがダメなんじゃなくて、娯楽に使われるのが気に入らなかったのよ。それに魔術は秘めておかなきゃならないの」
その善し悪しのラインはいまいち分からない。しかしどちらにせよだ。
「何度も言っているだろう、カミナ。私は衛兵達からもらっている分はとても薄給なんだ。急に金持ちになっては疑われる。服もダメだ。スラムほどではないけれど、服と靴は一点物だからね、商船に積んでいるものをいただくならまだしも、平民の服はおっかないよ」
実は金貨や貴金属、宝石が手に入った場合は服の内側に縫い付けることができるようなものに限ってキープしている。だからカミナは知らないだけで、それなりに蓄えはあった。それは今後この町を離れたときや、予想外のトラブルを解決するための備蓄としているもので、大抵は遺体から拝借した物だった。
少し貯金を崩して、死体から剥ぎ取った曰く付きの武具防具や、血の染みた格安の品を、改造して自分で活用していたりするのだが、それでも着々と重みを増していた。なんんら、この服も中古品の寄せ集めである。
まあただ。
「んーあー、ほらこれ、あげるよ。仕方ないな」
ただ、溜めるばかりが使い道ではない。たまにはプレゼントをしても良いだろう。お互い誕生日も分からないのだから、こういうサプライズがあっても誰も文句は言うまい。
親指にはめていた指輪を渡してあげた。いくら私の肉体が異常な成長と性能をしているとはいえ、今の私にはまだ大きく、親指にしかつけられなかったのだ。私よりも手の小さい女の子の手をしているカミナだけれど、紐を通して首にでも掛けておけば、なんだかお守りっぽいじゃないか。なんの煌びやかさも無い指輪だが、以前の使用者は女だったようだし、内側に文字が何か掘られている。私には読めない文字だが。開拓者がつけていた指輪だ。何か希少価値や有効な機能があるのかもしれない。
例えば魔術のような。
「ほんとに、良いの?返さないわよ」
「うん、良いよ。魔術士っぽい人が持ってた指輪だ。何か役に立つかもしれないしね」
「それって死体あさりで手に入れた指輪だったの。よくそんなものを何時もつけているわね。知っているだろうけど英雄の冒涜は、重罪なのよ」
「たった今、私たちがやっている事も大概だけれどね」
「全然違うわ。殺しじゃなければ奪われる方が悪いのよ」
カミナはまくし立て顔をしかめたが、ゴクリと唾を飲み込み、左手の指にはめた。
この世界、この町の大人達は。金銭を財産とし喜ぶ。だが、金銭以上に人間が持っている能力を最大の財産としているところがある。
いくらの資産を持っているのかよりも、いくら優秀な人材を抱えているかが評価されるというか。より直接的に、どちらが優秀な英雄なのかと評価される。
それは、次の日には怪物に殺されているかもしれないという。恐怖感からなるものなのか、貨幣の価値が低いのか。
詳しくはわからない。人類の敵を殺す事は尊敬される事だけは身を以て知っていた。
「いやいや、さすがにサイズは合わないんじゃ、まじか」
カミナが指にはめると、サイズが自動的に調整された。私が指にはめているときは何の反応も無かったのに。魔術士にしか仕えない魔法武具かなにか何かだったのだろうか。それとも性別か。以前のユーザーと比較するとカミナの方があまりに類似点が多い、相性が私よりも良かったのだろう。
「そんな顔をしても、絶対に返さないわよ。これはもう私のものだわ」
「喜んでくれたようで良かったよ、いや、うん本当に。私も道具が正しい使い方をされているみたいでとっても、アーウレシイヨ」
なんだか釈然としないが。指輪をじっと見つめ、愛おしそうに撫でている所を見るに、しかるべき人の手に渡ったということなんだろう。女の人はほんと玉が好きだよね、ええ全く。
「とっても似合っているよ、可愛い、いや可愛くはないけれど。似合ってるよ」
「そこまで言ったのなら、嘘でも可愛いって言い切りなさいよ」
カミナと話しながら歩いていると、目的の地点にたどり着いた。
「カミナ。いつも通りこの扉できるかい」
無言で扉の下、地面をカミナは無言で流動させる。身じろぎ一つしていないにもかかわらず、それなりに疲労した様子だ。そして、ちょうど子供一人が通れるだけの穴ができあがった。
私たちが侵入する家は、入り口が土間になっていて、魔術で土いじりをすることで鍵を無視してすり抜けられる家だ。
カミナは母親に鍵開けのようなスマートな魔術は教わっていない。当然だが。
それどころか、本職の魔術士は1秒で家1つ土に沈めるらしいのだけれど、カミナは10秒掛けて穴を掘る程度。それが才能があれど正しく教えを受けられていないカミナの限界だ。
実際はカミナが通るのならともかく、私だと匍匐でギリギリ通れるかというところだが、素早く掘り出して、地面を元に戻すにはこうするほかない。
大人にもなって、今は子供だけれど、土やヘドロだらけになるのは未だに忌避感があるが、そういうところも未熟なカミナにはまだ気持ちよく働いてもらわなければならないし、魔力も少ないのか、しっかりとしたトンネルを素早く作ると今日はもう家に帰らなければならないだろう。
それでも、路上で財布を盗んだするよりはマシだ。それに、魔術は秘めるべき物であるという教えにも背かないので都合が良かった。
いつかカミナにも、ちゃんとした魔術の教師をつけてやりたい。きっと才能があるはずだ。歯車が一つ違えば、こんなところで私なんかと居ないで母親と暖かく暮らしていたはずなんだ。私と違って、死んだときに後悔を抱えていて欲しくない。
「それじゃあ。待っていてね」
バックパックは下ろして私はこの衛兵の住宅に速やかに忍び込む。誰も居ないことはリサーチ済みで、外から気配も明かりも無いというのに、いつもこの瞬間は緊張する。戸棚から目的の干し肉やハムを見つけ出すと少しだけ袋に詰めて、他の些細な金目のものや食料には目もくれずすぐに外に向かった。
こちらの町の建物は明らかにスラムの建物よりは立派な構造だが。それども所詮はただの衛兵の家。見たところこの家には加工肉以外に大丈夫な製品は何もない。けれど魔術のトラップも無ければ床板も一部無い。食料さえ少しばかりあれば良い私たちには、凄く都合が良かった。それに今日はまだまだ働く予定で外に出たのだから、あまりもたもたしていられない。
「よし。次に行くよ」
私が外に出たのを確認して、カミナがきっちりと平らな地面にしてくれた。
そんな具合で商業地区から少し外れたところに行く。同じ手順でパン屋からは小麦粉を、更にしばらく歩いて、今度は魔術を使うまでもない、農家の地下からは芋を、少しずつ特にトラブルも見合わず手に入れた。
「上手くいったね。シーカ」
「仕事中の衛兵の家、店主が風俗で留守のパン屋、番犬の居ない農家。これだけ条件を決めてやっているのだから、盗めない方がおかしいさ」
衛兵の詰め所のお友達から、わざわざ独り身で今日仕事がある男を聞き出している。今日も一人寂しく仲間と町か街道を歩いているはずだ。衛兵は、森に狩りをしにいく事が多く、干し肉を多く備蓄している事が多い。狩人と違ってそれを主商品として売る訳ではないから、管理がずさんだ。酒のつまみに食べてしまうことも多い。少し無くなっていても彼らは気がつかない。
この町でパン屋は裕福だ。港町ということもあり、潮風の影響で近くに田畑が少ない。輸入した小麦を購入して製作する分少し物価が高いとは聞くが、パンを買わない市民は存在しない。パン屋同士の競争はあるが、パン屋が潰れては民の生活に関わるため法律でパン屋は儲かるように設定されている。
そしてあの商人は最近、羽振りが良いことで有名らしい。それこそほとんど毎日キャバレーに通うほどに羽振りが良いらしい。
農家はできた作物を地下室に保存する。町に売るものの他に、自分たちが食べるための一年分の食料を保存していることが多い。彼らの暮らす辺りは町からかなり離れている。ニューケイオス中心地とは別の、農家同士だけのコミュニティーが形成されている。大胆な盗みは容疑者の数からしてすぐにばれる。窃盗を想定していないのか鍵を掛けていないことが多い。飼い犬が有ることも多いが作物同様、怪物に食い殺されたりすることもしょっちゅうある。畑からものが無くなるとすぐに害獣駆除を始めるが、備蓄の方が少し減ることに気がつく事はほとんど無い。
農村では明確にターゲットを決めている訳じゃ無かったけれど、それでここ3年はそれでうまくいっている。
「さらには魔術の補助もあるんだ、雨の日に足跡でも残さない限りは、ばれやしないさ。カミナのおかげだよ」
「そうとも限らないぜ」
背後から不意に声を掛けられた。
気配は直前まで何も無く、急にそこに現れたかのようで気持ちが悪い。
振り返る事無く、そのまま町に向かって走り出した。こいう場合の対処はカミナと全力逃走と決めてある。何が何やら分からないが、ともかくここは不味い。すでにスラムの近くまで来ている。運良く野犬でも現れれば撒けるか?カミナは付いてきているか?魔術、ダメだな。どうする。反撃、足止め、無理。対話?
「きゃあ」
「大した身のこなしだ、俺も本気で走らないと追いつけないかもな。だが連れはそうじゃないだろう」
初めて振り返ると腕を捻り上げられたカミナが居た。カミナも私の肉体には及ばないまでも、スラムの干からびた大人以上の身体能力をしているが、本物には敵わないということか。走り出して20秒保たず捕まってしまった。カミナを拘束している男は大柄で、筋肉質。剣を腰に二本もさげている。顔はよく見えないが眼帯をしているのだろうか、顔に帯のようなものが見える。衛兵の詰所は私が通っているところ以外にも複数あるが、服装からして衛兵ではない。気配や見た目でなんとなく強そうだ。気配とか歩法で強さを図るとか馬鹿らしいと思っていたが、化け物には化け物の雰囲気がある。ニューケイオスに居る強者はあらかたリサーチしているけれど、コイツは知らない。ここいらの住民ではなさそうだな。
「あんた何もんだよ、ちんけなコソ泥にかまっている暇があるような人間じゃないだろう。化け物め」
こんな怪物じみた人間、いや人の化け物が居るだなんて聞いてないぞ。
バックパックに吊してある、棍棒を取り出してそのまま顔面、横っ面にたたきつける。
全金属の細身の六角形の棒だ。ただの金属の塊で見た目では武器にも見えないが、作りの悪い剣と打ち合えば一方的に打ち砕けるだろう。オーダーメイドだ。
だが何時の間にか、すでに男は抜刀していた。その細く分厚いの直刀長剣にスタッフは防がれた。
青白い輝きを放つ刀身。それは武器でありながら美術品のような輝きを持ち、美しい。私の得物のようにずるではなく、普通の剣の形のままで、普通以上に頑丈で良く切れる。そういう異常性を持っている武器だ。おそらく魔法武具か異物武具。
「くぅ、それ――なら、こうだ」
棒の先端を相手の袖に引っかけ剣をはたき落とす。この武器には先端部に突起が取り付けられていて、釘バットとは違い、コレで相手を傷つけるのでは無く、衣服を引っかける事を目的とした作りだ。それに相手に棒の先端を掴めなくする用途もある。掴んで受け止めることも難しいはずだ。
だが棒についてた棘を見てから、一歩後ろに下がられ、上手く躱された。身体的な速度だけではない、思考速度もものすごく速い。
「チョイスが渋いな、だが悪くない。クォータースタッフや槍のようなリーチよりも、取り回しを重視したロングソード程度の長さのスタッフ、それにこの重さは金属製だな。剣や長物と比べて少ない殺傷力を補うための質量、常人では持ち歩くのすらつらいだろう。すさまじい膂力だ。対人を意識したギミックも良い、自分で考えたのか」
攻撃が何も当たらない。ことごとくが相手に読まれている。おそらくこの肉体のたぐいまれな膂力を保ってしても正面からは力負けするだろう。
ダメだな。これはどうにもならない。コイツは強すぎる。
ドッポンっ と。森が落ちた。
辺りの木々が。そのとき男の足下が溶けたかのように沈み込み。とっさのことにさすがの男も足を取られる。カミナの魔法だ。だが、カミナの力では相当無理をしているだろう。二度目はおそらく使えない。
「シーカ。逃げて」
逃げるにしても、戦うにしても、今しかない。
「逃げるのか。薄情なガキだな」
牽制しつつ距離を取る。体でも、技術でも、心でもコイツには勝てない。はっきり言って私はこの男に怖じ気づいていた。
「ああ逃げるさ、今回は私の負けだ。取捨選択を間違えるつもりはない。私はまだ死ねないんだ」
ここで二人仲良く捕まるのは最悪だ。カミナを抱えながらではまず追いつかれないし、おそらくカミナもすぐに殺されることもない。近くに馬を隠していれば分からないが、その前にスラムまでたどり着く。
魔術を使えるガキなんて失うにはあまりに惜しい。今はこそ泥しかできなくても、将来性がある。焼くなりけしかけるなり町を揺さぶれば一人盗み出すぐらい。
「まあ安心しろよ。俺は誰にもこそ泥を捕まえろなんて依頼されてねえ。だから金にならないお前らを捕まえる理由もねえ。俺はただ、プロと同じぐらい上手いよく考えられているのに、まるで子供の悪戯みたいなのが気になって見に来ただけだからな」
「かえしてやる」とボールのように投げつけられたカミナを受け止めて地面に転がっていると。ケラケラと笑いながら振り返る。
また会おうと一言残して、男は立ち去って。カミナを見て、ヤツを見て、瞬きする間にいなくなった。
処理が追いつかない。なんだったんだあの男は。一体何なんだあの怪物は。抱きしめる手に力がこもる。
「大丈夫、シーカ。手を離して。大きな怪我はしていないわ、それに、私はあなたを信じているから」
カミナはふらつきながらも、無理矢理にでも私の手を振りほどく。魔術のせいで、怪我はなくてもかなりつらいはずだ。
私から一歩離れて、立ち止まった。樹木に手を突く。
何も思いつかない。アレは嵐だった。それを助かったはずだ。乗り越えたはずだ。私もカミナも傷つかず、大丈夫なはずだ。そう。大丈夫。間違っていない。これで、良かったはずだと思う。
けど、なんだか胸が痛んだ。
良いね。賛否感想お持ちしております。
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