4話 ハイエルフパイセン
◆ 4話 ハイエルフパイセン
教会の騎士団って教会の私兵集団なんですよ。近代軍事学的に軍の基本構成は陸海空軍。それは近代の話のはずなんだけど、異世界には人間を乗せて飛べるドラゴンとかいるので陸と空の私兵集団を用意できるとなると、それは対国家に対してもデカい顔できる軍事力になる訳でして。そんな陸と空の騎士団2つを纏めて総騎士団化して団長と副団長で仲良く2つの騎士団を運営しましょう! 的な誰も守らないし得しないスローガンを本気で実行するには強いリーダーが必要になる。
女騎士エルフで団長……オークを! オークたちを呼んで!! くっころ騎士役満そろってりゅ!!!
ルーズ・リーフ総騎士団長はハイエルフで20代前半に見えるが200歳越えのババア。ハイエルフって基本的に寿命では死なないらしい。それに歳をとっても容姿は死ぬまで変わらないとかで1000歳になってもルーズ・リーフのパイセンハイエルフは今のままの容姿。俺の知ってるハイエルフと違う。
ハイエルフの価値観というか死生観というか文化とも言っていいかもしれないけど、百年も生きると生きることに飽きるらしい。だから戦いに身を置いてスリルを楽しんだりオークにくっころされて楽しんでみたりハイエルフ生を充実したものにして死んだりしたいらしい。狂ってる。ちなみにパイセンはハイビッチで俺以外の騎士団……男性女性問わず手を出したとか出そうとしたとか。当然女性にはお断りもされたらしいけど男性はハイビッチパイセンの端麗な容姿……ボンキュッボンに惑わされてしまったので忠実な部下となっている。人間とハイエルフは交配活動は出来ても子供は出来にくいんだってさ。知るか。
文字通り、リーダーの体を張った頑張りにより一致団結(笑)は成立しているのだ。
スキル帝国スキル教会本部はスキル総本山である。ハイビッチパイセンは男性団員たちとのコミュニケーション(物理)に精を出させており忙しい。俺はルーズ・リーフ(笑)団長は嫌いではないが好きでもない。誘われないのは謎だが誘われたら断る。病気持ってそうと偏見があるので……。その辺は魔法で何とかなってるらしいが確実なものでは無い。なる時はなる。高級娼婦にエルフとハイエルフが多い理由を知ったのもルーズ・リーフ(笑)の存在から推測したものだが正解な気がする。
それはそれとして、目先の問題解決が優先である。
奴隷制度反対勢力の撲滅。この異世界の奴隷制度は酷いもので、奴隷に人権はない。当然だ。自分自身を買い戻すことは可能であるが買い戻せるのは極小数。男の奴隷は戦場で肉壁になるか低賃金、悪環境でのハイパーブラック労働か特殊趣味を持つ貴族に買われるなどなどお先真っ暗な人生しか選べない。女性奴隷も同じような境遇だが、見た目さえ良ければワンチャン娼婦成り上がり可能ではある。
そして奴隷制度は各国で合法だ。ちゃんと国の認可を得て奴隷売買の商売を奴隷商人たちは行っている。無許可の奴隷売買は公開死刑になる。そんなリスクを背負うバカは少ない。そして奴隷をどのように扱おうが罪には問われない。これは奴隷商人や奴隷所有者にも適応される立派な法律である。
それをなんとかしようぜ! の集まりが奴隷制度反対勢力だ。主に奴隷の家族とか関係者が多いという情報は得ているがどうにも反対勢力にリーダーがいる。それもそこそこ優秀なリーダーがいる。
各地でテロ活動したり、ゲリラ活動したりとここ数年で活発化している。
困った各国は冒険者ギルドや傭兵ギルドを使い沈静化を行っているがその勢いは止まることを知らないどころか過激の道を進んでいる。
そこで帝国最強私兵集団のスキル教会総騎士団にもお声が掛かり"なんとかしてちょ"との依頼を達成すべく我々が動くこととなった。
反対勢力のリーダー的存在を召喚、捕縛、拷問、ギロチンによる公開死刑は教会総騎士団が動き始めてたったの1ヶ月間という短い期間で達成された。そりゃそうだ。俺がいるもの。1ヶ月間という猶予を与えたのは信ぴょう性と信頼性の問題だ。一日二日で解決したらその辺のやつを捕まえて反対勢力のリーダーと言い張り処刑したと勘違いされる。いやそれでもリーダーは本物なんだけど、1ヶ月間は拷問と裏付け調査と証拠集めをしたのだか、証拠も召喚できるので実質は拷問で1ヶ月間あそんだのだが、リーダーの証言で幹部とか過激派な人とかもいることがわかったのでそいつらも召喚、捕縛、拷問、公開死刑になった。そして世界に平和が訪れたのだ。そう、スキル教会総騎士団のお陰で。
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