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探し物?みーつけた!  作者: あんころ餅
1章「クロを探して三千里」
7/11

クロ発見?



さて、木に到達したは良いものの、どうしたらいいのか。

そう思ったのも束の間だった。


「にゃ〜ん」


俺の帰りをいつも出迎えてくれる、あのワントーン高い甘え声。たたたっと廊下の先から駆け寄ってくる様子が目に浮かぶ。

その鳴き声ひとつで次々と思い出がよみがえり、無性に会いたくなる。俺の大切な存在…。



あぁ、クロだ。


そう感じた瞬間、木の幹の中から子供が出てきたのだ。



…え、子供?





クロを見つけたと思ったら、子供が出てきました。はい。

自分でも何を言っているんだろうと思うけど、マジです。マジのマジです。はい。



そんな俺の混乱を他所に、木の幹から光と共に出てきた子供が近づいて来た。


「ケン!遅い!なんでもっと早く来てくれなかったんだ。僕はもう待ちくたびれた!」


そう言いながらすぐ側で怒っている子供をよく見る。

年は10歳くらいだろうか?僕と言っているから男の子なのだろう。

焼けていない白い肌に映える艶のある黒髪に、緑がかった黄色の目。吊り目がちなその目はどこかクロを彷彿とさせる。子供らしい細い身体にまとっている赤い服は、俺がクロに付けていた首輪と同じ色だ。


「もう!ケンってば、聞いているの!?」

「いや、聞いてなかった。なんだ?」


目の前の子供の観察に没頭していたから、なにも聞いてなかった。

そんな俺の態度にどうやら怒っているらしい。


「だーかーらー!ケンが来るのが遅いから、僕もうお腹がペコペコだって言ってるの!」

「いや、木の存在を知ってからこれでも早く来たつもりなんだが…。というかお前誰だ?なんで俺の名を知っている?」


そう、ケンは俺の名だ。早川健。どこにでもありそうな名前だが、覚えやすくて気に入っている。


「はぁ?僕だよ僕!クロだよ!ケンはケンでしょ?僕のご主人様」





にゃーん

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