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プロローグ

高評価が多かったら続く

プロローグ


第二次性徴期、男子は射精。女子は生理。それらが始まると同時に多くの人々はスキルが身に付く。それは神の天啓とも言われるが詳しい事は分かっていない。事実として分かっていることはそういった明確な身体の成長、変化が始まる際にスキルも身に付く、スキルが生まれるという事だ。スキルが無い場合も当然ある。

本人達からすれば年齢的に考えて恥ずかしいことではあるが、ある意味では家族や世間から見ればおめでたい事である。

スキルは多種多様であるが、同時に効果が似たようなスキル、同じスキルも存在する。

血統もスキルに大きく関わっており、代々剣術家の家系では剣術スキルが身に付く傾向がある。だが、絶対ではない。至極当然だが期待は大いにされてしまうが。剣術家系の家庭に魔術系スキルを持ってしまう場合も多々あるがその逆も然り。そういった場合、家同士の繋がりがあればお互いに子供を養子縁組に出したり養子交換する事が多い。

ただしそれは名家同士の繋がりであったり、歴史ある家系や貴族等に該当する事例である。


そう、俺のように田舎の村人家系の四男だとかはその養子縁組や養子交換の話題にも上がれないのが実情だ。スキル次第では売られることはあるが、高価なスキルを持っていて売るより働かせるか将来を見据えて売らない方が多いらしい。

俺が転生者であることに気が付いたのは3歳頃であり、おぎゃばぶままプレイを回避出来たのは良かったが田舎の村人の家庭に生まれそして四男となると3歳頃から労働力になる。労働力と言っても近所の同い年やそれ以上と以下の子供たちと遊ぶのが3歳程度に出来る労働を邪魔しない為の労働だ。

その遊びの中で俺は前世を思い出し転生者であることを自覚した。だって魔法使ってるんだもの……。

村の中に滅多にいないと言われている魔導師(魔法使い)がいたのだ。なんでこんな田舎にいるのかは知らん。おもくそ魔法で開墾作業しているのは見た。手をかざして木をスパスパ切り倒したり、掌から炎を出したり、水を出したりなどなど。

どうにも話しかけたりするのは村長くらいで殆どの大人はありがたやーと拝んでいるくらいに有難い存在らしい。無邪気な子供が子供コミュ力で無闇に駆け寄ろうものなら村の大人がラグビータックル並のブロックをカマしてくるし、あの人には無闇矢鱈に話しかけてはいけないと暴力込みの家庭教育と村教育がなされているのだ。ダメと言われたらやるのが子供なのだがその好奇心を折る程の教育とは? と思っていたが教育(物理)を見て痛い思いをしたくなかったので俺は無難に言うことを聞いていた。事なかれ主義ではなく生存戦略だ。


俺の話をする。前世は三十六歳までは記憶がある。トラック転生の可能性ゼロではないが限りなく低い。病死は無いだろう。健康診断では何も問題なかった。原因不明の突然死や突発的な心臓麻痺等の記憶もない。

要するに死んだという自覚もなければ記憶もないのである日起きたら3歳児になっていたが魔法を見るまでの当初の俺の感覚だ。


魔法の存在を知ってからは村人たちにバレないように魔法に関する情報を集めようと努力した。俺みたいな状況によくあるのがステータス表示や鑑定スキルなど自分自身のステータスが分かる、もしくは他人のステータスが分かる。そういったチート能力があるのが異世界転生モノのお決まりだと思っていた。いや、まあなんというか、そんな都合の良い話はない……。

3歳児に出来ることなど殆どない。環境が異なれば、例えば金持ちの家に産まれるとかならチャンスはあっただろう。田舎の村人四男はノーチャンスだ。唯一のチャンスはスキルの発現。剣術スキルレベル2とか生まれたら即座に売られる、売ってくれるだろう。

この世界ではスキルの発現は第二の人生のスタート、転機ともされておりスキルの有無、スキルの種類、スキルのレベルで人生がガラリと変わる。

それこそ剣術名家の四男あたりがなんのスキルも生まれなかった場合は悲惨なことになるが、その逆も当然ある。

スキルの種類によるが都会に出て稼げるスキルの種類はわりと知られているし一般常識にもなっているらしく、剣術や魔術に関わるスキルを持った場合は投資される。つまり家や村全体等の資金援助を受けて都会に出られる。稼げるようになったら利息をつけて返してね、という奨学金みたいな制度すらある。それだけスキルは重要視される。


夢精と精通とスキル発現のトリプルコンボを決めた。と言ってもスキルの方はスキル判定書を使わないと詳しくは分からんが、確実に俺の中で何かが生まれた、変わったという感覚を得たのは確かだ。えーん10ちゃいで下着と布団を親に洗われた……。

スキル判定書を使う。これはスキルを持っているかどうかを判定する安物というか田舎の村人でも持ってるレベルの代物だ。

「スキル有り!」

親共は狂喜乱舞していた。スキルにもハズレ枠があるんだが。俺の住んでる村でスキル有りは珍しいらしい。しらん。

詳しくスキルを知るにはスキル水晶のある所まで行くかスキル判定神官に来てもらうか冒険者ギルドに行くかの三択くらいしかない。殆どの場合はスキル教会に行けばスキル水晶はあるしスキル判定神官もいるが。なんだよスキル教会って?

そう、スキル神なる神がいるのだ。あたまいたいはなしだ。


俺の同世代というか村の中途半端な子供達が数十人いる。当然個人差もあるが、まあ大人に一歩前進した人数が多い時期を狙って村のお金(供託資金)でスキル教会からスキル判定神官を派遣してもらったらしくあの日から2週間後に村に到着。俺か知る限りこんなこと無かったんだが?

3歳頃から10歳になりそれが来たまで村で過ごしてきたのに、スキル神官が村に来たのを見るのは初めてだ。というか、俺が教会まで行った方が安く済むのでは? と思っているが五分後に判明した。俺以外にもスキル有りが何人かいた。たぶんそれを聞いた村長が補助制度(スキル有りが3名以上いた場合は無料で神官の派遣を申請できる)を使ったに違いない。

田舎に住んでいるので格差はあるだろうが高く見積って17世紀中頃、感覚的には16世紀な文化レベルというか社会レベルというか。なのだが一部に関しては割りと先進的文化というか思考というか、前世の日本文化くらい優秀なのだ。

というか、かなり高い可能性でパイセンの異世界転生者なり異世界召喚者なりがいた、か、いる。

スキル神官がもってる水晶もそうだが神官って何者? スキルに関しての情報が得られなかったので俺の知るスキル情報は周りにいる村人たちと変わらない。ただ、何となく神官の佇まいというか、纏っている雰囲気がどことなく凄みがある……気がする。

剣術スキル、魔法スキル、生活スキル、と来て俺のターン! 頼むぜ!なんか良い感じのスキルよろしこ!れ!!


【エクストラスキル召喚師レベル1】

【魔術スキル魔力消費減少レベル1】

【魔法スキル魔力量増大レベル1】


俺はドナドナ(連行)された。

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