「シスター」とか「ブラザー」とかについて思うこと
色々書いてますが、とりたててくわしい訳ではありません。キリスト者でもありません。
なろうには異世界ものが多いですよね。わたしも書いています。
ちょっと昔のヨーロッパのような雰囲気や、人々の習慣。食べもの、法律など。それに貴族と王家。異世界情緒あふれてて素敵ですね。
ただ、わたしが異世界ものの小説を読んでいる時に、どうしてもとまってしまう時があります。
それが「シスター」と「ブラザー」です。
皆さん、シスターのイメージってどんなものでしょうか?
ヴェール? 十字架のペンダント? 黒いワンピース?
そういう格好の「シスター」は多くの作品に出ていると思います。
ですがいいたい。
街中を歩いている、ずきんに、膝下丈のスーツ、ハンドバッグ、手に持ったロザリオ、左手薬指に指輪、という格好の、ふたり組のおばちゃんorおばあちゃん。
それがわたしのなかの「シスター」のイメージです。
なので、「シスター」という文字を目にすると、それがぱっと思い浮かびます。で、「異世界だからスーツとハンドバッグは違うよな」とその辺りのイメージを修正します。
そうなると何が起こるか?
読み進めていったら、「シスター」がおばあちゃんじゃないんです!!
わたしにとっては衝撃の事実です。え? 高校生ぐらいなの? まじで? とよく吃驚します。
シスターを作品に登場させている作者さんに是非書いて戴きたいのは、その「シスター」さんの年齢です。おおよそのところでいいので書いておいてくれないと、わたしみたいなひとがもれなくおばあちゃんだと判断し、後から吃驚します。結構心臓に悪いので、配慮してもらえると喜びます。
さてお次は「ブラザー」の話です。耳馴染みがないかたもいるかもしれません。修道士さんですね。もしくは修道者、修道僧という表記も見かけます。
「ブラザー」が出てる作品って少なくないですか?
個人的にこれはおかしなことだと思っています。だって、神父さまが出てくる作品は割とあるのです。ひとり神父さまが居たら修道士さんは沢山居るでしょう。
修道士のなかでも位を戴いているのが神父さまです。修道士でもなんでもないひとが誓願していきなり神父さまになるのは変な気がするので、その作品世界に修道士さんは沢山居るけれども、主人公の身近には居ない、と判断すればいいのでしょうか。だとしても「シスター」は沢山出てくるのですが。女子修道院に修道院長として男性が赴任されていて、その呼びかたが「神父さま」なのでしょうか。
司祭とか助祭とか枢機卿とかも、あんまり出てこない設定な気がします。そういう作品に巡り合えていないだけかもしれないです。もし出てる作品を知っているかたがいらしたら、感想欄などで教えていただけると嬉しいです。
もうふたつ。
「シスター」にも「ブラザー」にもいえることなのですが、服装の説明を省いているかたが多いように感じます。上記のように、わたしのイメージするシスターは膝下丈スーツ、もしくはワンピース的なもので、色はベビーブルーや白です。そうでない場合に戸惑います。その世界の宗教のこともくわしく知れて楽しいと思うので、服装説明を充実させてください<(_ _)>
もうひとつは、上の項目とちょっとかぶるのですが、その世界の宗教について。
お祈りはしなくてはいけないのか?
食事に制限はあるのか?
修道院や教会はどのような立ち位置、また役割なのか?
宗教的な権力者は存在するのか、するとしたらどのような形でなのか?
など、多少でも書いてもらえるとその世界の「シスター」「ブラザー」を理解する役に立ちます。描いてもらえるととても喜びます。
最後に、間違うひとが多いのでひとこと。
ロザリオは首にかけるものではありません。お祈りの時に回数を確認する為のカウンターです。
2021/05/29 追記。
そもそも修道士、修道女というものに対してざっくりと、
「特定の宗教の教会で寝起きしているひと」
「教会に付随している孤児院に居る、孤児のなかでも年長者」
「修道服を着ているひと」
のようなイメージがあるのではないかと思います。
カトリックの修道士に関していえば
清貧、貞潔、服従のみっつをまもると誓っていることが条件となります。
単なる信徒が勝手になのるものではなく(通称として兄弟姉妹、ブラザーシスターをなのり、呼びかけるかたもいらっしゃいます)、修道会に認められ、所属できていることが修道士を修道したらしめています。
繰り返しになりますが、キリスト教の修道士に関しては勝手になれるものではありません。
修道会というものがあり、そこに所属できるかを試す志願期があり、その後に適性があると判断された者が修練の期間を終え、誓願を立てて初めて修道士になります。
ブラザー、シスターというのは、仏教でいえばお坊さんや尼さんです。ですから、適性があるか調べる期間も当然あります。適性がなければ当人は辛いだけですし、修道会にとっても迷惑、もしくは害悪になる場合もあります。
けっして、信仰の度合いが深く、教会に住んでいて、それらしい格好をしていたらなのれるというものではないのです。正式に誓いを立てていない限りは単なる信徒でしょう。
また、これも勘違いしているかたが多いようなのですが、聖職者で大人の男性であれば「神父」「牧師」という訳ではありません。神父さまは妻帯できず、牧師さまは妻帯している場合があるなど、差は大きいです。
ひとつの教会にひとりということもありません。復活祭などのイベント時に教区内から別の神父さまがいらっしゃることもあります。
更に、宗教ですから、宣教師、伝道師という存在もあります。教えを広めるかた達です。
その辺りがごちゃごちゃになっていると、読むほうにはストレスです。
「自分が書いている作品のシスターは教会の許しがなくてもなのれる」
「うちの作品では宗教的に自分でなのることがゆるされている」
というかたは、ぜひ、その部分を詳しく書いて下さい。
ひとつの宗教を背負い、その宗教の道を修めることを自らに課しているということを簡単に自称できるようであれば、場合によってはその宗教そのものにダメージを与えかねません。
その宗教をおとしめる為に、わざと「シスター」「ブラザー」「ファザー」をなのり、本来の教義とはかけ離れた行動をとるひと達が出てくる可能性もあります。
異世界の宗教の話だからそんなに目くじら立てなくてもと思うかたもいらっしゃるでしょうが、中世から近世のヨーロッパを模した異世界の宗教だからこそ、疎かにしてはいけない部分だと思います。
宗教というのは、特に科学技術や医療が発展していない世界にとって、とても大きなものです。神さまとつながる手段なのだから当然です。
宗教に利権が絡めばそれはもっと大きな力になります。
ある宗教の教会が各地にある=その宗教はそれだけの土地を持っている、のです。大きな既得権です。それだけの宗教が、どうやって成り立ち、どうやって信徒を得、どうやって運営されているのかは、わたしはとても気になります。
その宗教ではどうして簡単にシスターをなのれるのか? もしくは教会から認められるのか?
その辺りをきちんと書いていただければ、とても助かります。
修道士さんが出てくる作品書いてるよ!
修道士さんが出てる小説知ってるよ!
というかたは、是非教えてください(*- -)(*_ _)ペコリ